子どもの”好き”に、どう寄り添って伸ばす?紙飛行機好きな息子やインタビューから気づいたこと
子どもの「好き」のパワーってすごいですよね。
いつも感心させられますし、そのパワーを大事にしたいなと思います。
ちなみに、我が家では、少し前まで5歳の次男が紙飛行機づくりに夢中でした。
というか作った後、片付けないので、リビングが紙飛行機だらけ。。(今は、やや紙飛行機熱は収まり中ですが…)
2,3日、ほっておいて、部屋のなかじゅうの紙飛行機(正確には折り紙飛行機)を集めたら、こんな山盛りに。あっという間に折り紙がなくなります…><
「この飛行機はすごく飛ぶ」とか、「とび方が面白い」とか、「これはいまいち」など、毎日のようにオリジナルの試作品を作り飛ばしていました。
しかも、ipadのSiriに向かって、「日本で一番よくとぶ紙飛行機の作り方をおしえて!」なんて、本気で言っている姿は真剣そのもの。とても可愛いです。
でも、一体、何がきっかけで、こんなにも紙飛行機にはまったのか……? 子どもが、何かにハマっていく過程を少し紐解いてみたい。それに、この「好き」にどんなふうに親として寄り添っていったらいいのか?と少し迷ってしまったので、今回は、その整理のために書いて見たいと思います。
子どものアツすぎる「好き」にちょっぴり困惑気味のお母さん、お父さん。そして、子どもの「好き」が見つからないようで、ちょっぴり心配!というような方にも、発見のある内容にできたらいいなと思って書いてみます。
子ども時代は”好きになる力”を培うのに最適な時期?
ちなみに、以前インタビューをさせていただいた漫画家のうめ先生(『大東京トイボックス』『スティーブス』が有名なご夫婦の漫画家ユニットさん)に、話を聞いたときも、子ども時代が好きを培うのに最適というお話をされていて印象的でした。
e-Sportsをテーマにした漫画も描かれている「うめ」の小沢さん(夫さんの方)は、大のゲーム好き。
でも、親にゲームをすることを否定された経験から、子ども時代には、ゲームにそこまでハマれなかったそうです。20代になってから「好きになること」を徹底的に鍛え直したとのこと。
反対に「うめ」の妹尾さん(妻の方)は、子ども時代から、どっぷり漫画にハマっていたそうです。それが、今の漫画家の基礎になっているとのこと。
小沢さんは、そんな妹尾さんの大人になってからも好きにどっぷりハマる様子を見て、子ども時代に何かにハマる体験をするって、大事なんだなと感じたそうです。インタビューの中でも、
子ども時代に何かにのめり込んで,好きになる気持ちは、おそらく一生人生を引っ張っていくほど価値のあるものだと思う。
とおっしゃっていて、印象深かったです。
特に、漫画家などの何かを創造する仕事をされる方には、「好きになる気持ち」というのは、必須の力なんだなと感じました。
あとは、日常の中に夢中になれるものがあることは、退屈になりがちな毎日の時間を意味のあるものに変えてくれる魔法のようにも感じます。それだけで、素晴らしいなと個人的には感じます。
でも、小沢さんのように、ある程度、好きになることを大人になってから鍛えることもできるわけです。要は、その対象物に注ぎ込める自由な時間さえあれば良いのでは?きっと、子どもは自由になる時間がたっぷりあるのも、好きを培うのに最適だと思われている所以なのでしょう。
時間さえあれば、何歳からでも、きっと「好き」になることは見つけられるし、のめり込む体験はできるのではないかな……と思いました。
他人軸で生きていると「好き」は見つかりにくい?
これは、私の個人的な体験から気づいたことです。
漫画家の小沢さんのように、子ども時代に身近な人から、自分の好きなことを否定されたり、他人の評価を常に気にしなければいけない環境だったり。自分の気持ちに正直に生きられない環境だと、なかなか「好き」は見つけにくいなと思います。
私自身、会社員に勤めていた頃を思い出すと、会社中心の生活は、意外と他人軸にどっぷり浸る必要がある体験でした(単に拘束時間が長いから、そう感じたのかも)。うまく、私生活と会社員の顔を分けられる人も沢山いると思うのですが、私は、上手く分けられなかった人だったのだとおもいます。その時は、仕事も好きなことの一つだし良いか……くらいに思っていたような気がします。しかし、子どもができてからは、そこに「子ども優先軸」のようなものが新たにでてきて、どんどん自分の生活が他人軸で、いっぱいになってしまいました。そして、自分の「好き」という感情も、よくわからない状態になってしまったことがありました。
なので、今は、少し自由な時間が増えて、「好き」の感度がまた高まってきたのを感じます。また「好き」を取リ戻してきたような感覚。それって前より自分の気持ちに正直に生きられてるからというのもあるのかなとも思います。
次男が、紙飛行機作りを好きになった過程は?
