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#マーケティング

批評がなくなった広告業界が停滞するのは当然かなぁと。天野祐吉さん没後10年に思います。

雑誌「広告批評」を創刊した天野祐吉さんがなくなって10年だそうです。 広告批評は2009年に休刊しています。 天野さんが亡くなってから特に感じていますが、広告を愛し、ヤジを飛ばす人が減りました。 リーマンショックの後の世界の広告業界の変化は大きく、震災の被害にあった日本はさらにその変化から遅れてしまったように感じます。 これは単純にデジタル化への取り組みだけが遅れの原因ではありません。 マーケティングという価値創造活動における広告の役割が明快でないこと、広告がマーケティ

【コンテンツで課題解決】 講談社、集英社のマンガ・ソリューション事業に注目

Mintoの水野です。SNS・Web3領域で漫画・アニメ・キャラクターなどをクリエイターと共に創っています。 今日はコンテンツによるビジネス課題の解決について書いていきます! コンテンツビジネスの基本は、コンテンツ会社又はクリエイターが、エンターテインメントとしてのコンテンツを提供して、お客様から対価を頂くモデルです。 漫画であれば、雑誌・コミックス・電子書籍を発行して買ってもらう。映画であれば映画館で作品を上映し、チケットを買ってもらう、キャラクターであればグッズやス

売上を左右する20のヒントをまとめた書籍『売上の地図』を出版します!!(→前書きを全文公開)

久しぶりに本を出版することになりました。最後の書籍出版から8年、単著では10年ぶり。 テーマは「売上」、タイトルは『売上の地図』です。 この本を書こうと思った背景は、企業のマーケティングに20年以上関わってきた中で、いまだに多くの現場で「で、それやったらどのくらい売れるの?」(現場担当者の声→そんなことがわかるんだったら教えてくれよ…)とか「キャンペーンが失敗したから売れなかったじゃないか!」(現場担当者の声→確かにキャンペーンが失敗したのは自分の責任だけど、売れなかった

最近よく聞くキーワード「ナラティブ」についての理解が深まるナラティブ関連本おすすめ5選

私ごとで恐縮だが、拙著『ナラティブ・カンパニー 企業を変革する「物語」の力』が世に出てちょうど1年が経った。 もちろんこの本だけの影響ではないけれど、この1年で、日本でも明らかに「ナラティブ」への関心が高まっていると肌で感じている。 実は「ナラティブ」はいろいろな分野にまたがる概念で、先行研究の長い歴史があり、その定義や解釈は多岐に渡る。いろいろな分野とは、例えば行動経済学や教育学、臨床心理の分野。カウンセリング、企業の人事領域もそうだ。物語学(ナラトロジー)という領域も

「自分が殺せない生き物は食べない」というシンプルな考え方。

最近、肉を食べない知人が増えた。 食べられない、のではなく、食べない。 健康上の理由ではなく、 宗教上の理由でもなく、 自分でそう決めたから、食べない。 その選択は流派というか、美学というか、 「ライフスタイル」という表現が最も近い気がする。 肉や魚を食べないのが、ベジタリアン。 それに加えて、卵・乳製品・はちみつなども食べないのが、ヴィーガン。 このくらいの知識はあったが、最近出会った知人の「肉を食べない基準」は、僕の知っているソレとは少し違った。 今日はそんな

電通OBと現役社員が熊谷の百貨店のことを真剣に考えたら、スマホ教室をやることになった。

2020年12月、230人の先輩たちが退職した。 いわゆる早期退職だが、普通の早期退職ではない。 僕の勤める電通という会社は、ちょっと変わった退職制度をはじめた。 それは退職後、個人事業主となった元社員と業務委託契約を結ぶ、というものだ。 制度の対象となったのは、主に40〜50代の社員たち。 会社は彼らに一定の業務委託を保証することで、独立を支援。個人事業主化を促した。 こうして昨年、230人の「元電通社員」が世に放たれた。 今日はその1人をきっかけに、はじまった仕

カルチャーは暴力である、と考えてみる。

Mr.Childrenといえば「国民的ロックバンド」だが、その歌詞は意外と過激だったりする。 初期はこんな歌詞も当たり前だったし、 かつての代表曲だって、友人の恋人を寝とる話だし、 今なら炎上しそうなフレーズの曲だってある。 これらの歌詞に登場するような、 ・自分勝手で ・浮気も不倫も当たり前で ・女性に対するステレオタイプを助長する そんな主人公を描くバンドを「国民的」と呼ぶのはおかしい。 なんて議論は、聞いたことがない。 だからMr.Childrenはすごい

