見出し画像

人種・エスニシティに関して、自身をどのように捉えていますか? という問いに答えてみた

エスニシティについてはじめて当事者意識を持ってとらえはじめたのは、アメリカに交換留学生として滞在していた時のこと。

留学先は、ニューヨーク州のとある田舎にある大学。
そこは、非常にエスニシティ的に多様な環境だった。アジア系、ヒスパニック、アフリカ系などなど…。ヨーロッパ系の中ではユダヤ系の率が比較的高かった。
そんな環境のもと、多くの場合、私もアジア系アメリカ人として扱われることが多かった。
金髪のザ・アメリカンみたいな人たちに囲まれて、留学生としてちやほやされる生活を想像していた私は、当初、正直かなり面食らっていた。

そんな中、留学中、たくさんの方からサポートをいただいた。
なかでも移民一世の人たち、特に東アジア系の学生たちから共感的なサポートをいただいた(友人としてつきあってくれた)ことが深く心に残っている。
アメリカのような異文化の中で生活していると、東アジア文化圏内の各国の文化の差なんて些末なもので、共通点のほうが圧倒的に大きくて、仲間として受け入れてもらえることが多かった。
しかし、もし同じ人達に日本で出会っていたとしたら…、自分のマジョリティーとしての立場ゆえ、同じような繋がりは持てなかっただろう。
他にも、アメリカ人として生きる、様々なエスニシティの移民一世たちにたくさん出会った。歴史的、政治的に翻弄され、生き延びるためにアメリカに家族で渡ってきた人も多かった。
国籍や人種や文化というのが固定したものでなく、しばしば政治的に便宜上区分したものにすぎない、と、目の前にいる人たちが教えてくれた。

人種・エスニシティを考えるときに思い出すワンシーンがある。
大学の寮で、ユダヤ系アメリカ人のルームメイトのひとりが「I'm Jewish.」と、私に向かってぼそっとつぶやいた。
そのとき、私は頭が真っ白になってしまった。
国籍でなくエスニシティとしての「I'm Japanese.」? 彼女が宗教的かどうかはさておき、「I'm Buddhist. 」? 
当時、そんなことを英語で話せるほどの力もなく、残念ながら会話はそこで終わってしまったのだけれど、だからこそ、いつまでも問われ続ける未完の問いになった。

そういえば、ユダヤ系アメリカ人といえば、こんなこともあった。
マンハッタンの街の一角でバスを待っていた時のこと。
ヨーロッパ系のおばあさんが話しかけてきた。
アメリカでは、バスを待っていると、だれかがほぼ必ず話しかけてきて、たあいもない話で時間をつぶす。
唐突に、彼女は言ったのだ。
「私ね、Jewishだったのよ。アメリカに来ても、ほら、いろいろ大変だったから。だから、カトリックに改宗したの」
彼女は、楽になっただろうか?

アメリカではアジア系=モデルマイノリティとして、目に見えるかたちで嫌な目にあうことはなかった。
でも、なんとなく、肩身の狭さを感じていた。
もし言葉がネイティブ並みに話せたとして、このつかみどころのない肩身の狭さを感じることが全くなくなることってあるのだろうか…? 
日本ではマジョリティーの立場ゆえ、全く感じたことのない感覚。

エスニシティとは、アイデンティティであり、拠り所であり、一方他者からはレッテル貼りされ、階層的社会構造維持のためにしばしば貶められるために使われるもの、といえるのかもしれない。

自分のことをエスニシティ的に表現すると、
あるところでは日本人であり、あるところでは東アジア人であり、あるところではもっとひろく、アジア人と捉えられるのだろう。
あるところでは、そのことにより優位な立場になり、あるところでは劣位な立場に置かれるのだろう。

今、日本という国に住んでいて、
未だに根強い在日韓国・朝鮮人に対する差別意識や、なにかあるとまずは外国人を疑うメンタリティ、入国管理局の、違法滞在者に対する非人権的な扱い等々に、心を痛めつづけている。

せめていまは、たまたま日本という国に生まれ、たまたま日本国籍をもち、この国に住んでいる、という視点を忘れないようにしたい。
そんな気持ちとともに、日々を生きている。

  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆ 
 
実はというと、この文章、これから参加する、NVC(Nonviolent Communication/非暴力コミュニケーション)のとある講座に参加するための、申込み兼アンケートの答えの一部として書いたものなのです。
「力」への気づきを深めながらNVCの基礎を学ぶ…という講座で、個人的に非常に興味のあるテーマなので、アンケートにも、びっくりするくらいの熱量をもって答えてしまったのでした。
note用にリライトしたのですが、なんだかブツ切れになってしまったり、生き生きとした感じがなくなってしまった気がします。

ですので…
次に、ほぼリライトしないバーションを掲載します!
どちらが好きか、よかったら教えてください(笑。

NVCとはなんぞや? という方には、こちらのリンクをおすすめ!


#NVC #Nonviolent #NonviolentCommunication #非暴力 #非暴力コミュニケーション #共感的コミュニケーション #エスニシティ #エスニシティー #人種 #アメリカ #留学 #アメリカ留学 #ニューヨーク #NY #New York #アジア系 #マイノリティ #ユダヤ系 #Jewish #国籍 #BlackLivesMatter #BLM #AllLivesMatter #最近の学び

この記事が参加している募集

最近の学び

サポート感謝いたします! こちらを通して学びを世界(!)に還元し、非暴力の世界の実現に、微力ながら貢献できたらと思っています。目標は、やさしい革命♪