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夏休み、それと読書 20210719

今人生の夏休みかなあと思ってる。
一度サラリーマンコースに入ればよっぽどの事がない限り月単位で休む事なんて無いもんね。
まあ去年も休職したから2年連続なんだけど。

この休みをどうしようかって事と子供の頃の夏休みの話と両方書きたい。

まず子供の頃の夏休みについて。

正直言ってほとんど良い思い出がない。

昔から活動的な子供じゃなかったので何もなければ家でゲームばっかしてた気がする。
近所の公園で友達と遊ぶとかもやってたのかな。
あんまり覚えてないや。

小学生の頃は夏休みになると毎年決まって祖父母の家に数週間預けられた。
山の中の別荘。
と言うと聞こえは良いかも知れないが、俺にとっては地獄の隔離施設だった。
なんせ山の奥の奥にあるので大人が車を出さない限り親類以外の人間とは誰とも接触できなかった。
店も無ければ人もいない。
家族親類全員に気が許せない自分にとって本当に苦痛で仕方がなかった。

生い茂るよく分からない草花と森、必ず空間の何処かにいる虫。
全部が嫌で本当にストレスだった。パニックになる寸前でいつも堪えていた。
大人の側にしてみれば子供なんて自然の中に放り込めば勝手に喜ぶもんだって考えだったんだろう。
(少なくともうちはそういう家系・文化にあった。)
こちら側の意見など端から聞かれる訳が無いので楽しい思い出を作る事をノルマに地獄送りにされていた様に感じた。

祖父母は祖父母でカブトムシを採ってやろうとか、釣りを教えてやろうとかもう鼻息ブンブンで孫たちに自然を押し付けてきた。
押し付けてきたと書いたが弟達は素直に楽しんでいたと思う。
嫌な子供だと思われるかも知れないが俺目線では自然ハラスメント以外の何物でもなかったのだ。
とにかく俺は家の外に出まいと具合が悪いとか宿題が残ってるとか言い訳を作っては可能な限り家に引きこもった。
それでも祖父や弟達が持ち込んでくるカブトムシを見せつけられて喜ぶふりを強いられた。
今でもカブトムシが虫かごに爪を立てて引っ掻く音が忘れられない。
虫そのものもグロテスクだし、それをとっ捕まえて緩やかに殺す人間達もグロテスクだった。

しかしながら、山奥で逃げ場を奪われた俺はできるだけ隔離施設での生活の安穏を守るために郷のルールに従った。
その場で1番強い立場の存在であった祖父母の前では、できた孫を演じ切らなければならなかった。
出された料理は美味しいと言って食べ、つまらない話も明るく笑って聞いていた。

当然のことながら祖父母に孫を預けっぱなしという訳にもいかないので両親もタイミングを見ては別荘を訪れた。
既に親子関係は悪化の入り口に立っていたが、それでもこの場を壊してはいけないという義務感からよい孫を装い続けた。

祖母は確か中学生になるかならないかくらいの時に亡くなった。
それから祖父は別荘に籠りっきりになったらしい。
夏休みに入ると決まって別荘送りにされていたのが、中学生の頃には弟達だけになっていた。
両親に対して明確に拒否を突き付けたんだと思う。
独りになった祖父を慰める事よりも自然から逃げる事の方が俺にとっては重要だった。

そう言えば部活もあったからそれも理由だったのかな。
本当にその辺の記憶が無い。

ともかく中学生以降の夏休みは実家で過ごす事になった。
と言ってもこの辺の思い出も殆どない。

強いて言うなら中三の夏休みは楽しかった気がする。
今のいままで親しくしている友人達に出会ったのがこの年だったので彼らと遊ぶのがとても楽しかった。
朝から晩までスマブラしたり、チャリンコで無駄に遠くへ行ってみたり。
受験生であるプレッシャーと板挟みになりながら俺達は詰め詰めで出来る限りの夏休みを過ごした。
あの頃は良かっただなんて懐古趣味に浸るつもりはないが、自分にとって唯一ポジティブに振り返る事のできる夏休みだったかも知れない。

