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【ライブラリ】notes

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2022年5月の記事一覧

見ないフリの嗜虐性

動物の捕食動画には格闘技のKOシーン以上に異常な再生数のものが多いが、人はそれを語らない。捕食動画をよく観ていると言えば、「実はあいつ残虐だったんだな」とか「頭おかしいから近寄んのやめようぜ」とか「キミは心理学的に危ういぞ」とか、もはや犯罪予備軍だとすら思われやすいからだろう。 ただ、この類の動画を観るときの感覚は独特である。無視できない。看過してはならぬ気がする。 例えばある鳥類の巣でかわいい雛が口を開け、親の嘴から与えられた幼虫を飲み込んでいる。しばらくして親鳥が去り

内田樹著作総索引の試み

はじめに  本稿は、「私が、内田樹の著作を読むときのための総索引」として編集されている。したがって、当然ながら内田樹(あるいは内田樹に近接する人々)に偏重した内容になることが予想される。そして索引の特性上、私見が入り込む余地はほとんどなく、キーワードの取捨選択が筆者の仕事となる。  だが、内田樹の著作に精通する方からすれば、「説明が不十分である」や「内容に偏りがある」といったご指摘が予想される。その点に関しては、記事公開後にも、本文に随時加筆修正を加えてゆくので、どうかご容

しがない公民科教員は西田亮介のたった一つの誤解を解きたい~新しい合理的市民像とその緩やかな受容~

↑前回の記事の続きになりますが、この投稿から読んでくださっても大丈夫だと思います。 ①なぜしがない公立高校公民科教員がこの本を手に取ろうと思ったのか(前回) ②本の中身についてのレビュー(この投稿) 初めに結論を述べます。 本書は最近読んだなかで一番高校生に勧めたい本です。そしてそれ以上に公民科の教員に勧めたい本です。 やや物騒なタイトルをつけてしまいました(スミマセン)が、もちろん理由はありますのでぜひ最後まで読んでいただけると幸いです。 西田先生、それ誤解です

科学技術コミュニケーションを学ぶ

毎年度、テーマをひとつ決めて、新しい学びに挑戦したいと思っています。今年度のテーマは「科学の興味深さ・面白さ・難しさを伝えるための心がけを学ぶ」。 ということで、北海道大学の CoSTEP という、科学技術コミュニケーションを学ぶことができるプログラム(選科コース)に参加してみることにしました。私が受講する選科コースの場合、講義はほとんど全てオンデマンド配信。演習は、今のところ対面で実施される予定で、7月に3日間ほど札幌に行ってきます。 さて、この CoSTEP を無事に

本屋さんイチオシの100冊フェア

読売KODOMO新聞の書評コーナーで取り上げた児童書を集めたブックフェア「本屋さんイチオシの100冊」が、全国約200書店で6月1日から始まります。昨年5月にご紹介いただいた僕の著書「ものがたりの家 -吉田誠治美術設定集-」もラインナップに加わっています。実は子供からの反応がとても良い本なのですが、普段は美術書のコーナーに置かれているので、今回のフェアで子供の目に止まる機会が増えたら嬉しいです。フェアの詳細については告知ページやPDFをご覧ください。 告知ページ:https

「お母さんはどんな仕事をしているの?」我が子の質問に胸を張って答えられるようになるまで

NHKで働いて18年目の山中と申します。 みなさまからお預かりする受信料を取り扱う業務をしています。主に、お客様から放送受信契約のお手続きを承ったり、NHKに対するご意見を伺ったりする仕事です。 プライベートでは、3人の子どもの母親です。社会人3年目に子どもを産み、毎日、仕事と子育てをあわただしくこなしています。 毎日、仕事が終わりダッシュで学童へお迎えです。その後は、大急ぎでご飯を用意して、寝る時間から逆算し、お風呂と歯磨きと明日の用意をさせて…あっという間に寝かしつ

「哲学的な何か、あと数学とか」を読んだ感想(のようなもの)[前編]

哲学の入門書とかを読むのが好きだ。 哲学の原書は難しすぎて挫折してしまう。だから、現代の人によって分かりやすく書き下された入門書で幅広くさらっていくくらいが丁度いい。 今回紹介したい本もその一つだ。 飲茶著「哲学的な何か、あと数学とか」 本のタイトルからすると、哲学の話が主で、数学の話がサブで書いてある印象を受ける。 しかし、内容は「フェルマーの最終定理」という未解決問題に取り組んだ数学者たちの軌跡を描いたものである。 ただ数学的な知識が無くても読み進めることができる

