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日本も米国も「殿堂入り」するのは楽じゃないよ。元選手の選出、いずれもなし。野球の話。

野球で輝かしい記録を残すなどした元選手らを選出する「野球殿堂」。ここに選ばれるのは、日本でも米国でも難しい。今年は両国ともに、元選手の選出はなかった。

両国ともに、それぞれ記者らの投票で決まるシステム。75%の得票率が必要だから楽ではない。

日本では、アトランタ五輪の日本代表監督で銀メダルに導いた川島勝司さん、作家で日本高野連顧問の佐山和夫さんが選出された。しかし、元選手はゼロ。

元ヤクルトでメジャーリーガーでもあった高津臣吾がトップの259票(73.2%)を集めたが、あと10票届かなかった。2位は元中日の山本昌、3位は元巨人などのラミレス。今年は候補者が多くなったために、票が割れたと見られている。

一方の米国は、事情が複雑だ。

トップのカート・シリングは、285票で71.1%。最多勝、最多奪三振ともに2度獲得。ダイヤモンドバックス、レッドソックスで世界一。特に2004年のレッドソックス時代は、ヤンキースとのリーグ優勝決定シリーズで、脚をけがしているのにマウンドに上がり、足元の白いソックスが血で染まった中で力投した。記録と記憶に残る選手だった。

ただし問題発言が多すぎる。特に今年の米国議会襲撃事件を擁護する発言をしたという。野球に限らず、スポーツ選手は「プレーだけでなく、日常生活もお手本でなくてはならない」という姿勢で見られている。民主主義への冒涜と言われる事件を擁護するのでは、投票者からのウケは良くないだろう。

そして、バリー・ボンズとロジャー・クレメンスにいたっては、薬物使用疑惑があり、彼らの成績への信頼性が問われている。

ボンズは歴代最多となる762本のホームランを放っている。クレメンスは通算354勝で歴代最多の7度のサイヤング賞を受賞している。

3人共に、成績だけ見たら文句なしだが、日常生活や薬物使用という要素が加わると、投票者もなかなか簡単に投票するとは、ならないのだろう。

来年は3人とも10度目で、投票される資格のある最終年。ラストイヤーに、どういう判断がされるのだろうか?

日米で事情は違うけれど、殿堂入りするのは楽じゃないよ。


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