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進行形JR乗りつぶし日記(少しのオマージュ)#27~関東圏集中旅(6)【成東→銚子→成田→我孫子→上野(+おまけ)】

 如何にだらけて寝ていてもポイントになると大概目が覚めるのが不思議なところで、未乗区間の終わる松岸駅の手前でふと覚醒する。やがて左から成田線が寄り添ってきて合流し、速度を落とした列車がゆるゆると一駅走ると、僅か1ヶ月前に訪れた銚子駅ホームに私はまた降り立った。
 2023年3月9日(木)14時53分銚子駅到着、佐倉まで戻る総武本線の各停は15時46分発なので小一時間の余裕がある。佐倉からは成田・我孫子を経由して上野まで行くだけなので、最後の観光地であるここで少々のお土産などを買い、トイレに行き、先月乗った銚子電鉄ホームを表敬訪問する。今日は銚電旧色塗装というベージュ基調のカラーリングを施された電車が止まっていて、前回乗った車両より更に年季が漂っている。
 銚子電鉄ホームをぶらついてもまだ時間があるので、これまた前回も愛でた駅ネコとの再会を祝す。ふにゃふにゃと猫を撫でていたら、駅清掃のおねえさんが話しかけてきてくれて、猫の名前がマイケルということが判明した。

 銚子駅を出て再び総武本線の乗客となる。もともと風光明媚という訳でもないし、数時間前に乗っている既視感もあってたちまち寝てしまう。戻ってきた成東駅あたりで目覚め、佐倉までの未乗区間を堪能しようと身構えるが、車窓はどんどん市街地になってきて、陽も暮れてきて、さしたる高揚感は感じない。未乗区間は外が明るく眠気もない時間に乗るべきで、総武本線には申し訳ない気分になる。
 殆ど陽が落ちた17時14分に佐倉駅着、7分後に出る成田線に乗り、17時35分に成田駅に辿り着く。この辺りは既乗区間と未乗区間が入り乱れていて読んでいる方には分かりにくいだろうが、ここから成田線の支線で北上して我孫子から常磐線で一気に上野までの長い未乗区間をつぶす予定としている。もはや車窓を楽しむ時間でもなく、乗りつぶし優先ということで車窓探訪は次の機会ということにしておく。もっとも次回があるかどうかは分からない。

 17時43分の快速上野行きは長大10両編成でもう暗い成田駅のホームに佇んでいる。我孫子での乗り換えなしで上野まで行ける非常に便利な列車だが、車内はガラガラで果たして10両も要るのかしらんと思う。我孫子からはどっとお客さんが乗ってくるだろうと身構えていたが、さほどの乗車はなく、千葉・東京の明るい街並みを夕刻にも関わらず立ち客ゼロの列車は文字通りの快速運転で飛ばし、雑踏の上野駅ホームに19時2分に滑り込んだ。

 丸3日間に及んだ関東圏集中乗り回し旅も終焉が近づく。後は上野発の夜行バスで帰るだけだが、発車まで3時間近く余裕があるので、この時間を利用して上野→秋葉原→御茶ノ水→錦糸町→秋葉原→上野とバタバタと近郊電車を乗り回す。要は秋葉原を核とした中央本線・総武本線の直通部分が既乗か未乗かハッキリしなかったからなのだが、通勤客で大混雑する時間帯に東京のど真ん中を大きなリュックを持って右往左往するという少々迷惑な客であったことは否めない。

 8時前に上野に戻り夕食を摂った後、早咲き桜の下で酔っぱらい達が盛り上がる西郷さん銅像付近をぶらつく。そして22時ちょうど発の夜行バスで関東の地を離れた。

 疲労困憊で翌朝自宅に帰り、一息ついてから乗車記録を整理する。さすがに今回はかなり進んだ感があり、JR東海管内では123.3キロ、東日本管内では764.3キロの未乗区間を乗りつぶした。東海は乗車率96.2%となり、残存線区は3と相当進捗したが、東日本はまだまだで、乗車率はようやく7割越えの72.2%、未乗線区はまだ32もある。東京周辺にもまだ残っている区間は散在するし、北関東から東北にかけては膨大な未乗区間が立ちはだかっている。塗りつぶし地図を見ながらいつ終わるかなと思うが、全部乗ったら乗ったで、どうせまた2回目3回目と乗る阿呆列車は続くに違いない。

 関東乗りつぶし3日旅から2ヶ月後の5月19日(金)、鉄道とは無関係の用務で横浜に行った私は時間のあいた、というか半日時間を空けて、神奈川近辺の残存線区に乗った。
 この日は初乗り運賃もしくはそれに類する安い切符で大回り乗車が出来る「近郊区間の経路特例」を利用して都会の路線をグルグル回っただけなので、以下に経路を記すに留める。

 《1回目~150円切符》
 関内→(根岸線)→横浜→(横須賀線)→品川→(上野東京ライン)→大宮→(埼京線)→武蔵浦和→(武蔵野線)→西国分寺→(中央本線)→八王子→(横浜線)→橋本→(相模線)→茅ヶ崎→(東海道線)→横浜

 《2回目~180円切符》
 横浜→(上野東京ライン)→川崎→(南武線)→立川→(中央本線)→八王子→(横浜線)→菊名

 2回併せて運賃330円、八王子駅で食べたかき揚げそば410円を加えても1,000円以下という高コスパで、南武線・横浜線・相模線・埼京線という中規模路線を4つ完乗できた満足感は大きい。更に何故か乗り残していた東海道線の品川~西大井のわずか1区間3.6キロも既乗にし、この半日でJR東日本の乗車率は0.588%増えた。

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