ひでさん

セルフ・アップデーターのひでです。 セルフ時代の現代を生きる一人一人の自己(セルフ)に…

ひでさん

セルフ・アップデーターのひでです。 セルフ時代の現代を生きる一人一人の自己(セルフ)に焦点を当て、個人総合力の刷新(アップデート)を全力でサポートします。 主に心理学的思考やコーチングを通して教えるのが得意です。P.F.ドラッカーのマネジメントやM.マクルーハンを好んで読みます。

最近の記事

マネジメントを学ぶ理由 エピソード11

 見慣れない街並み ありがたい事に、電車は動いていた。安全確認をしながらのため、速度を落としての運行だった。車内は空いていたので、座ることができた。座って間もなく、強烈な眠気がやってきた。うとうとしながら、何回かくず折れそうになり、乗り換え駅よりだいぶ手前から乗り過ごさないようにと、僕は立つことにした。立って窓の外を見ていると、見慣れているはずの景色に違和感を覚えずにいられなかった――。倒れているもの、壊れたもの、落下したものが見え衝撃的だった。道路に亀裂が入ったところもある

    • マネジメントを学ぶ理由 エピソード10

       震災の混乱をやり過ごす 揺れがおさまり、社屋に戻って有難かったのはライフラインが生きていることだった。電話回線は携帯も含めてパンクしたようだった。定時時刻を待たずに、駅の方に様子を見に行った総務の課長さんが帰って来て、電車はJRも私鉄もすべて運休となった事を知らせてくれた。  社内ではラジオも流されていたが、繰り返される情報に、新しい情報は少なかった。だが、取り乱すことの方に危機を感じていたので、むやみに動くことを控えた。すぐに緊急のMTGが開かれ、帰宅困難者のための検討

      • マネジメントを学ぶ理由 エピソード9

         楽しい目標面談⁈ 新部署の起ち上げの為に、僕はメンバー一人ひとりと面談をする事にした――マネジメントの実践である。もちろん、顔も名前も外から見た性格的な所は知っている。会社になじまない異端児たちとも言えるかも知れないが、一人ずつ話していくと、それは偏見であることに気がつく。僕が作った簡単な個人の目標管理シートをあらかじめ配り、面談日までに記入してもらった。会社の正式な目標管理ではなく、趣味や本当に好きなことを前提に書いてもらい、それを実現するためにどうするかを話し合った。僕

        • マネジメントを学ぶ理由 エピソード8

           封印という儀式 年が明けて2011年になった。早生まれの僕は、ほどなくして誕生日をむかえ37歳となった。昨年12月のセミナー以来、すっかり薬に頼ることもなくなっていた。薬はもともとあまり好きではないし、とくに安定剤は強い倦怠感と中途半端な眠気を伴って強制的に落ち着かせようとしているのが嫌だった。手元の薬は数か月前から一錠たりとも減っていない――もう、飲むことはないだろう。そう感じ、誕生日を機に僕は残った薬をビオフェルミンの大きな空瓶に入れ、封をした――。不思議といろんなもの

        マネジメントを学ぶ理由 エピソード11

          マネジメントを学ぶ理由 エピソード7

           学び方が変わった このセミナー受講を機に、僕の学び方は変わっていった。書いてあることをそのまま受け取るのではなく、本質に沿った物事の見方をするようになっていった。もともと、自分でいろいろ考えるタイプだったのだが、いつの間にか考えないようになっていたのだと気づいたりした。自分の意見が言えなくなるまで、自分との葛藤をないものとして扱ってきたのだ。ドラッカーの質問に答える度に、その答えに含まれていたのは自分自身の本音だった。質問の度に自分と対話していたのだ。ドラッカーという視点を

