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"教育系" note まとめ

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"教育系" noteのまとめです。
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2023年10月の記事一覧

【本紹介】『手にとるように発達心理学がわかる本』-人の誕生から死までの疑問を幅広くじっくりと解説-

「頭のよさは遺伝で決まるの?」「性格は環境でつくられるもの?」「子どもの可能性を伸ばすには?」…… 2009年に発売以降、14年にわたってベストセラーになっている『手にとるように発達心理学がわかる本』(著/ 小野寺敦子)。発売当初は電子書籍がまだ一般的ではなく、紙書籍のみでお楽しみいただいていました。しかし、今でも本書に向けて多くの感想をいただくこと、そして電子化のリクエストがやまないことから、このたび電子書籍化のはこびとなりました。 1)『手にとるように発達心理学がわか

翻訳家という職業

 さて、ようやく「フランスの女」の連載再録も終わり、このページのオーナー(?)としてはここからリスタートという新たな高揚を感じています。  少し前の投稿でも触れましたが、この note のページは娘の後押しなしにはとてもスタートさせることができなかっただろうと思います。その理由のひとつには、現在抱えている翻訳がとてもヘビーで、その片手間に何かを書くなどという気力も体力も湧いてこなかったということがあります。  もうひとつの理由は、旧ブログ(新十勝日誌)で「ムルソーの食卓」とい

小学生の息子が不登校でホッとしているたった1つの理由

相変わらず次男は、小学校の授業スタイルを受け入れられず、給食から友達と遊びに学校に行っています。そんな小学校生活の2年目、今では次男がフルに授業を受けないことにホッとしています。 というのも、先生が一生懸命工夫はされているものの、基本は「指導する1人対、指導される30人」という40年前から変わらない授業スタイル。 これに染まってしまうと、10年後に社会にでる人たちには致命症になるのが目に見えているからです。 毎日学校を見てますが、いくら先生が一生懸命工夫しても、あのスタイ

鈴木俊貴×水野太貴「動物言語学とは何か?」

鈴木俊貴×水野太貴「動物言語学とは何か?」『動物たちは何をしゃべっているのか?』(集英社)刊行記念 トークイベントに参加しました。 本当は下北沢の現地に行きたかったけれど、夜なのでオンライン参加にしました。 私は文鳥を飼っていたことから、鳥類全般に興味関心を持ち、シジュウカラの研究をされている鈴木俊貴先生のTwitter(X)をフォローして、先生の発信される研究成果の情報を追っていました。先生の初著作であるこちらの本も購入して読み、大変興味深い内容だったので、今回のイベン

教員の働き方改革と一体にした授業改善をめざすカリキュラムマネジメントについて(5)

「総合的な探究の時間とカリキュラムポリシーについて」 おはようございます! 毎週日曜日更新、連続7回の第5回目となりました 毎週、ご高覧いただきましてありがとうございます。とても励みになります 今節では、「総合的な探究の時間」について話を進めます 高校においては、「総合的な学習の時間」の時代から継続して、3年生で真面目に取組ませるのか(受験勉強との絡み、単位数=授業時数を充分確保したい教科とのせめぎ合い、等)、誰が教案を作成するのか、担任が受け持つのか(HR+αと捉えら

弱みを強みへ転換 台湾の「翠玉白菜」から学ぶ価値のリフレーミング

台湾の国立故宮博物院で見た「翠玉白菜」が、翡翠の弱点をプロダクトとしての強みに変えるヒントを提供してくれました。弱みを強みに転換する力について考えてみます。 劣った素材と優れた作品過日、久々に台湾出張の際に、国立故宮博物院へ行ってきました。 そこで、あの有名な「肉形石」と「翠玉白菜」も、改めて見てきました。 「翠玉白菜」は、翡翠を彫刻したものです。子孫繁栄のシンボルである蟋蟀が、白菜の葉の上にいます。 翡翠そのものの価値は、色むらや傷がないことが重要だそうです。しかし、

