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初出場の共栄学園。10安打の意地。初戦敗退も甲子園に歴史を刻んだ。開幕日に初陣。慌ただしかった1週間

春夏通じて甲子園初出場の共栄学園(東東京)。開幕日にいきなり初戦を迎えた。相手は昨夏4強の聖光学院(福島)。地方大会で「ミラクル共栄」と言われるほど劇的な勝利で夢舞台のキップをつかんだが、甲子園常連校には及ばなかった。しかし初陣で10安打を放ち、聖地に歴史を刻んだ。終盤の粘りも見事だった。

序盤の三回まで両者無得点。終盤の逆転劇で甲子園切符をつかんだ共栄学園には理想的な展開に思われた。

しかし四回に2点を先制され、五回には一挙4失点。六回にも1点を加えられ、六回までに0-7と大量リードを許した。

七回。共栄学園の反撃だ。先頭の横田優生選手がセンターへのヒットで出塁。4番菊池虎志朗選手は死球。さらに送りバントが決まり、1死二、三塁とチャンスを拡大した。

ここで代打が登場。渡辺修選手が左打席に入る。東東京大会では5試合すべてで代打起用。4打数3安打2打点の結果を残してきた。その打棒は大舞台でも爆発した。センター前に弾き返して1点を挙げた。

勢いは止まらない。次の打者が死球で満塁。ここで8番早川飛翔選手がセンターへ2点適時打。この回一気に3点を返した。

九回にも2本のヒット、1四球で満塁のチャンスを作り、粘りを見せた。ただ得点にはつながらず、ゲームセット。3-9で共栄学園の夏が終わった。

甲子園出勝を決めてから慌ただしい1週間だった。夢のキップをつかんだのが7月30日。この日、東東京と大阪が決勝を迎え、共栄学園は49代表のうち最後の勝ち名乗りだった。

じっくり余韻に浸れたのは翌日の31日ぐらいだったかもしれない。8月に入ってからは1日に東京都庁などを訪問して優勝を報告。2日に大阪に向かった。3日には組み合わせ抽選会に臨んだ。

そして5日には開会式のリハーサルに参加。6日の開会式に臨み、第2試合に出場。甲子園出場経験のなかった高校だけに、ドタバタしながら初戦を迎えたかもしれない。

原田健輔監督は「あっという間に終わった」と試合を振り返ったが、甲子園出場を決めてからの1週間も、あっという間の初戦だったように思える。

しかしチームは初陣で10安打を放った。うち七回以降に7安打。終盤の粘りを大舞台でも十分に見せてくれた。

チームは東京の荒川河川敷で練習するなど練習場所を確保するのに苦労してきた。そんな厳しい環境でも甲子園の舞台に立てる。これ自体が「ミラクル」かもしれない。

「ミラクル共栄学園」。初戦で負けたものの、最後まで立派な戦いを見せてくれた。選手たちに惜しみない拍手を送りたい。

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