見出し画像

WBC。侍ジャパンが悲願の王座奪還。勝敗を分けたのが、二回の攻防にあった。つなぐ野球で「世界一」をつかむ

侍ジャパンが、ついに悲願の王座奪還。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の決勝が21日(日本時間22日)にあり、日本がアメリカを3-2で競り勝って「世界一」の座に返り咲いた。勝敗を分けたのが、二回の攻防にあった。侍たちが持ち味の「つなぐ野球」で、年俸400億円の「銀河系軍団」を下したのだ。

日米ともにソロ本塁打2本ずつ。これに加えて、日本は「つなぐ野球」で1点を加点。これが「世界一」へ返り咲く大きな要因になったのだ。

日本は1点をリードされた直後の二回裏。すぐさま反撃に出た。帰ってきた「村神様」こと村上宗隆選手(23)が先頭打者として打席に立つ。初球の148キロ直球をとらえると、ライトスタンド上段に飛び込むビッグアーチとなった。

これで1-1の同点。侍ジャパンのベンチは大盛り上がり。この一発が逆転への号砲となった。続く右打者の岡本和真選手(26)がライト前ヒット。1死後、左打者の源田壮亮選手(30)はレフト前ヒットを放った。

いずれも逆方向への安打。無理に引っ張らない。塁に出る意識が流し打ちとなってヒットを生み出した。続く中村悠平選手(32)が粘って四球を選ぶ。これで一死満塁の絶好機だ。

ここで米国はたまらず先発投手をあきらめて投手交代。二番手には変則サイド左腕の投手がマウンドに上がった。

打席には左打者のラーズ・ヌートバー選手(25)。変則的なサイドスローはなんとも打ちにくそうだ。カウント0-2と追い込まれた。三振は避けたいところ。3球目は144キロのツーシーム。えぐるように内角を突くボール。

ヌードバー選手は食らいついた。「グシャッ」と鈍い音を立てながらもボールをとらえた。打球は一塁ゴロ。この間に三塁走者が生還して、1点を勝ち越したのだ。

決して格好いい当たりではない。それでも1点をもぎ取る、その意識がホームランの後の1点につながり、逆転を呼び込んだのだ。

一方の米国は直前の二回表にソロアーチで先取点を奪っていた。その後もヒット2本で追加点のチャンス。2死一、二塁と攻め立てたが、日本の先発左腕、今永昇太投手(29)が踏ん張って追加点を許さなかった。

試合はその後、侍ジャパンが岡本和真選手(26)のソロ本塁打で1点を加点。米国も八回にソロアーチを放つ。3-2の僅差でリードした日本が九回に大谷翔平選手(28)をマウンドに送って、米国打線をゼロに抑えて頂点に立った。

優勝の行方を左右したのが二回の攻防。つなぐ野球ができた日本。「あと一本」が出なかった米国、その差が「世界一」と準優勝の大きな差を分けたのだ。

大会を通じて「つなぐ野球」に徹した侍ジャパン。それが大一番で3大会ぶりとなる悲願の王座奪還につながったのだ。

最終決戦でも持ち味を見せて「世界一」に返り咲いてくれた。おめでとう、侍ジャパン!

この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?