フランス語の勉強を始めました。

こんにちは!ライターのもりえつ(北森悦)です。 突然ですが2023年9月から、フランス語の勉強を始めました。 渡仏の予定はありませんし、今のところ仏旅行の予定もありません。ライターの仕事で使う予定も、今のところは全くありませんw じゃあ、なんで??? と、突っ込まれるので、フランス語を勉強するに至った理由と経緯を書き記しておきます。7〜8月と2カ月近く迷って始めることにしたので、それなりに色々と考えました。勉強するからには挫折したくないという、真面目気質&戦略思考派なの

「ユーザー一覧」の"ーー”の読みづらさ。可読性向上へのアプローチ。

私は長らく「ユーザー一覧」という表現に違和感を抱いていました。 音読すると「ゆーざーいちらん」となり、問題なく伝わります。しかし、文字で表現すると「ユーザー一覧」というフレーズが生まれ、ユーザ(ー)(一)覧と伸ばし棒が2連続で続いているように見えます。 この微妙な読みづらさは、地味に気になる点であり、「ユーザー一覧」を音読する際には、注意を払わないと自然に読むのが難しいと感じます。 それにもかかわらず、この不自然な表現である「ユーザー一覧」を使用しているサービスは数多く

おばあちゃんは88歳で本を書き始めた。

小さい頃から本が大好きだったおばあちゃん。 とにかく活字を読むのが好きだった。 でも歳を重ねていくうちに、大好きだった本も目が疲れるから読めなくなっていた。 そんなおばあちゃんが、88歳で本を書くと言い始めた。 なにか物語が思い浮かんだわけではなく、 自分のことを書いて残しておきたい、という想いからだった。 原稿用紙に震える手で書き始め、 最後の方はもう字が書けなくなってしまったので おばあちゃんが喋る内容を家族が聞いてメモを取っていくやり方に変わった。 おばあちゃん

これからどこまでを「江戸前」と呼ぼうか

「江戸前」 この言葉をきいて、皆さんはどの範囲を想像しますか? 東京湾全域でしょうか?品川や大森あたりの海でしょうか? お寿司に天ぷら、うなぎ。日本、特に東京・江戸の魚食文化を彩るこの言葉は、時代が変わるにつれてその定義を変化させてきました。 日本橋魚河岸が江戸後期に幕府に提出した「文政二年文書」では、「江戸前」を「品川洲崎の一番棒杭から深川洲崎の松棒杭を直線で結んだ内側」としています。不格好ですがあえて現在の地図上で境界線を引いて、その内側を見てみましょう。 狭い!

【創作】東大政経2023

もし東京大学の学部入試二次試験に「政治・経済」があったら…という創作です

ソクラテスはなんで有名なの?

哲学に興味のない人でも、ソクラテスの名前を知っている人は多い。でもなんでソクラテスが有名なのか、わからない人が多いかもしれない。私もその1人だった。「哲学者だったというから、なんか難しいこと考えたんだろうけど、ナポレオンやアレクサンダー大王の方がよっぽど偉いんじゃ?」と。 少し哲学をかじった人なら、ソクラテスといえば「無知の知」とか「弁証法」で有名なことを知っているかもしれない。しかし私には、それらも大したことがない気がする(というと、哲学やってる人に怒られるかもしれないけ

すぐそこにある荒野。そして34冊の冒険書

探検や冒険とはなんだろうか。 思い浮かべるのは、遠く隔絶された地に向かい、身体的能力を限界まで駆使し、ある地点から別の地点への踏破に挑んだり、山の頂きに立ったりしながら、何かを発見していくことではないだろうか。しかし、私はある時から、冒険というものは、時として自分たちのすぐそばにあると考えるようになった。 去年、河出書房新社のIさんから突然メールがあり、今後「世界探検全集」というものを出します、世界の名著が続々復刊します、ひいては、そのうちの一冊に対し、本の前段「ナビゲーシ

冒険と読書の同一性。主体性の話し

探検とは何か  今から100年以上前の1911年12月。ノルウェーの偉大な探検家、ロアルト・アムンセン率いるノルウェー隊が南極点に人類初到達をした。  しかしこの時、南極点初到達を目指したもう一隊が存在した。それが、イギリスの海軍大佐ロバート・スコットが率いるイギリス隊である。  スコット率いるイギリス隊が南極点に到達したのは1912年1月。アムンセンたちに遅れること一ヶ月。スコット一行が苦難の末に辿り着いた南極点で見たものは、アムンセンが残したテントとノルウェー国旗だった