自分をアピールするには、最初が肝心。パドレスの松井投手。初のオープン戦で3者連続奪三振。高校時代も甲子園デビューは大会新記録の奪三振ショーだった
自分をアピールするには?誰もが思い悩むことだろう。まずは最初が肝心。今年メジャーリーグデビューの松井裕樹投手(28)が華々しく、その名を知らしめた。彼の代名詞は奪三振。初のオープン戦で3者連続奪三振を披露した。高校時代も初の甲子園で圧巻の奪三振ショーを演じた。野球の本場アメリカに「MATSUI」の名を刻みつけた。
楽天から海外FA権を行使して、パドレスと契約した松井投手。対外試合デビューとなった22日(日本時間23日)のオープン戦に登場した。
相手はドジャース。同じナリーグ西地区に所属するライバルだ。二刀流のスーパースター大谷翔平選手や「日本のエース」山本由伸投手が加入した常勝軍団。松井投手は手ごわい相手と対峙した。
松井投手は三回に5番手投手としてマウンドに。米国の対外試合デビュー戦となれば、否が応でも緊張するもの。しかし、松井投手は圧巻のピッチングを披露した。
この回先頭のラックス選手をスライダーで空振り三振。続くオーウィングス選手もスライダーで空を切らせた。さらにページズ選手もスライダーで空振り三振。左腕から放たれる伝家の宝刀に、各打者もたじたじとなった。
三者連続奪三振でベンチに戻る際には、スタンドから拍手喝さいを浴びた。ファンの心を確実につかんだ。名刺代わりの奪三振ショーとなった。
この試合で球数は12(ストライクは10)。最速は93マイル(150キロ)をマークした。初のオープン戦を終えて、松井投手は「結果は出来すぎ」と笑顔を浮かべた。
松井投手には奪三振がよく似合う。高校時代に全国区で「松井裕樹」の名をアピールしたのも奪三振ショーだった。
2012年夏の甲子園。桐光学園(神奈川)の2年生。エースナンバー「1」を背負って初の甲子園のマウンドに立った。相手は春夏通算23度(当時)の甲子園出場の今治西(愛媛)。
強豪との初戦にも、松井投手は臆することがなかった。初回に三者連続三振で華々しい立ち上がり。6回1死からは10者連続で三振を奪った。そして毎回奪三振で計22個の大会新記録を生んだ。
日本全国にアピールしたのが奪三振ショーならば、米国で名刺代わりに披露したにも圧巻の3者連続奪三振だった。
ドジャースは、韓国で今季開幕戦を迎える相手でもある。圧巻のピッチングを披露し、ライバルに「タフガイ」の印象を与えた松井投手。開幕戦で大谷選手との「日本人対決」が見られるかもしれない。
自分をアピールするには、最初が肝心。松井投手は米国で初となる対外試合で、十分すぎるほどに「MATSUI」の名を売り込んだ。
アメリカで「MATSUI」といえば、ヤンキースなどで活躍した「ゴジラ」松井秀喜さんを思い浮かべる人が多いだろう。これからは松井裕樹が肩を並べるに違いない。
最初にいかに自分をアピールできるか。松井投手からその重要性を改めて教えてもらった気がする。
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