ぼくはスポーツが好きだから、スポーツでちゃんと儲けたい

儲ける発想がなかった日本のクラブ 「スポーツでは食えない」とよく言われてきた。 日本でスポーツに関わる人の収入は、海外に比べても低い。スポーツの仕事が「ドリームジョブ」と呼ばれることはない。野球選手の年俸はたしかに高いけれど、そのほとんども、引退後の再就職にはかなり苦労する。 「スポーツにまつわる仕事」で食べていけるほど、業界自体が儲かっていないからだ。コーチやクラブ運営なんかは、とくに厳しい。 その原因は、クラブの成り立ちにある。 日本のスポーツクラブの多くは「企業

フリーランスのためのマーケティング術。

すべてのフリーランスに捧ぐ。 どんな職種であっても、誰であっても必要な技術。 そして誰しもが学ぶべき知識。 それは、マーケティングだ。 必要なのはセールスではなく、マーケティングだ。セールスとマーケティング。「それは同じじゃないの?」と思った人もいるでしょう。書店でビジネス書をパラパラと見ても、その2つの言葉が同義語のように扱われていることも多いから余計にそう思うのかもしれません。 一般的には使い分けこそしているケースはあるけど、ほぼ同じ意味で捉えている人も多いでしょう

「地図×広告」はメディアビジネスを変えるか?

「やどココ ゆる~と バスルート 全国 宿・日帰り温泉・バス停マップ」をご存知でしょうか。Twitterで突然に注目が集まった「神サービス」との呼び声が高いサービスです。 「全国約3万6000カ所の宿、約1万5000カ所の入浴施設、約25万カ所のバス停、1193カ所の道の駅を地図上で探せる」というサービスを、5500時間以上の膨大な時間を費やして個人が制作したという話題性もあり、すぐにウェブメディアにも飛び火しました。 「ビューが集まれば、メディアとしてもビジネスが成り立

SDGsの向こう側

column vol.338 昨日、プライド月間についてお話ししましたが、ここ最近、SDGsについて少し考えさせられた記事が2つあったので、今日はそちらをご紹介したいと思います。 まずは、サステナビリティ(環境保護)についてです。 「サステナビリティ」では地球を救えない? サステナビリティとは、持続可能性を意味する言葉。SDGsの文脈では、主に自然環境の持続可能性という意味合いで用いられています。 しかし、環境破壊が加速する昨今、このサステナビリティという考えだけでは

発売わずか3ヶ月で30万本の大ヒットを生んだsöpöはデータから生まれたという話

ファミリーマート限定で販売しているsöpöというブランドがあります。söpöはNOINが作っているブランドで、先日発売わずか3ヶ月で30万本の大ヒットとなっているというリリースを出したところですが、今回はそのsöpöがどのような経緯で作られたのかという点について解説したいと思います。解説なんて偉そうに言っていますが、開発に私はまったく絡んでいませんが…。マーケティング視点での施策設計や、なにより企画段階での女性からの反応をみてもsöpöは自信はありましたが、文字通り社運を賭け

名創優品から考える「良い模倣」とは何かについて

DAISO、UNIQLO、無印のいいところ取り 「無印とユニクロとダイソーを足して3で割った」ようだ 今月に米ニューヨーク証券取引所に上場を果たした中国雑貨品チェーンの名創優品(メイソウ)は、日本企業の「パクり」だと言われています。 確かにロゴをみると、これはパクりだ!!!確信犯!!! と感じるところはあります。 ただ、ビジネスは物凄いスピードで成長していて、本家(日本ブランド)を凌ぐ勢いと表現されています。 ・2013年に創業 ・売上:2700億円 ・店舗:420

人気雑誌の媒体資料に学ぶ、独自性と差別化の表現力

マーケティングの仕事に携わっていると、「ユーザープロファイル」をまとめる機会が定期的にやってきます。自社の「ユーザープロファイル」は、サービスの顔となる重要データであり、会社概要や媒体資料の目玉コンテンツでもあります。 ところが、いざ自社のデータ分析を始めてみると、「性年代以外の特色が無い…?」「思ったような特徴が出ない!」という事態に陥ることが少なくありません。いかにデータ作成・資料作成が自分の仕事であっても何ともしがたい事態です。 さらに直近のコロナ禍では、事業サイド