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ポンコツな人なんていない。環境が合っているのか、合っていないのか、それだけ。
ポンコツとは、どこかに少し欠陥があったり劣化してしまったりして、調子が悪いことを表す言葉だ。
わたしは「またポンコツなことをしちゃったな」と落ち込み、涙することがよくある。
元より感受性が高く、涙腺が緩いタイプの人間なので、刺激が一定ラインを越えるとすぐに涙が噴水のように湧き上がってくるのだ。
昨夜は洗濯機をまわすつもりで洗剤を投入していたのに、電源ボタンを入れるのをすっかり忘れてしまった。
この間はレバニラ定食の「レバ」が「レバー」であることを知らずに生きていたせいで、「レバニラって何の材料で作られているんだろうね?」という謎発言をして、恥をかいた。
仕事の場でも、アクセス権限を付与しないままドキュメントのデータをクライアントに共有してしまった。
文章畑で生きているにも関わらず、誤字脱字に気付かないままnoteを更新してしまうこともある。
日常生活〜仕事において、なんてポンコツ。ポンコツぶりを発揮するたびに「どうして……わたしのなかの悪魔よ……」と頭を悩ませる。
たとえポンコツでも、心の調子が良いときは「さすが、わたし。おもしれぇことやってくれんじゃん?」と戯けてじぶんを励まし、切り替えることができるけれど、心の調子が悪いときは、もう大変だ。
とくに他者との信頼関係が必要となる仕事の場では、ふつふつと悲しい気持ちが沸騰して、たまらず涙となって溢れ落ちてしまう。そのたびに「苦しいな」「生きづらいな」と思う。
だけれど最近、「ポンコツな人なんて、いないのでは」と思うようになった。
じぶんのポンコツぶりを棚において置きながら、わたしだって他人に対して「何を伝えたいのかよく分からないな……」「この間も指摘したのにな……」と仕事の場でモヤモヤしてしまうことはある。
わたしはそんなとき、本音は心に留めたまま、そっと本を閉じるようにモヤモヤを締め出すようにしている。
「きっと相手も色々あったに違いない。一生懸命に考えて伝えてくれたのかもしれないし、指摘を気をつけていたけれど、つい抜けてしまったのかもしれない。体調が悪かった可能性もあるし、私生活で何かあったのかもしれない……」
だって、人間だもの。
完璧ではない。
じぶんの思い通りになるわけでもない。
だから仕事を一緒にする相手に対して「こうなってほしいな」という思いはあっても、相手をコントロールしたいとは思わないし、強い言葉で責め立てたり、冷たい言葉で突き放したりもしたくない。
違う人間だもの。
ときにモヤモヤしてしまうのは仕方がないことだけれど、モヤモヤを武器にするような人にわたしはなりたくない。だから相手が気持ちよくポジティブな気持ちで働けるようなコミュニケーションを心がけでいるのだけれど……。
……いざ、じぶんがポンコツの立場になると、己の無力さに落ち込んで、他人の目が怖くなって、すべてをリセットしたい気持ちになる。
すべての人間が、わたしと同じ考えで他人と接しているわけではないし、価値観だって違う。
相手はわたしを変えたいと思っているかもしれない。けれど、改善はできても、価値観の合わない変化の要求には対応できない。
どうしたらいいんだろう。
モヤモヤするたびに考えて、あるとき、ふと気づいた。
わたしがポンコツを連発してしまう環境と、たまに起こるポンコツを笑い飛ばせる環境があることに、気づいたのだ。
「ポンコツを連発してしまう環境」は、思い返すと価値観が合わない人ばかりと接していた。
価値観が合わなければ、考え方も、働き方も、発言も……すべての事象に少しずつズレが生じてくる。そのズレが「ポンコツ」となって頻繁にあらわれて、どんどんじぶんが苦しくなる。周囲の人間も同様に、わたしに対してモヤモヤ・イライラしやすい環境になってしまっている。
一方で「たまに起こるポンコツを笑い飛ばせる環境」は、一緒にいても気持ち穏やかにいられる人で溢れている。心理的安全性があり、失敗を責め立てることもない。むしろフォローしてくれる優しさがあるから、色んなことにチャレンジすることができるし、相手の失敗も「素敵なチャレンジをしたね」と、微笑むことができる。
ーーふたつの事象をならべたときに、「ポンコツ」とは、“環境によって生まれるものなのではないか"という仮説が浮かんで、すぐに腑に落ちた。
わたしがポンコツなわけじゃない。
いまnoteを読んでくれているあなたも、ポンコツなんかじゃない。
ポンコツを生み出してしまう環境に身をおいてしまっているだけで、じぶんが輝ける場所は別にあるのだ。
気づいてから、ふっと心が軽くなった。
じぶんが穏やかにいられる環境を、冒険するように、これからも探していこう。
またポンコツを生み出す環境に繰り出してしまうこともあるかもしれないけれど、原因に気がついているわたしはもう、今までのわたしではない。きっとすぐに、次の冒険へ出かけられるはずだ。
そうやって冒険を繰り返すうちに、わたしがわたしらしく活躍できる環境に、きっとたくさん出会えるから。
by セカイハルカ(画像:macurochuさん 瘉し♡)
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