vol.53 G・ガルシア=マルケス「予告された殺人の記録」を読んで(野谷文昭訳)
今から68年前、日本から約13,000キロ以上離れたカリブ海沿岸の田舎町で、実際に起きた殺人事件に思いを巡らせた。
1982年度のノーベル文学賞を受賞したコロンビアの作家、G・ガルシア=マルケスの作品。
これは小説として作られているが、新潮解説によると、実際にあった事件を元々はルポルタージュとして世に出される予定だったとのこと。語り手の「わたし」が、人々の記憶や裁判所の調書を調べ、約30年前の事件の全貌を体系的に明かすという構成になっている。
<あらすじ>
鉄道も通って