高田徹|マップボックス・ジャパンCEO

米国Mapboxの日本法人CEOです。「デジタル地図」で世界を変えることにチャレンジし…

高田徹|マップボックス・ジャパンCEO

米国Mapboxの日本法人CEOです。「デジタル地図」で世界を変えることにチャレンジしてます。ソフトバンク投資部門を兼務。好きなマンガは『美味しんぼ』。→ https://twitter.com/torutakata

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Web3と地図──「集合知」は「公共性」につながる

2022年の年末からビジネス系メディアの話題は「ChatGPT」一色といった雰囲気もありますが、今回はあえて「Web3と地図」について取り上げたいと思います。 「Web3と地図」を考えるきっかけとしてご紹介したいのが「Hivemapper(ハイブマッパー)」というWeb3プロジェクトです。 概要については、下記Webサイトに簡潔にまとめられています。 一言でいえば、「専用カメラをつけて運転することでトークンを獲得する」プロジェクトです。 少し小難しい話をすると、「ハ

    • チューリングが"完全自動運転"実現の先に見ている世界

      名人を倒した最強の将棋ソフトウエア「Ponanza」の開発者、山本一成さん。現在は、自動運転の研究者と共に起業した「チューリング(Turing)」で生成AIを活用した完全自動運転車両の開発を目指し、"テスラ超え"に挑んでいます。今回のnoteでは、(山本さんとマップボックス・ジャパンCEOの高田徹)二人で議論した内容を記事にまとめました。山本さんが語る「AIと完全自動運転」がもたらす未来像には、たくさんのビジネスのヒントがあります。(高田徹) なぜ、「カメラ×AI」なのか高

      • 「独学し放題」の時代──深掘りに必要な「探究心」を鍛える

        前回note(↓)では「好奇心」の重要性をお伝えしましたが、実は「好奇心」だけでは興味関心を持続させたり、深掘りすることは難しいと私は考えています。 ざっくりとしたイメージをお伝えすると、以下に再掲する「好奇心」を鍛える3つのSTEPは、興味関心を「広げる」ためのアクションになります。 STEP 1:選り好みしない STEP 2:知識をかじる STEP 3:知ったかぶる ただし、前回「さまざまな領域の『テーマ』や知見に触れるために、大切なポイントは100%の習得を目指さ

        • 「好奇心」の鍛え方

          はじめに── なぜ今「好奇心」なのか?最近、好奇心の強さが「強み」になる時代が到来しつつあると感じています。 SNSでもECサイトでも、ユーザーの好みに合わせて「あなたが好きなものはこれですよね?」「この記事がおすすめです」「こんな音楽、動画はいかがですか?」と当たり前のようにパーソナライズされかコンテンツを提案されますよね。 これは便利で満足度が高い一方で、いわゆる「フィルターバブル」のなかに閉じこもり、好奇心がもたらす「新しい発見」のようなものが少なくなっていくこと

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        • 会社案内 - Mapbox Japan公式note
          15本
        • ビジネス事例集 - Mapbox Japan公式note
          20本

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          なぜ、いま「ライドシェア」が論争を呼ぶのか?──「自動運転」をめぐる競争が始まる

          コロナ前から導入が検討されていた「ライドシェア」。インバウンド需要がコロナ前の水準に戻りつつあるいま、議論が再燃しています。 直近では、岸田首相自ら「あらゆる選択肢を排除せず、都市部を含めライドシェアの喫緊の課題への対応策の議論を加速してほしい」と語り、導入に向けた議論を加速させています。 また菅義偉前総理も、首相在任時に「2030年に外国人旅行者数を6000万人にする」目標を掲げ、観光地の移動手段の確保は喫緊の課題と考え「最終的には法改正を視野に入れて取り組む必要がある

