見出し画像

【書評】苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」

初めに

「昨日と今日で全く差がない毎日を100年続けたって,問題は何も解決しないよね?どうしたら良いと思う?」

この言葉は,本書の冒頭で4人の子供を持つ父である著者が,進路に悩む娘に向けてかけた言葉です.

この言葉は,就活に望む学生だけでなく,多くのキャリアを考える人々には刺さるのではないでしょうか?

本書はビジネスの最前線で生きてきた実務家としての視点を子供の成功を願う父親の執念で書き出したものです.

キャリアを考えるすべての人,また新卒として入社して優秀な同期や先輩との能力差に愕然としている人にとっては参考になる部分が多いでしょう.

Amazonレビューも 4.4 / 5.0 と大変高評価です(合計248評価).
オススメなので,ぜひ読んでみて下さい.

どうすればやりたいことが見つかるか?

就活活動を目の前にして,このような考え方を持つ人は少なからずいると思います.

やりたいことが見つからない.それは,世の中にどのような職業選択の可能性があるか良く分からないからだ.だから,様々な業種の話を多く聞いて企業分析する必要がある.

一見まともな意見に見えます.自分もそう思っていました.しかし,著者はそれは本質ではないと以下のように語っています.

仮に,世界中に存在する全ての職業オプションを頭に入れて,興味を持った順番に何百種類かをピックアップし,理解するためのオリエンテーションを得る時間が許されたならば,君のやりたいことは見つかるだろうか?私はそうは思わないのだ.ますます迷って君の悩みはもっと深くなるだろう.

,,,きっと間違いないでしょう.選択肢が増えれば増えるほど人は迷うものです.著者はこう続けています.

問題の本質は外ではなく,君の内側にあるのだ.やりたいことが見つからないのは,自分の中に「軸」がないからだ.(中略)君が真っ先に悩んで,そして最後まで集中して考え抜くべきなのは,君のキャリアにとって重視すべき「軸」なのだ.

刺さります.著者が言うように,そして多くの人がそうであるように,人が迷うのは軸がないからだと思います.仮に軸があれば,悩むことはあっても迷うことは無いでしょうから.

例えばAを取るかBを取るかという状況で,「どちらにしよう?」と考えるのは「迷い」ですが,「Aは軸に合っているか?」と考えるのは健全な「悩み」でしょう.

著者は,私を含む迷える子羊達へ助言を述べています.

キャリア戦略とは,その人の目的達成のために,その人が持っている”特徴”を認識して,その特徴が強みに変わる文脈を探して泳いでいく,その勝ち筋を考えるということだ.

就職活動とは,まるでどこかに一つしかない正解を探して追い求めることで,それを見つけ損なったら人生が大失敗するような不安がつきまとってはいないだろうか?

(中略)運命の出会いというものがあって,どこかにあるそのたった一つの正解を探さないといけないと思っていないかな?
(中略)そういうことでは全く無い.

不正解以外は全て正解であることを念頭に,決定的に向いてない環境を選択しないよう自己分析を継続してみてはいかがですか?

あなたに向いている職種は?

向いている職種について,どの職能においても重要なビジネスパーソンとしての基礎能力をT(Thinking),C(Communication),L(Leadership)のバランスを考えることが重要であると問いています.

ここではLの人に焦点を当てたいと思います。Lの人は以下のような特徴があるそうです.

達成感を味わうことが生きがいなので,趣味もその嗜好を反映したストイックなものが多い.

Lの人が向いている職能の代表的なものとしては,組織統括能力や意思決定能力を磨いていった先に,管理職,経営幹部,経営者などのマネジメント職がある.

また,横方向でもチームを束ねて目的へ向かって推進していく仕事,プロジェクトマネージャー,プロデューサー,研究開発リーダーなどに向いている.

Lの皆さんは上記の特徴は当てはまったでしょうか?L以外かなと思う方は是非本書を手に取って読んでみてください。
新しい発見があるかもしれませんよ。

あなたの能力を伸ばすには?

著者は各能力をどのようにして伸ばすかの示唆をも与えてくれています.

Lの人は,人に結果を出させる強みに長けている人が多い.Lの人が本領を発揮するのは ”組織” を預けられた時だ.自分が直轄する組織の統括はもちろん,関連する他部署やキーパーソンを巻き込んで,目指している目的に向かって集団としてのパフォーマンスを向上させる.

そのためにはどの職能から始めたとしても早く管理職に上がっていくことを目指すべきだ.上に上がるほど力を発揮できる可能性が高い.

子供が出来たら熊をワンパンできる

最後に,著者が自身の子供を初めて抱えたときのシーン描写がリアルで大好きなので引用させてもらいます.

もう人でも熊でも何でも一撃で倒せるし,空も飛べるし,世界も征服できる!という ”全能感” が突然やってきた.根拠は何もない.しかし「なんでもできるぞ!」という ”確信” が突如として心のド真ん中にドーンと現れた!

それほどまでに大きな影響を及ぼすのでしょう.周りのパパやママにも聞いてみたくなりました.

最後に

いかがでしたでしょうか?
今回は,「苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた『働くことの本質』」の書評を執筆しました.

もしこの記事が参考になったという人は ”スキ” よろしくお願いします.

今後も皆さんの人生に有益な記事を連載していきますので
見逃したくない方は忘れずにフォローよろしくお願いします

今日も最後まで読んでいただき,ありがとうございました.
本書のAmazonへのリンクはこちら。

Kindle版はこちらです。


よろしければサポートもよろしくお願いいたします.頂いたサポートは主に今後の書評執筆用のために使わせていただきます!