![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/139636205/rectangle_large_type_2_623cb6a8b67b5ca161b29177fcd9aa13.png?width=1200)
Let It Be 《詩》
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/139636242/picture_pc_bb0c9434b2e8b2737603b1a48a3aa4b2.png)
「Let It Be」
時間の座標軸が
少しずつ緩み崩れて行く
濃密な気配を其処に残したまま
深く理不尽な暗闇が
世界を激しく揺さぶる
朝の光と共に眠る
僕は僕の一部を僕自身で発見する
その時を其処で静かに待っている
本棚から取り出した地図には
僕の知らない場所
行った事の無い街が描かれている
無個性に似通った現実とは
そんな夜
テーブルの上には
ケチャップだらけの
フライドポテトと氷の溶けたコーラ
窓から見えるルイヴィトンの看板
其れが永遠に続く様に思えた
根拠もなく選択をする
何が良くて何が悪いのだろうか
基本的な価値基準そのものが
不明確に揺らぐ
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/139636469/picture_pc_130ec58ef1973ec59cb18e8c5a05d53f.png?width=1200)
断続性の中に
飲み込まれた日常と非日常
限りない繰り返しが
感動と無感動を同一化する
其処にある単純な記号が
大切な何かを蝕んでいく
全ての特徴には意味が無く
意味の無い特徴には何ひとつとして
明確なものが無い
そんな記号の配列を見ていた
其処に費やした時間は
僕を何処にも連れて行かない
不幸な暗い記憶の様に其れは
意識の押入の
奥深くに押し込まれている
其れをあえて掘り起こす必要は無い
今更ビートルズのレコードを
買ってどうするの
彼女は微笑みながらそう言った
あるがままに そう
あるがままに
其処に答えなんて無くていい
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/139636746/picture_pc_b5c409aab96e09d80c366540f90a6627.png?width=1200)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?