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「追いかけ続ける勇気さえあれば、夢は必ず叶う」。高知中央の西岡主将が選手宣誓に込めた名言。夏の甲子園が開幕

「追いかけ続ける勇気さえあれば、夢は必ず叶う」。高知中央高の西岡悠慎主将が夏の甲子園開会式の選手宣誓で力強く語った。このフレーズほど、このチームのキャプテンに似つかわしいものはない。あきらめずに戦い続けた。その思いを甲子園に出場した全チーム、そして、日本全国の若者たちと分かち合う。素晴らしい言葉に大人の心も洗われた。

このフレーズは、アメリカの実業家でアニメ作品の王国を築いたウォルト・ディズニーの名言だ。西岡主将は開会式での選手宣誓が決まると、鶴田陽輔部長に相談して、西岡主将の好きなこの言葉を盛り込むことを決めた。

高知中央は春夏通じて初の甲子園出場。高知中央と言えば、女子の高校野球の方が有名だ。甲子園の舞台で戦ったのも、女子は2021年の女子選手権決勝で経験している。

男子の球児たちが「俺たちも!」と思っても不思議ではない。しかし現実はなかなか厳しい。高知の高校野球では、明徳義塾が甲子園の常連。その間隙をついて出場するのは高知高だった。

夏の甲子園で第90回大会(1998年)以降の高知代表(2020年は大会が中止)は明徳義塾11回、高知2回。それ以外の高校は2018年に古豪の高知商の1回しかない。

努力していても、高知中央が甲子園に出場するのは「ノーチャンス」のように思われた。

しかし、今年、チームは躍進を遂げる。準決勝で明徳義塾を延長11回、タイブレークの末に下して決勝に進出。準々決勝もタイブレークの末に勝ち上がっていた。「接戦上等」と言わんばかりのたくましさを身につけていた。

決勝では高知に挑んだ。六回に一挙4点を奪って先制すると、相手の粘りを振り切って4-3で頂点に駆け上がった。

強豪2校を連破しての甲子園切符。高知大会4連覇を狙う明徳義塾、そして今春の選抜で2勝した高知を下したのだ。

これまで積もり続けた悔しさ。それを乗り越えた高知中央。それだからこそ、宣誓の「追いかけ続ける勇気さえあれば、夢は必ず叶う」には説得力があるのだ。

この言葉は甲子園49代表だけで共有するものではない。野球で青春を燃焼するすべての球児、そして野球以外のスポーツに取り組む高校生、さらにはすべての若者たちと分かち合える言葉だろう。

「追いかけ続ける勇気さえあれば、夢は必ず叶う」。口では言えても実現するのは難しい。それでも、この言葉を発したキャプテンたちは実現した。この言葉を聞いた49代表が自らの夢を叶えるために、甲子園で全力を尽くして戦ってほしい。

素敵な言葉に出会えた夏。これは大人の心にも響いた。暑い夏に熱い言葉のプレゼント。心からの「ありがとう」を伝えたい。

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