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”国際系” note まとめ

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This magazine curates notes relating to stuffs between globalness and localness.
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2020年7月の記事一覧

【寄稿】現在のアメリカ社会を考える:池田年穂氏

 黒人男性のジョージ・フロイド氏が警察官に首を押さえつけられて亡くなった後、人種差別に抗議するデモが、Black Lives Matter 運動(BLM 運動)としてアメリカ全土で拡大を見せており、終息が見えない事態となっている。  そのような状況のもと、アメリカであらためて注目を集めている書籍がある。アフリカ系アメリカ人作家、タナハシ・コーツ著の『世界と僕のあいだに』(原題:Between the World and Me)だ。この作品は2015年発売以来アメリカ国内で大

中国全省食巡り - 各都市で食べるべき料理3選!

名刺代わりに、かつて中華料理専門サイト80Cで連載していた「中国全省食巡り」のリンクを載せておきます。毎回中国の都市をひとつ選び、そこを訪ねたら必ず食べるべき料理を3つ選ぶというテーマでした。 料理選定には毎回頭を悩ませました。とても3つに抑えることができないこともあり、回を重ねるごとにボリュームも増え、暴走がエスカレートしていきましたが、その全てを許してくれた編集部には深く感謝です。 二十数年来の大陸中華料理経験の全てを注ぎ込んで書きましたので、是非ご覧ください!尚、料

気候変動リスクと現代の「帝国」 “今”と“過去”をつなぐ世界史のまとめ④ 前2000年〜前1200年

僕らは今、なぜこのような世界を生きているのだろう。 ばらばらになったり、まとまったりしながらも、とりあえず仕方がない、というように動き続けているわれわれの社会は、どのようにして今ある形になったのだろう。 ひとつの確固たる世界があるようでいて、そういうわけでもなく、区切られているようでいて、そういうわけでもない、あいまいなまま、はっきりとしないまま漂うこの世界は、一体どこに向かっているのだろうか。 "今"と"過去"をつなぎながら、世界史を、ゆるく、なんとなく、まとめていく

中国嫁の苦手のから考える、日本語の難しいところ(聞く・話す編)

(※以下の文章では中国語=標準普通話としています。) 中国人の嫁に、ちょくちょく日本語を教えています。 最近、嫁が苦手とするところの傾向がなんとなく見えてきて「中国人にとっては、日本語のこういうところが難しいんだな」と気がつかされることが多いです。 このnoteではそんな嫁の苦手からみる日本語の難しいところを、発音や聞き取りなどの音声まわりに絞って述べてみたいと思います(文法・語法でも記事がもう一本書けそうなので、ちょっと出し惜しみです)。 「っ」「ー(伸ばし棒)」嫁

タイガーよ、そなたの瞳は美しい。『WAR ウォー!!』

 バーフバリ以降、男の顔の良さの基準がハッキリと「インド」になって久しい私ですが、また新しい推しを見つけてしまいました。皆さん、今日はこの二人の名前だけでも憶えて帰ってくださいね。リティク・ローシャンとタイガー・シュロフです。 インドでも並び立つ者がいないとされる凄腕スパイのカビールが、突如上官を殺害して逃亡する事件が発生。事態を重く見た諜報機関はカビールの抹殺を指示するのだが、その任務に若手スパイのハーリドが名乗りを挙げる。かつてハーリドはカビールに育てられ、師匠と弟子の

アリペイのデータでわかる中国90年代生まれの預金サービス利用状況

中国Z世代の金銭感覚はみんなが思っていたイメージとはだいぶ違っているかもしれません。 先日アリペイの資産運用サービス「余额宝」(Yú'é bǎo)が「90年代生まれの貯金状況」についてのレポートを公開しました。これが中国人の固有観念とズレた結果でネットで話題になってます。 ※ちなみに「余额宝」とは、アリペイのなかにある投資信託預金のような金融商品のサービス。みんなが「余额宝」に預けたお金をファンドが運用する、そして預金した人たちは高い金利を得ることができるのでここに預金し

高級ホテルをバンバン建てるのは良いけど、今のままで大丈夫?

