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ホークスの千賀投手が、さらなる「下剋上」狙う。育成選手から出発し、ついに海外FA権行使。大リーグ移籍をめざす

ソフトバンクの千賀滉大投手(29)が海外フリーエージェント(FA)権を行使した。育成選手からスタートし、ホークスで先発投手に成長すると、日本のエースにまでのし上がった。まさに「球界の下剋上」と言っていいだろう。しかし、夢はそれだけで終わらない。さらなる高みをめざしている。大リーグへの移籍。千賀投手の「下剋上」はまだまだ続くのだ。
 
10月31日はFA権の申請期間の初日。この日、さっそく、千賀投手は申請書類を球団に提出した。同月15日には「(FA権の)行使は絶対します」と明言。2017年オフに初めて大リーグへの想いを公言してから、夢は変わることはなかった。
 
千賀投手は最速164キロのストレートに、打者が打とうとした瞬間にストンと落ちる「お化けフォーク」などを駆使して、球界無双のピッチングを見せる。その投球は目を見張るばかりだが、彼の成長曲線も凄まじいものがある。
 
2010年のドラフト会議。育成4位でソフトバンクに指名された千賀投手。その時は、愛知県にある蒲郡高の3年生だった。甲子園出場経験もない公立高。千賀投手は無名と言っていい存在だった。
 
学生時代から腰痛を抱えていたこともあり、3軍の練習では練習メニューの半分も走れない状況からのスタートだった。
 
少しずつ体を鍛え上げていくと、球速はみるみるアップしていった。高校時代に最速144キロの右腕だったが、プロ1年で152キロを投げられるまでに。
 
プロ2年目の春季キャンプで1軍に抜擢されると、4月には支配下登録された。ついに1軍マウンドで投げる道筋がくっきりしてきたのだ。

その年の2012年に1軍で先発初登板。翌年に念願のプロ初勝利を挙げる。育成投手出身の1軍での勝利投手。それでも千賀投手にとって、大成長への序章にすきなかった。

2016年シーズンに12勝を挙げ、自身初の二けた勝利をマーク。以後、毎年、10勝以上挙げる投手となり、一気にスターダムを駆け上がっていった。

日本一、ノーヒット・ノーランに投手三冠。あらゆるキャリアを重ねていった。そして千賀投手の活躍はホークスだけに留まらない。昨年行われた東京五輪でも、日本代表メンバーとして、悲願の金メダル獲得に貢献した。

年俸は育成選手としての初年度は270万円だった。それが今年は推定6億円とも言われている。実に222倍だ。この金額だけでも、千賀投手の「下剋上」ぶりが伝わってくる。

しかし、今や日本のエースともいわれる千賀投手も、その地位に安住するつもりは、さらさらない。常に「メジャー移籍」を狙っていた投手だ。海の向こうで、さらなる本領を発揮したい。

米国のメディアでは早速、ローテーション入りが予想されている。160キロ超の直球と「お化けフォーク」は、メジャーでもセンセーションを巻き起こすだろう。

来年は大リーグのどのチームのユニホームを着るのか。千賀投手のピッチング同様にワクワク感が止まらない。

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