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ダメ元でも、やはりチャレンジするべきなのだ。広島が秋山選手獲得に成功。チーム関係者すら驚きの奇跡

米国球界から日本への復帰を決めた秋山翔吾選手(34)。当初は古巣の西武入りが有望視されていたが、広島への移籍が決まった。広島の球団関係者すらびっくりした「逆転劇」。ダメもとでもチャレンジするべきなのだ。広島の熱意が奏功したことで、挑戦することの意義を改めて感じた。

秋山選手の獲得には、広島のほかに、西武、ソフトバンクが名乗りを上げていた。日本のプロ野球(NPB)で1405安打をマークしている秋山選手。それは西武時代に築き上げたもの。メジャーでの安打数を含めると、1476安打。日米2000本安打まで、あと524本。どの球団に入るかで、大きく違ってくる。

ロッテで活躍した野球評論家の里崎智也さんの見当てが面白い。広島の松田オーナーが秋山選手の人柄面も評価し、「2000本安打まで、あと500本だね」と秋山選手に伝えた。つまり、「それを達成するまで面倒見るよ」という意思が込められていたと、里崎さんは見ている。

条件面ではソフトバンクが一番良かったという報道もある。その中で、名乗りを上げた3チームのうち、秋山選手が一番分の悪い広島を選んだのはなぜか。

私は、こんなことを想像している。古巣の西武は「元さや」を求めた。ただ、西武はわずか1.5年の契約提示だったそうだ。ソフトバンクは条件面を武器に「付き合って」とお願いした。

一方の、広島は誠実に、秋山選手の人柄など良いところを伝えたうえで、結婚の「プロポーズ」をした。

短期的なお付き合いでなく、「添い遂げる」覚悟が広島にはあった。その思いに、秋山選手の心がときめいたのではないだろうか。

これは広島の奇跡と言ってもいい。獲得の交渉役だった鈴木球団本部長も、吉報を聞いた際には、驚きを隠せなかったという。「カープでお世話になります」との秋山選手の言葉に、鈴木本部長は「頭が真っ白になった」という。

広島行きの理由が、セリーグのチームということも関係しているかもしれない。今季、パリーグは防御率1点台の投手が5人もいる。一方で3割打者が2人しかいない。「投高打低」の世界なのだ。防御率1点台に西武の投手はいない。仮に古巣に戻れば、「1点台」の5人全員と対峙することになる。安打数を積み上げる上で、厳しい環境だろう。

一方で、セリーグは防御率1点台が2人だけなのに対し、打率3割以上の選手は7人。「打高投低」だ。34歳という年齢を考えると、1年も無駄にできない。

とにかく、広島は熱意が伝わって、秋山選手との「結婚」につながった。ダメ元でも熱意があるならばチャレンジすべきなのだ。広島の「逆転劇」は挑戦する重要性を教えてくれた。

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