「月のカッコウの伝記」

モンゴルで入手した古本  私の手元に、「月のカッコウの伝記」というタイトルの古びた本がある。入手してから20年以上経過しており、更に出版されてからは今年でちょうど60年となる。 ウランバートル市レーニン通り5 モンゴル科学アカデミー出版局 1962年10月 3,000部印刷 価格10トゥグルグ40ムング 以上の情報が読み取れる。  激しいインフレで使われなくなった「ムング」というトゥグルグより下位の通貨単位が、まだ普通に通用していた時代のものである。  ちなみに、現在

『絶滅へようこそ』あとがきのつづき  稲垣諭

先日、出版されました『絶滅へようこそ』には書ききれずに、削ってしまった本書執筆の動機があります。どこかで発表したいなと思っていたところ、晶文社さんから説明する機会をいただけることになり、ここに記させていただきます。 本書は、テーマ設定といい、内容といい暗めの本で、現在のウクライナでの戦争とも確実に通底する問題を扱っています。絶望的に困難なことが溢れる世の中で、それでも人間を信じてみることができれば、明日への一歩を踏み出し、生き延びられるのではないかを考えていました。

地域おこし協力隊の図解

地域おこし協力隊を図解してみました。 この図解は「政策図解」という形式で書かれています。政策図解は、1枚で政策の基本的な情報をモデル化するものです。 追記: ついに「政策図解」が本になりました。これまでnoteで書いた記事を大幅加筆して生まれました。社会のしくみがみえてくる、50の政策を図解した本です。よければぜひご覧ください! 「地域おこし」と聞くと、なにを想像するでしょうか。 一般的には、人口​減少などの「課題」を解決するために地域の魅力を再発信したり、新たな名物を打

水曜日が休みになると1年365日がすべて休日に隣接する 宇野常寛『水曜日は働かない』5月26日(木)発売

この本について水曜日が休みになると1年365日がすべて休日に隣接する ──その真実に気づいた「僕」は「急ぎすぎ」で「がんばりすぎ」なこの国の人々に提案する。「水曜日は働かない」べきなのだと。毎週水曜日を「自分を大切にするための時間」に充てることにした著者の日常を綴った、笑えてそして思わず考えさせられるエッセイ集。本サイト人気連載を書籍化。 働かない、飲み会に参加しない等、何かを「する」でなく、「しない」ことから見えてくる幸福論、第1部「水曜日は働かない」(13篇)。批評家と

本気の会社が未来を変える!カーボンニュートラル社会転換へのティッピング・ポイント

ロシアによるウクライナ侵攻は、石油やガスなどの高騰を招き、エネルギー需給の逼迫はグローバルで大きな影を落としています。未だ化石由来の原料に多くを依存する日本では、電気料金の高止まり感が続いており、私たちの生活や企業活動も負担を強いられています。また、発電設備を自ら保有せず、電力調達を卸市場に依存している新電力会社は厳しい経営環境に立たされ、最近では事業撤退を決断する新電力会社も増えています。 一方で、気温上昇を 1.5 度に抑えるという目標を達成するには、温室効果ガスの排

初心者ライターが学ぶべき取材ライターの基本が集約!「取材ライティングコース」受講者に聞いたコースの魅力とは?

WEBライターとして周囲との差別化を図りたいけれど、どうしたらいいんだろうと悩んでいませんか? クラウドワークスのオンラインスクール「みんなのカレッジ」には、取材ライターとしての基礎知識を学べる「取材ライティングコース」があります。 初心者ライターだからこそ学ぶべき、取材ライターの基本について、そしてマーケティングについてのノウハウが詰まったコースです。 とはいえ 「取材・インタビューってコースを受講しただけでできるようになるの?」 「初心者ライターには取材ってハードル高

知っておきたい哲学者の考え【noteまとめ】

こんにちはsomekichiです。 皆さんは哲学者という存在をご存じでしょうか? そもそも哲学とは のことを指します(諸説あり)。そして哲学者はその「哲学」を「研究」する人のことを指します。 この哲学者の考えは知れば知るほど、我々の人生において汎用的且つ有用なものであると私は感じているわけです。皆さんにも「ソクラテス」や「プラトン」のような哲学者の名前を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか? 今回はそんな哲学者の考え方を取り上げたnoteをまとめていきたいと思