          なぜ、いま「ライドシェア」が論争を呼ぶのか?──「自動運転」をめぐる競争が始まる

          「車✕生成AI」で地図が果たす役割

          いま、自動車業界では、「EV」「AI」、そして「自動運転」等々、さまざまなイノベーションが起きつつあります。EVといえば「テスラ」が有名ではありますが、日本企業もさまざまな取り組みを展開しています。 トヨタ 日産 ホンダ 私自身、次に大きな技術革新が起こる分野の1つは「車」だと思っていますし、デジタル地図のプラットフォームを提供するマップボックスも「車」業界に向け、さまざまなソリューションを開発しているところです。 毎年3万〜4万人が参加する「SoftBank Wo

          「車✕生成AI」で地図が果たす役割

          「位置情報ゲーム」の新たな可能性──『信長の野望 出陣』に学ぶ3つのポイント

          私はもともとゲーム好きで、これまでもいろいろなソフトをプレイしてきましたが、マップボックス・ジャパンの代表就任以降、積極的にプレイするようになったのは「位置情報ゲーム」です。実際、いまでは日常的にスマートフォン4台を駆使して、さまざまな位置情報ゲームを楽しんでいます。 そして、そこに最近加わったのが、2023年8月31日にコーエーテクモゲームスさんからリリースされた『信長の野望 出陣』です。 PCゲーム時代から『信長の野望』をプレイしていた私にとっては待望の作品であり、マ

          「位置情報ゲーム」の新たな可能性──『信長の野望 出陣』に学ぶ3つのポイント

          「箇条書き」をやめてみる──ChatGPTにはできない、人間が「ナラティブ」に書くこと

          いつもは「地図」にまつわる記事を投稿することが多いのですが、今回のテーマは「ナラティブに書くこと」のすすめ。 会議の議事録や、プロジェクトの要点を「箇条書き」でまとめる──。 これは多くの会社で日常的に行なわれていることです。 タイトルは「やめてみる」としましたが、箇条書きは便利なツールです。 それぞれの項目同士の関係性、重要度の高低、時系列などまで表現された「箇条書き」に目にしたときは、私も「さすが!」と唸ってしまうことがあります。 しかし、優れた箇条書きを作成する

          「箇条書き」をやめてみる──ChatGPTにはできない、人間が「ナラティブ」に書くこと

          エンドユーザー7億人「デジタル白地図」のつくり方

          新型コロナが5類感染症に移行し、2023年4月29日から入国時の「ワクチン証明書」等の提示が不要になったことで「人の移動」が再び活発になりつつあります。 円安ドル高基調も味方して、「安い日本」を目指すインバウンド需要がコロナ前水準に近づきつつあるという報道もあります。 そうした時代背景も加味したうえで、いま私が温めている仮説は「移動の価値が上昇する時代に突入する」というもの。 人が動き出す時代に「移動の価値」を考えるアフターコロナという文脈だけでなく、"生成AIの進化"

          エンドユーザー7億人「デジタル白地図」のつくり方

          "位置情報SNS"はメタバースの入り口である──Z世代がリアルタイムで同時接続する理由

          「位置情報サービス」ネイティブ世代の感覚Z世代のSNS=“TikTok”。私自身もそんな認識を持っていましたが、「位置情報」の活用という点でいえば、“Zenly(ゼンリー)”も見過ごすことはできません。 私が位置情報SNSユーザーに聞いて驚いたのは、「週末、どこに行ったの?」という質問に対して、「“Zenly”で確認しておいてよ」というツッコミがあり得るということ。 そして、“Zenly”には、いまどこにいるか知られたくないときに使用する「ゴーストモード」が搭載されていま

          "位置情報SNS"はメタバースの入り口である──Z世代がリアルタイムで同時接続する理由

          生成AIを「4象限」で理解する

          3月は年度末ということもあり、いつも以上に慌ただしくしていましたが、その分、多くの方々と対話することができ、ディスカッションを通して気づいたことがいくつかあります。 その1つは、「生成AI」について。昨年末にChatGPTがローンチされて以来、以前の「メタバース」に関する盛り上がりとは比べものにならないくらい、「生成AI」に関する見解が、賛否両論含めて数多く発表されています。 生成AIについて、さまざまな議論を目にしたり耳にしたりするなかで、自分なりに2つのことを考えまし

