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2023年2月の記事一覧

愛しい人 《詩》

愛しい人 《詩》

「愛しい人」

夜にはぐれた小さな星が
突然の別れを見下ろした

彷徨う想いが堰を切り言葉に変わる

想いを宿した言葉が文字になり
詩になった時

一筋の涙が頬を伝う

君の望む場所に僕は居ない

遠く離れてしまえば
君は僕を忘れるだろう

もう行くよ 

言えなかった さよなら

夢見た場所へ僕は行くよ 

約束の場所へ

君が何処に居てもわかるくらい
輝いてみせるから

愛しい人 幸せに

P

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夢模様 《詩》

夢模様 《詩》

「夢模様」

君の体温を探した 
冷たいベッド

窓を叩いたのは乾いた風

鏡の中に見た夢模様

僕だけに見えていた景色

降り止まない黒い星は
表情の無い輪郭の調べ

空を切った腕に静かに
朝が降りてくる

重なり合う霧 奪う色彩

欠落した感性の有り余る余白に
禁じられた羽根

滲み出る残像 

またひとつ詩を書き残す

僕が僕であるために

Photo : Seiji Arita

皆殺しの天使 《詩》

皆殺しの天使 《詩》

「皆殺しの天使」

欲望を掲げ太陽に背いた

時は止まり
悪魔の羽根が舞い降りてきた

黒い影が糸を引く

自画像の記憶 

振り返り囚われる 
呪縛 繰り返し

張り裂けた心

血走った瞳で切り裂く夜

寂しさ孤独 

瞼の裏に焼き付けられた刻印

震えている迷子

高く沈みゆく白い翼
耳元で囁いた最後の言葉

皆殺しの天使

魔性の微笑みは誰の為に

鋼の空の果て霞んでゆく横顔

瞳の中 消え

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漆黒の薔薇 《詩》

漆黒の薔薇 《詩》

「漆黒の薔薇」

舞い降りて来た女神

静かに月が満ち 夜が流れる

闇を纏う薄いベール
僕は溢れる愛を捧げた

剥がれ落ちてゆく星

夜空を埋め尽くす漆黒の薔薇

もう少しだけ傍に居させて

さよなら 

笑ってそう言える時が来るまで

Photo : Seiji Arita

夢の中の君 《詩》

夢の中の君 《詩》

「夢の中の君」

眠ってしまったんだね

待ちくたびれて

時折りみせる微笑み 
気持ち良さそうに 

夢の中の君

ただいま 小さな声でそっと

起こさない様に

静かに髪を撫でながら
寝顔を見ていたんだ

ずっと黙ったまま

言葉にすれば 
何もかもが色褪せてしまいそうで

愛しさとか幸せって
気が付いたら直ぐ傍にある

もう少し 後少しだけ

このままで

Photo : Seiji Ari

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想いの華 《詩》

想いの華 《詩》

「想いの華」

誰が悪い訳じゃない

ただ君に逢いたくて

ひとり車を走らせた

静かな海 冬の終わり

君が海を見たいって
そう言ったから

連れて行くよ いつかきっと

春を待てずに想いの華は咲き乱れ

波音に乗せた僕の心

Photo : Seiji Arita

降り出した雨 《詩》

降り出した雨 《詩》

「降り出した雨」

この橋を渡れば
苦しみの無い世界があるらしい

それは
幸せと等しい事なのだろうか

お金で買える夢と
手を伸ばしても届かない星

誰の為に書き続ければいいの

静かに降り出した雨

やがて雪に変わる

Photo : Seiji Arita

夢の中で 《詩》

夢の中で 《詩》

「夢の中で」

目移りするロミオとジュリエット

誘いの仕草

今夜だけの I LOVE YOU

魅惑の夜

振り向きざま
瞬きする間に恋におちて

黒いレザーシート

脱ぎ捨てたハイヒール

スリットの隙間 甘美な香り

滑る様に走り出す
道案内は要らない

エメラルドの街灯 

車のフェンダーに反射する光
ネオンのパズル

お前のメロディ感じさせてくれ

眩しく優しい夢の中で

Photo

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