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マネジメントを学ぶ理由~エピソード2

  管理がなっとらん!

 心療内科に通院しながらも会社にはきちんと出勤していた。休むことも不安だったのだ。僕の症状は社交不安障害に分類されていた。いわゆる対人恐怖症である。相手に合わせ、自分の意見をねじ伏せる。今では考えられないほどに、メンタルはズタズタだった。当時、僕は曲りなりにも管理職であった為、上司からは管理がなっとらん!と叱り飛ばされていた。管理ってなんだ?何をするのが管理?そもそも仕事ってなんだ?不安と思考の迷宮を脱する為には、何か方向が分かるものを見つけないといけない。自分の中に見つけられないときは、本を探そう、きっとどこかにある。このもやもやの突破口が見つかるはずだーー。

 何年ぶりかの本屋さん通い

 当時、僕があしげく通った本屋さんが2軒ある。一軒目は駅ビルの本屋さん。店舗が大きく種類が豊富、文庫本も揃っていて、新刊も見やすく、店員さんの書評やポップも目立つ。もう一軒、家の近くの大型スーパーにも本屋さんが入っていた。こちらはテナントなのでコンパクトな店舗だったが、ユニークな陳列で楽しませてくれた。家族向けという印象が強く残っている。現在、この大型スーパーは移転してしまっている。

 小説は読んでいた

 当時も本は読んではいた。流行りの小説(ラノベが多かった)は会社の人と交換で回し読みしていたのだが、体調を崩し心を病んでからは小説を読もうと思わなくなっていた。面白いのは分かっているのだが、ミラクルやパラレルワールド、奇想天外な話が読みたいのではなかった。僕は回し読みの会から外れ、心理学や自己啓発を読み漁るようになっていった。通院後と毎週末には本屋に通い、何か1冊買って読む。ユングやアドラー心理学にもその頃に手を出していたーー流行りを見据えての必読である、とは真っ赤なウソ(笑)。藁にもすがる気持ちで何かを探していた。心理学のほかに自己啓発の本では福沢諭吉、渋沢栄一、新渡戸稲造、D・カーネギー、ウォルト・ディズニーなどを読み漁った。

 通院開始から半年が過ぎて

 心療内科の通院開始から半年ほどが過ぎた頃、駅ビルの本屋さんでも、家の近くの本屋さんでも、その本は大ベストセラー!と大きく紹介されていた。週末の夕飯の買い出しの際に、僕は近所の大型スーパーの本屋さんで「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」岩崎夏海:著 を買って帰った。半年ぶりの小説ーー2010年6月初旬頃のことである。

つづく

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