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クローザーとは何者か。何が適性か。改めて思うレッドソックス時代の上原さんの偉大さ。今季の補強話から考える

海の向こう、米国の野球界は労使交渉が長期化しており、オープン戦の開幕が延期されるようだ。MLBのレッドソックスでは大物のクローザー獲得の話が挙がっている。そもそもクローザーとは何者なんだろう。

忘れられないのは、2013年のレッドソックスだ。九回にリードしている場面で登場したのが上原浩治さんだった。直球150キロ弱。フォークボールと投げ分けて、打者に的を絞らせなかった。

元々、クローザーとして、レッドソックスに移籍したのではない。中継ぎから昇格して、守護神となった。シーズン終盤、そしてポストシーズンに入ってからは、絶好調。イニングをまたいで投げるのも、なんのその。

アリーグ優勝決定シリーズでは、MVPにも輝いた。抜群のマウンド度胸で、前年リーグ王者で強力打線のタイガースを封じ込めた。

クローザーに必須なのは、球速よりも度胸、そして安定感だと思う。「タフでなければ生きていけない。安定感がなければ投げる資格がない」

巨人にプロ入り後、先発で活躍していたが、クローザーに転向。それは大正解だった。彼には、試合の最後を締める精神的強さ、そして自分でリズムを作る安定感がある。

それ以後、レッドソックスは上原さんを超えるクローザーに恵まれていない。確かにネームバリューのある投手が移籍してきたことはある。キンブレル投手。しかし、2018年のポストシーズンではピンチの連続。ワールドシリーズの最後の場面で登板させてもらえかった。最後を締めたのはエース、セール投手だったのだ。

果たして、上原投手を超えるクローザ―は現れるのだろうか。昨季メジャーに移籍した沢村拓一投手は良い候補だ。しかし、彼は「ゲームチエンジャー」という役目がふさわしい。

チームが劣勢の場面で登板し、ピンチを切り抜ける。そして、反撃の勢いを与える。昨季、彼が投げた後に、打線が爆発した場面を何度も見てきた。この役割はチームに重要だ。

そして、ここに来て、ドジャースで12シーズン過ごし、2017年にシーズンの最多セーブを挙げたジャンセン投手の移籍話が挙がっている。抑え一筋。彼が加入すれば、レッドソックスはは心強いだろう。上原さんほどの安定感は見込めないけれど。

昨年はシーズンを通してまかせられるクローザーが不在だった。前半に好調でも後半はまったくダメな投手もいた。

試合が最後にぶち壊される場面を見ながら、何度も「マウンドにいるのが上原さんだったらなあ」と思ったものだ。

今季、レッドソックスのクローザーは、どうなるのだろうか。上原さんのように、タフで安定感のある投手を至急求む!


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