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ここ一番で実力を出せるのが本物だ。ロッテ・小島投手が「10・10決戦」でCSに導く快投。自身の二けた勝利も。負けた楽天も最後まで粘った

ここ一番で実力を出せるかどうか。ロッテの小島和哉投手が「10・10決戦」で勝利に導く快投を見せた。チームのクライマックスシリーズ(CS)切符、そして自身の二けた勝利をつかんだ。今季のレギュラーシーズン最終戦。ピリピリする雰囲気でこれ以上ない投球を見せるのが本物だ。4位からの逆転を狙った楽天を退けて、その先の舞台へと進む。

仙台で行われた最終決戦。ロッテは勝つか引き分けでCSへ駒を進める。一方の楽天も勝てばロッテを抜いて3位に滑り込む。CS最後の1枠をめぐり、当該チームの直接対決。ドラマチックな展開だ。

さらに天候もドラマ性も際立たせた。本来、この最終戦は前日の9日に行われるはずだった。しかし雨で順延。さらに一日延びたゲームも雨が降り30分遅らせてのプレーボールとなった。

緊張感と集中力をいかに持続させるか。それがピッチングにも影響する。

初回、小島投手は苦しんだ。先頭打者をアウトにした後、レフト前ヒットと四球を与えてしまった。さらに4番打者を打ち取ったはずが、セカンドが打球を落球し満塁のピンチに。

小島投手の真価が問われる。ここで抑えるのが本物だ。5番打者をファール2球で追い込んだ後、外角低めのカットボールを投じると、ショートゴロの併殺打に抑えた。大ピンチを切り抜けて、波に乗った。

味方打線が直後に、岡大海のライト前へタイムリーを放って先制した。ピンチの後にチャンスあり。その好機をものにした。

小島投手にとって大きな1点だ。二回以降も5イニング連続で走者を出した。それでも走者をホームに還さない。

象徴的だったのが四回の場面だ。2死三塁で苦手とする太田光選手を打席に迎えた。カウント2-2からの5球目。内角へ143キロのストレートを投じた。太田選手のバットは空を切り、危機を脱した。小島投手は力強くガッツポーズ。強気の投球が実を結んだ。

そして七回。先頭の阿部寿樹選手に6球ファールで粘られるなど、フルカウントに。11球目。高めの144キロストレートでライトフライに打ち取った。2死後、代打で登場した打者をいずれもチェンジアップで3球三振に仕留めた。この試合、始めて三者凡退に抑えた。

ロッテは序盤、中盤、終盤にそれぞれ得点して、5-0で最終決戦をものにした。これでソフトバンクを抜いて2位に。CSファーストステージをホームで戦えることになった。

ここ一番で苦しみながらも小島投手が強気のピッチングで、チームの躍進につなげた。これで自身にとっても2季ぶりの10勝目となった。その先のステージでの活躍も楽しみだ。

負けたとはいえ、楽天の最後の最後まで奮闘した姿もたたえたい。最終戦はスコアだけを見たらワンサイドに見えるが、「あと一本」出れば、勝者は入れ替わっていたかもしれない。

勝ったロッテに祝福を、負けた楽天に拍手を!「熱パ」にふさわしい好ゲームだった。

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