高田徹|マップボックス・ジャパンCEO

米国Mapboxの日本法人CEOです。「デジタル地図」で世界を変えることにチャレンジしてます。ソフトバンク投資部門を兼務。好きなマンガは『美味しんぼ』。→ https://twitter.com/torutakata

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    メタバースとAIの先にある世界──2023年のスローガン「100C2」

    2022年9月に発売され、発売後3日で「345万本突破」という驚異のスピードでユーザーを獲得している『スプラトゥーン3』(以下、「スプラ」)。遅ればせながら年末年始にプレイしたところ、その動きの速さ、おもしろさに感動して、「高田さん、ずっとスプラの話していますね」と会社で言われるくらい、スタッフにも熱く語ってしまっています。 ゲームのおもしろさはもちろんですが、私が「なるほど」と思ったのは、そのスピード感。プレイしているときは、脳が高速回転している感覚があり、ゲーム後は現実

      • 生成AIを「4象限」で理解する

        3月は年度末ということもあり、いつも以上に慌ただしくしていましたが、その分、多くの方々と対話することができ、ディスカッションを通して気づいたことがいくつかあります。 その1つは、「生成AI」について。昨年末にChatGPTがローンチされて以来、以前の「メタバース」に関する盛り上がりとは比べものにならないくらい、「生成AI」に関する見解が、賛否両論含めて数多く発表されています。 生成AIについて、さまざまな議論を目にしたり耳にしたりするなかで、自分なりに2つのことを考えまし

        • GPT-4で敏腕編集者になりきり、第二の故郷「越後湯沢」の魅力を考えてみた

          前回、「『生成AI』は『検索』を代替しない」と題して、生成AIの可能性、キーワード検索との違いなどについてまとめました。 今回は、米OpenAIが次世代の大規模自然言語モデル「GPT-4」を公開した、ということで、さっそく生成AIと相性のよさそうな旅行・観光分野への活用法を、実際に使ってみることで考えていきたいと思います。 対象エリアは「越後湯沢」。 個人的な話になりますが、越後湯沢はこれまでも何回も訪れた場所であり、第二の故郷といえるほど、愛着のある土地です。 今回

          • 「生成AI」は「検索」を代替しない──地図とGenerative AIの未来を考えてみた

            前回は「メタバースとAIの先にある世界」という切り口で、AIが得意なこと、人間が得意なことを考えました。今回は、昨年末から話題を呼んでいる「ChatGPT」がもたらす「地図の未来」について、あれこれ想像してみたいと思います。 そもそも、「ChatGPTとは何か」について、せっかくなので、ChatGPT(AI=機械)に「ChatGPTについて教えてください」と質問してみました。 簡潔でわかりやすい回答ですね。ちなみに、下記が(人が書いた)ウィキペディアの内容です。 2カ月

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            2023年を占うキーワード「ロング・ソーシャル・ディスタンシング」 ──私たちが手にしつつある「新しい距離感」を考える

            コロナ禍になって、まもなく丸3年を迎えようとしています。 世界中で度重なるロックダウンが行なわれ、ここ日本でも、人流抑制、ソーシャル・ディスタンス、三密といった言葉が日常的に使われる中、感染症対策と社会・経済活動の両立への模索が続いています。 来年2023年、私たちはどのように新しい日常を過ごしていくのでしょうか? 感染症との戦いの終わりを予測するのは難しいことを承知のうえで、私なりに予測してみたいと思います。 まず、「人流」について参考になる情報をいくつかご紹介しま

            地図は「北が上」派 vs. 「進行方向が上」派

            全世界で600万部、日本だけでも200万部を突破している『話を聞かない男、地図が読めない女』。 日本では2000年に発刊され、その後2002年には文庫改訂版、さらに2015年には新装版が出されています。 恥ずかしながらどんな話だったか忘れてしまったので、先日、文庫改訂版を入手して読み直してみました。 一読されたことのある方ならご存じだと思いますが、そもそもこの本は、「男女の脳の働きの違い」について扱ったものであり、「地図の話」はほんの少ししか載っていません……。 とは

            自動運転の現在と未来──茨城県境町を走る「自動運転バス」運営"BOLDLY"のCEO・CTOに聞く

            今回のnoteでは、茨城県境町で、自治体として国内初となる自動運転バスの定期運行を始めるなど自動運転技術を社会実装するBOLDLY株式会社の代表取締役社長 兼CEOの佐治友基さん、CTOの須山温人さんをゲストにお招きし、三人で話した内容を記事にしました。これからの「自動運転」と「地図」をテーマとした話のなかに、未来へのヒントがあると思います! (高田徹) コンセプトは「アップデートモビリティ」高田:佐治さん、須山さん、よろしくお願いします! お二人とも今日はどちらにいらっし

            なぜ、山手線は丸く描かれるのか──ゼンリンミュージアムを見学して感じた「地図の3つの役割」

            マップボックス・ジャパンの代表に就任して以来、密かに感じていたのは、「地図の歴史を知らずんば、業界人にあらず!」ということ。 そのため、1日も早く一人前の地図屋になるべく、つくばの国土地理院さんにお邪魔したり、地図専門書店に足を運んだり、最近は、ゼンリンさん、ジオテクノロジーズさんに伺って、地図づくりの現場を拝見する機会をいただいたりしています。 そして、先日、いよいよ本丸ともいえる、「歴史を映し出す地図の博物館『ゼンリンミュージアム』」に行くことができました。 「ゼン