高校生になると友人達とは学校が別れ、それぞれのコミュニティと我々四人組(中三で出会った友人達)との行き来みたいな生活になった。
夏休みもきっとそんな過ごし方をしていたと思う。

過去の夏休みについてはこんなところだろうか。
大学の夏休みはバイト漬けでさして思い出らしい思い出もない。
例の四人で大阪に行ったのは覚えてる(超楽しかったな)。
そういえばフジロックもサマソニも行ったわ。
意外と良い体験してた。

あ、夏休みで言えば宿題が最悪に嫌だったな。
毎年夏休みが終わる日に泣いていたのを覚えている。
高校一年の夏休みの宿題に至っては2学期の最終日に提出したはずだ。
マジで夏"休み"なんだから宿題なんか出してくんじゃねえよって。
この辺にも日本の労働環境が悪い要因が隠れてるんじゃないの?
ちょっと脱線。

で、今回の夏休み。
まあ、そもそも体調不良での休みなので自由は効かない。
身体もなかなか動かないし気力も無いのでそもそも何かを楽しもうという魂胆は無い。
ある程度回復が出来てくれば社会復帰の準備に入らなければならないのだけど。
それまでの間、流石にまるっと空白という訳にも行かないので始めたことがある。
読書だ。
読書は身体を動かさなくていいし気が向いた時にだけしていられる。
昔から本を読むのは苦手だがせっかくの機会だと思って手を出した。

まずはうつの事を知りたくてその手の本を買っては読んでいる。
ネット上の情報よりも纏まっていて、知識として取り込みやすい気はする。
ただ、面白い本とそうでない本のギャップが凄まじい。

それから本には書き手の主観が物凄く反映されているのだなという事に今更ながら気付かされた。
何となく書籍化された物には、編集・校正という過程を経て一応の普遍性というか内容の適当性が担保されていると勝手に思い込んでいた。
正しく本に触れてこなかった自分の稚拙な思い込み。
一気に何冊もの本を読む様になって気づいたけどまるでそんな事ないんだな。
何言ってんだこいつ、って思う瞬間全然ある。
今の若者はどうたら〜なんて紀元前から繰り返されてきた戯言が今世紀まできちんと続いている事にも驚嘆する。
学者先生に向かって言うのもなんだが、自戒って大事ですよね、本当に。
苦手だ苦手だと言いながら久しぶりの読書は新鮮で悪くない。
今は哲学の入門書とかを読んでいる。
これまでまるで触れた事のなかった分野なので驚きや発見で一杯だ。
勉強は嫌いだったけど、"知る"ことや"理解する"事の楽しみを最近しみじみと感じている。

こうして振り返ると今回の夏休みコンディションは悪いけどそれなりに充実しそうな気がしてきた。

さらに言うと今週末からオリンピックが始まる。
スポーツにはほとんど全く興味が無いが、一市民として事の顛末をのんびりとヒリヒリと目に焼き付けようと思う。
人生で一度きりのチャンスだろうしね。

あとは人と話がしたい。
できれば大切な人たちと。
ありがたい事にこの状態(うつ)でも付き合ってくれる友人が何人かいる。
人生の相談でも他愛のない話でも構わないんだけどちょっと話をさせて欲しい。
そんでもって話を聞かせて欲しい。
何というか今だからこそ言葉の交換こをしておきたい気持ちがある。
もしかしたら言葉にならない想いとかもあるかもだけど。
言葉にならなければ、言葉以外の例えば表情とか雰囲気とか息遣いとかそういうので。
あとは間とかね。
そういうのこの夏休みシェアしたいな。

最後に小学生の頃の自分に伝えたい。
読書感想文は書けないけど下らねえブログはあっという間に3,000字書けるから心配いらねえよ〜。

今日はここまで。

The Smashing Pumpkins / 1979

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