本日開催された「日本インバウンドサミット2020」に参加しました。 インバウンドの大きな流れの一つとして「今後は欧米の富裕層にも多くきてもらいたい。なので高級ホテルを誘致・開発する」というのは良いけど、今のままだと難しくないですか?という記事です。 インバウンドの潮流パネルディスカッションでは星野さんなど、観光業界で大一線で活躍されている方がインバウンド向けにどのようなことをしてくべきか話をされていました。コロナ禍以前のインバウンドにおいてメインの旅行者はアジアの方たちで

ポルトガル発、カレーライスのために生まれたスプーン

食の世界に限った話ではないのかもしれませんが、 道具が大好き!というタイプが、この世界の住人には本当に多いなぁと思います。 料理撮影の現場では、ふとした瞬間に そういう道具好きな人の“情熱”が垣間見えちゃうことがよくありました。 ピカピカ黒光りする鉄の小さなフライパンがあまりに素敵なので聞いたら 「これは30年もの。柄が折れたので自分でカスタマイズした」とか、 「ゴーヤの芯を取り除く専用スプーン」を自慢されたこともありました。 (給食を食べるようなステンレスの、細長い風変わ

「たとえ一片の骨だけでも・・・」スレブレニツァの虐殺から25年、未だ遺骨を捜し続ける母たち

25年遅れの父の埋葬 泥まみれになりながら、父親の遺骨に土をかぶせる男性がいた。捜し続けた25年間。やっと父を土に返せる日がきたのである。素手で土をかき分ける男性の目からは、時折涙がこぼれていた。 2020年7月11日、ボスニア・ヘルツェゴビナのスレブレニツァでイスラム系住民約8000人が虐殺された事件から25年の追悼式典。会場となった集団墓地では、この1年間に新たに身元が確認された、9人の遺骨を納めた緑色の棺が埋葬された。 そのうちの1つが男性の父親だったのである。埋

花伝社の海外コミック刊行について

7月13日、朝日新聞デジタルさんで弊社刊行のバンドデシネの紹介が掲載されます。 そこで、どのような基準で刊行するバンドデシネを探しているかとインタビューを受けたのですが、緊張してしまいうまく話せなかったような気がしたので(すみません!)、海外コミック関連の刊行についてnoteにまとめておこうと思いました。 (※書名部分のリンクからは弊社サイトの書籍紹介に、大きなリンクからはBASEの販売サイトに飛びます。) 弊社でグラフィックノベル(バンドデシネ)の刊行が始まったのは20

【7月27日発売新刊案内】矢吹晋『コロナ後の世界は中国一強か』

コロナ禍が始まって早数か月。これをお読みの方は、お元気ですか……? 数か月が経つと、コロナ禍の初期段階にどのようなことがあったのか、思い出せないことが増えていきます。その一つは「あれ、中国とアメリカが何かバトルしていたけれど、なんだっけ……?」ということです。 3月12日、中国外務省報道官の趙立堅(ちょうりつけん)は、以下のようなツイートをしました。 つまり、「アメリカ軍が武漢にウイルスを持ち込んだ」と言ったのです。 これに激怒したアメリカ国務省は、駐米中国大使を呼び出

サバクトビバッタの現状把握と影響に関する考察

AAICケニアの星野です。 今話題のサバクトビバッタについて現状をまとめてみましたので皆さんにシェアしたいと思います。 今年はコロナウイルスの話題で持ち切りですが、一部で報道されている通り、東アフリカ地域におけるサバクトビバッタの大繁殖による農業への影響が深刻な状況に陥る可能性があります。 今回はスライド形式で、「そもそもサバクトビバッタってどんな生物?」、「どこでどれくらいの影響が出てるの?今後の影響拡大の見込みは?」、「過去にも同様の繁殖は起きたの?」といった疑問にお

すべてさびしさと悲傷とを焚いてひとは透明な軌道をすすむ

常に金欠な俺がそれでも何処かへ逃れようとして縋り付くのは、いつも一番安い便の一番安い席だった。ヨーロッパ周辺の航空券を注意深く探すと、稀に貧乏学生でも手の届きそうな価格のものが見つかるのだが、そのほとんどは深夜か早朝の発着便であるため、俺にとって旅の始まりは気怠い体と半分閉じた目とセットで記録されているものなのだ。 何処にも行けなくなって久しい。3月にイギリスから日本へ帰って来てから国を跨ぐ移動はできていないし、県境を超えるような旅や旅行もほとんどしていない。 それならば

海外移住生活者さん達の魅力的な移住記事をまとめていく話。

私は現在カナダに4年間移住しています。海外で働く日本人に触れる機会が多く、触発される日々。。様々な働き方を知ると、勇気がわいてきませんか? 海外移住生活者さんの、魅力的な記事を下記に羅列しました。 (2020年7月16日現在) 🇺🇸北米・アメリカ編🇺🇸① Amazon米国本社で働く鵜飼さんの、英語でコミュニケーションを取る上での3つの心得のお話。日本人がぶつかる英語の発音についてよく分かります。 ② 灰色ハイジさんの、アメリカ就職までの流れを綴った下記記事。ハイジさんにも