          生成AIを「4象限」で理解する

          GPT-4で敏腕編集者になりきり、第二の故郷「越後湯沢」の魅力を考えてみた

          前回、「『生成AI』は『検索』を代替しない」と題して、生成AIの可能性、キーワード検索との違いなどについてまとめました。 今回は、米OpenAIが次世代の大規模自然言語モデル「GPT-4」を公開した、ということで、さっそく生成AIと相性のよさそうな旅行・観光分野への活用法を、実際に使ってみることで考えていきたいと思います。 対象エリアは「越後湯沢」。 個人的な話になりますが、越後湯沢はこれまでも何回も訪れた場所であり、第二の故郷といえるほど、愛着のある土地です。 今回

          GPT-4で敏腕編集者になりきり、第二の故郷「越後湯沢」の魅力を考えてみた

          「生成AI」は「検索」を代替しない──地図とGenerative AIの未来を考えてみた

          前回は「メタバースとAIの先にある世界」という切り口で、AIが得意なこと、人間が得意なことを考えました。今回は、昨年末から話題を呼んでいる「ChatGPT」がもたらす「地図の未来」について、あれこれ想像してみたいと思います。 そもそも、「ChatGPTとは何か」について、せっかくなので、ChatGPT(AI=機械)に「ChatGPTについて教えてください」と質問してみました。 簡潔でわかりやすい回答ですね。ちなみに、下記が(人が書いた)ウィキペディアの内容です。 2カ月

          「生成AI」は「検索」を代替しない──地図とGenerative AIの未来を考えてみた

          メタバースとAIの先にある世界──2023年のスローガン「100C2」

          2022年9月に発売され、発売後3日で「345万本突破」という驚異のスピードでユーザーを獲得している『スプラトゥーン3』(以下、「スプラ」)。遅ればせながら年末年始にプレイしたところ、その動きの速さ、おもしろさに感動して、「高田さん、ずっとスプラの話していますね」と会社で言われるくらい、スタッフにも熱く語ってしまっています。 ゲームのおもしろさはもちろんですが、私が「なるほど」と思ったのは、そのスピード感。プレイしているときは、脳が高速回転している感覚があり、ゲーム後は現実

          メタバースとAIの先にある世界──2023年のスローガン「100C2」

          2023年を占うキーワード「ロング・ソーシャル・ディスタンシング」 ──私たちが手にしつつある「新しい距離感」を考える

          コロナ禍になって、まもなく丸3年を迎えようとしています。 世界中で度重なるロックダウンが行なわれ、ここ日本でも、人流抑制、ソーシャル・ディスタンス、三密といった言葉が日常的に使われる中、感染症対策と社会・経済活動の両立への模索が続いています。 来年2023年、私たちはどのように新しい日常を過ごしていくのでしょうか? 感染症との戦いの終わりを予測するのは難しいことを承知のうえで、私なりに予測してみたいと思います。 まず、「人流」について参考になる情報をいくつかご紹介しま

          2023年を占うキーワード「ロング・ソーシャル・ディスタンシング」 ──私たちが手にしつつある「新しい距離感」を考える

          地図は「北が上」派 vs. 「進行方向が上」派

          全世界で600万部、日本だけでも200万部を突破している『話を聞かない男、地図が読めない女』。 日本では2000年に発刊され、その後2002年には文庫改訂版、さらに2015年には新装版が出されています。 恥ずかしながらどんな話だったか忘れてしまったので、先日、文庫改訂版を入手して読み直してみました。 一読されたことのある方ならご存じだと思いますが、そもそもこの本は、「男女の脳の働きの違い」について扱ったものであり、「地図の話」はほんの少ししか載っていません……。 とは

          地図は「北が上」派 vs. 「進行方向が上」派