          マネジメントを学ぶ理由 エピソード7

          マネジメントを学ぶ理由 エピソード6

           自らセミナーへ その日まで、僕はセミナーへ行くのが怖かった。まさか、自分から進んでセミナーに行きたいとはどういう変化だろうか。薬も服用しなくなり、確実に何かが変わりはじめていた。バラバラではあるが、散らばってしまったメンタルのパズルは、少しずつ組み直されはじめていた――。  僕はガチガチに緊張しながらセミナー会場に着くと、席は自由とのことで、遠慮される一番前の席に座った。自分への戒めもあったのだが、せっかく受講できるチャンスだ講師に近い方が聞き逃さないと咄嗟に思ったからだ。

          マネジメントを学ぶ理由 エピソード6

          マネジメントを学ぶ理由~エピソード5

           質問だらけ ドラッカーを読み始めて最初に気づいたのは、その質問の数だ。大きな問いかけがあり、それを考えやすくするためにいくつもの小さな質問がそこかしこに並べられている。僕はその質問に答えようと、ない知恵をしぼった。自分なりの答えが出るまで考えた。最初のうちは、考えることで精いっぱいだった。当時はまだ服薬もしていたので、進みはイマイチどころではなかった。だが、なぜか読み続けること質問に向き合うことをやめようとは思わなかった。質問と問いに向き合う時間が長くなるに連れて、薬の飲み

          マネジメントを学ぶ理由~エピソード5

          マネジメントを学ぶ理由~エピソード4

           セミナーの受け放題 ちょうどその頃、会社でも社員教育の一環としてセミナー運営会社に会員企業として登録した旨の通知が回ってきた。要するに、セミナーに行けというお達しだった。出勤するのがやっとだった当時、セミナーへの参加は未開の地を開拓するようなものだった。最初の4回は必須とのことで、仕方なく腹をくくって必須のセミナーに申し込んだ。この時はまだ、マネジメントも学べると気づいていなかった。そんな余裕はなかった。ほかの管理職の面々も渋々申し込みをしていた。この時はまさか、この最初の

          マネジメントを学ぶ理由~エピソード4

          マネジメントを学ぶ理由~エピソード3

           寝る前に読もう 帰宅後、本をすぐ読みたい気持ちを抑えて夕食を先にすませた。処方されている薬を飲もうとして、少し考えた。当時は睡眠薬と安定剤を服用していた。この組み合わせは最高に眠れるのだ。服用すると目を開けて眠れるくらいだった。いろいろなことを当てもなく、無駄に考えることが多い僕にとって、これほど強力に強制終了を敢行してくれるものがあったとは驚愕だった。怖かったのは意識としては起きているはずなのに、度々数分間の記憶が飛んだりすることだった。これは、ある手痛い経験を通して脳そ

          マネジメントを学ぶ理由~エピソード3

          マネジメントを学ぶ理由~エピソード2

            管理がなっとらん! 心療内科に通院しながらも会社にはきちんと出勤していた。休むことも不安だったのだ。僕の症状は社交不安障害に分類されていた。いわゆる対人恐怖症である。相手に合わせ、自分の意見をねじ伏せる。今では考えられないほどに、メンタルはズタズタだった。当時、僕は曲りなりにも管理職であった為、上司からは管理がなっとらん!と叱り飛ばされていた。管理ってなんだ?何をするのが管理?そもそも仕事ってなんだ?不安と思考の迷宮を脱する為には、何か方向が分かるものを見つけないといけな

          マネジメントを学ぶ理由~エピソード2

          マネジメントを学ぶ理由~エピソード1

           僕が、P.F.ドラッカーが提唱するマネジメントという考え方に出会い学ぶようになったのには、れっきとした理由がある。大きな声で言えるような立派な理由でないことだけは確かだ。10年ひと昔という言葉があるので、当時の手記を元に綴ってみようと思う。 何があったのか今から11年前、あの未曾有の震災よりも少し前のこと。僕は過度なストレスから自律神経失調症と診断された。多忙であったといえるのだが、それ以上に自分で自分を追い込んでしまっていた。過労より周りの目が気になり、余計に仕事にのめ

          マネジメントを学ぶ理由~エピソード1