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涙はきっと人を強くする。日本一連覇を逃したオリックスの宮城投手と宇田川投手。来季はもっと成長してマウンドに帰ってくるはずだ

勝負がある限り、そこには必然的に勝者と敗者が生まれる。勝者には歓喜、そして敗者には涙が伴ってしまう。今年の日本シリーズ。阪神が38年ぶりの日本一で沸く一方で、オリックスは2年連続の日本一を逃した。敗れた側の宮城大弥投手(22)と宇田川優希投手(24)のシリーズ中の涙が忘れられない。涙はきっと人を強くするはずだ。

5日にホームの京セラドームで行われた第7戦。3勝3敗で迎えた最終決戦。先発投手にかかる重圧は想像を絶するものだったろう。

シリーズ最終戦の先発マウンドは宮城投手に託された。オリックスとしてはプロ入り4年目の左腕への期待は高かった。10月29日の第2戦で6回無失点と無双ぶりを見せつけて、チームに今季のシリーズ初勝利をもたらしたからだ。

その試合で6イニングを投げて許したヒットはわずか4本。与えた四球は一つだけ。今季の公式戦で10勝4敗、防御率2.27。シリーズ最終戦でも躍動するかに思われた。

しかし期待は暗転した。運命の最終戦。三回まで無失点を貫いたが、四回に1死一、二塁のピンチでノイジー選手にレフトスタンドに運ばれ、3点を失った。

五回にも2本のヒットを浴びてピンチを招いた。ツーアウトを取った段階で投手交代。顔面蒼白の表情でベンチへ退いた。リリーフ投手が連続タイムリーを浴びてリードを広げられ、チームは最終戦を落とした。

試合後にスタンドのファンへあいさつした宮城投手。これまでの健闘に対して温かい拍手が送られると、宮城投手は大号泣し涙が止まらなかった。

この日本シリーズで計5試合に登板した宇田川投手も悔し涙を浮かべた一人だった。

今月2日に行われた第5戦。これまで3試合連続で無失点と鉄壁のリリーフぶりを見せた宇田川投手。オリックスが1点リードの八回途中にマウンドに送られた。

1死二、三塁での登板。火消しが期待されてのマウンドだったが、プロ初となる3日連続の登板は心身ともにプレッシャーが大きかった。

連続タイムリーを浴びて1死も取れずに降板。ベンチに戻る宇田川投手の目には涙が浮かんでいた。

今春に行われたワールド・ベースボール・クラシックで、侍ジャパンのメンバーとして活躍し、世界一奪還の立役者だった2人。今季は公式戦前にWBCがあったため、例年より長丁場だった。疲労が蓄積されていたのは当然だろう。

日本シリーズ連覇を逃したが、2人の好投があったからこそ、頂上決戦へ駒を進めることができた。

2人の涙はこれまで長いシーズンを活躍してきた証しでもある。この悔し涙はきっと、さらなる成長への原動力となるはずだ。

2人はまだ20代前半。伸びしろはまだまだ十分にある。頂上決戦で流した悔し涙をバネに、来季のマウンドに立ってほしい。

涙はきっと人を強くする。宮城投手、宇田川投手のこれからの成長に期待したい。

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