            『地球の歩き方』に学ぶ編集価値と「UGC」の新たな可能性

            『ガイアの夜明け』(テレビ東京系)の「崖っぷちサバイバル!~大変貌で逆転~」を、みなさんはご覧になられましたでしょうか? とくに私の印象に残ったのは『地球の歩き方』編集部の取り組みです。 かいつまんでお伝えすると、 コロナで海外ガイドブック『地球の歩き方』の売上が激減(9割減)、宮田崇編集長曰く「創業以来の危機」を迎えることに 学研グループへの事業譲渡が決定するなか、東京五輪に向けて、初の「東京」版を発行するも、無観客開催が決定。インバウンド需要が消滅…… しかし、

            自動運転と地図──人間に代わって「働くロボット」を調べてみた

            自動改札、セルフレジ、スマホの音声認識、Siriなどのバーチャルアシスタント──。 AIやロボットが日常に溶け込みはじめている昨今。業務・サービスロボットの技術革新・市場投入のスピードが加速していることは、読者のみなさんも体感されているのではないでしょうか。 ロボットと聞いて、専門外の私がぱっと思い浮かんだものを並べだけでも、2000年以降、さまざまなロボットが登場していることがわかります。 2000年代以降、ビックデータの活用が広がり、AIブームが再来したことも影響し

            “旅行“と”地図“ビジネスのCEOが考える「新たな観光の可能性」

            コロナ禍を経て、「観光」「旅」に対する消費者ニーズは急速に変化しつつあります。訪日外国人旅行者数の急激な減少や、観光地やリゾート地で働く「ワーケーション」(ワーク+バケーションを合わせた造語)などが、その代表例です。では、これから「観光」「旅」はどう変わるのでしょうか? 今回のnoteでは、Tabist株式会社(旧OYO Japan) 代表取締役社長 兼CEOの田野崎亮太さんをゲストにお招きし、二人で話した内容を記事にしました。これからの「観光」「旅」をめぐる話のなかには、

            「スポーツ×地図」でDXする7つの方法

            メジャーリーガーの大谷翔平選手が渡米したのは、2018年。怪我の時期もありましたが2021年は本塁打王を争うだけでなく、投げては9勝と名実ともに二刀流を実践しました。2022年も躍動する大谷選手の活躍は、熱心なファンでない人々の心をも確実に動かしています。 また、スポーツといえば、2021年は「東京五輪」が開催され、ここ数カ月の間だけでも、サッカー日本代表戦、プロ野球の交流戦、ボクシングのバンタム級世界3団体王座統一戦など、スポーツ界のビックイベントが続いています。そして、

            アフターコロナと地図──「Google I/O 2022」から考える

            グーグルが毎年開催している開発者会議「Google I/O」。地図サービス開発プラットフォームを提供する会社の代表として「さすがグーグル」と私が感じたサービスが2つありました。 1つ目は、Googleマップの“Immersive View(イマーシブ・ビュー)”。2つ目つは“Look and Talk”を含む音声アシスタントの機能強化です。 ユーザーは移動コストに見合う体験を求めるGoogleマップの“Immersive View”は、動画を見ていただくのがいちばん早いか

            「オープンデータ×地図」の可能性──NHK、新聞社、国・自治体のケーススタディに学ぶ

            この記事を読んだとき、「これこそ地図の活用法だ!」と嬉しくなって、すぐにツイッターでもご紹介しました。 書き手はNHKの記者の方で、もともとはガラケーしか使えない「極度のデジタル音痴」だったそうです。 それにもかかわらず、「『浸水リスクエリア』に居住する人が(なぜか)増えているのではないか?」と感じたことをきっかけに、デジタル地図の領域へと一歩踏み出すことになります。 最初は、ハザードマップを印刷して、付箋を貼ってとやってみるのですが、膨大なデータを紙の上で処理するのは

            GWに役に立つ! "地図サービス"16選

            コロナ禍以降、3度目のGW──。 現段階では、政府も「都道府県をまたぐ移動といった行動制限は必要ない」という見解を示していることもあり、密を避けつつも、遠出を計画している方も多いのではないでしょうか。 あるいは、慎重には慎重を期して、近場のスポットを探している方もいらっしゃることと思います。 遠出でも近場でもお出かけに役に立つのが「地図」です。 目的地に「たどりつく」ためだけではなく、地図は「眺める」だけでも楽しめるコンテンツです。自宅でゆっくりされる方にもおすすめで

            「インスタ映え」とTikTok的「コンテクスト消費」──“Z世代の消費“を考える

            最近、あるデジタルメディアの経営者の方から「最近のトレンドは、Z世代を中心にInstagram的な“映え”から、“コンテクスト消費”に移行しつつある」という趣旨の話をお聞きしてハッとしました。ここでいうコンテクストは「文脈」というような意味合いです。 これまでは非日常ともいえる「映え」、つまり他者からの「憧れ」の対象となるような経験が重視されてきました。 しかし、最近のZ世代(1990年代中盤から2010年代序盤までに生まれた世代)はもっと身近なもの、自分らしい体験のほう