さて、本題の、なぜ次男は紙飛行機づくりに夢中になったのか?です。
ことの発端は、多分、保育園だったと思います。保育園で、紙飛行機を作ったようで、3,4個くらい紙飛行機を持ち帰ってくる時がありました。「仲良しのKくんと、飛ばし合いっこしてますよ―」と先生から報告がありました。
もともと、働く車や飛行機、フェリーなど乗り物が大好きな次男。2歳のときに、「将来なりたいものは?」と聞かれて、「ショベルカー」と答えていたのも懐かしい思い出(笑)。なので自分の折ったものが、飛ぶという事実に胸がときめいたのかもしれません。
次男がハマっていった過程を、ざっと思い返すとこんな感じかもしれません。
●もともと、飛行機が好きで興味があった。
●保育園で、紙飛行機を折って飛ばし合いっこしたら楽しかった。
●家でも、兄とyoutubeで、よく飛ぶ紙飛行機の折り方を見ながら折ってみた。
●兄と家で紙飛行機を飛ばす競争をした。これは、私も一緒にした。ここで、スピードや、とび方の美しさなど、2部門に分けて競争したら、長男も次男が夢中になっていた。
●その後も、工夫しながら紙飛行機を折っては、私に見せに来る日が続く。その都度、「かっこいいね!」「どうやって折ったの?」などと声をかけると、「こうやっておるんだよ!ぼくが教えてあげる」と得意になって教えてくれた。
●パパが、通常のサイズの折り紙以外にも、25cm✕25cm折り紙(大きめの折り紙)を、探して買ってくれる。
●すごく工夫して折ったなと思ったものや、オリジナリティの高いものは、その都度写真や動画にとってあげる。すると、照れたように嬉しそうにしている。
●ある時、普通にとぶだけでなく、くるくると回転しながら落下するように飛ぶ折り方をみつけた。次男は「くるくるチョウチョ」とそれを名付けて、私も、その発見をべた褒めした。
↑これが、次男が発見した「くるくるチョウチョ」折り。
というわけで、次男の中で、
●まるで弾丸のようにするどく飛ぶ、折り方
●普通に、ふわっと高く長く飛ぶ、折り方
●くるくると落ちたり、一度ふわっと宙にまって、すぐ落ちたりという、変わったとび方をする折り方
など、何パターン家に分けて、いろいろオリジナルな折り方を工夫していた様子。
私としては、「よくも、こんなに折り方のパターンを思いつくなぁ……」「紙飛行機の天才なんじゃないの!?」なんて、親ばかを発揮して、心底感心しつつも、家が片付かないなーというストレスも同時に抱えていたというわけです。
こうやって改めて書き出して見て分かったのは、だれかと競争するというのが、「好き」を深めるのに役立ったんじゃないかな?ということ。そして、私の「作り方をたずねる」ことや、感心したら「必ず、作品の写真をとる」のも良かったのかも?それだけの価値のあることを、自分はやっていると思えたことも、次男の好きを加速させたのかな?と、なんとなく感じました。でも、実際、彼にインタビューできたわけではないので、本当のところはわからないですが。
これから、この「好き」を、どう伸ばしたらいいのか?
ここまで、書いてみて、私はつい「散らかしてないで、片付けて!」と何度も声をかけてしまったことを、少し後悔しました。
やっぱり、一生懸命やっていることに、そんなふうに声かけられたら悲しくなってしまうし好奇心もしぼんでしまうかも。「うめ」の小沢さんがおうちの人にかけられた言葉のように、ちょっとした言葉で子どもの意欲をそいでしまうこともあるようなので、親として気をつけないといけないな―と思いました。
そして、この次男の紙飛行機熱を、一体どう伸ばしていくのか?
やや迷子ではあるのですが、やっぱり面白いことをやっているし、感心もしているので、もし紙飛行機をまた大量に作り始めたら「片付けなさい!」は封印して、できるだけ応援したいと思います。
まずは、機会ができたら航空科学博物館(遠いですが……)などに連れて行ってあげてもいいかも。それに、何か紙飛行機のコンテストなどが開催されていないか……、探してみてあげてもいいのかもしれないなと思いました。
もしかしたら、このまま、この「好き」は、自然消滅していってしまうかもしれない。 けれど、いつか、ふとまた舞い戻って何か別の興味に、つながっていくかもしれない。
親ができることって、そんなに多くもないし予定調和には全くいかないけれど、一緒に楽しんでみるくらいの温度感で、応援しながら過ごせるといいなと思っています。
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