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決して消えない光の瞬き

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鼻に詰まる何か

背中が裂けたTシャツ 潰れたコンバース モーゼのように線路沿いを行く 橋の下が綺麗になってしまった そのおかげで友達を失った 綿菓子が鼻に詰まる 綿菓子が鼻に詰まる …

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2年前
23

【詩】タールでいっぱいの海

雀の涙 不動明王の糞尿 吐いた唾でベトベトのオブジェ いつまでも終わらない会議 空いた穴に手を当てれば どこか別の穴から溢れるだけの話 タールでいっぱいの海 ヘイト…

masanote
5日前
5

【詩】桜の季節すぎた頃

帰宅の途につく頃に その日の天使が羽根を開く 羽虫の死骸を踏み潰して行くのは駅前の広場 そんな時だよ ハンマーの虚しい音聞こえてくるのは 全身が悪寒に覆われても 行…

masanote
6日前
5

【詩】めまい

左手に溜まった罪 右手でも贖えないほどの 左側に溜まった膿 右側でも洗えないほどの肌 痛み殺して 頭痛に耐えて 吐き出した悪い言葉 誰もが知ってる言葉 光を殺せ ス…

masanote
7日前
7

【詩】5月の使者

結局踊っていただけなんだよ 何もかも アホみたいな夜さえ 結局踊っていただけなんだよ 足を引っ掻いても ラリっていたとかさえも 朝日は登るだろう 日々は続くだろう …

masanote
11日前
2

【詩】忘れられた首

誰かが首を忘れていった 錆びたネックレスしたやつ 乾いた笑い声が響いて バケツ持って雨を待つ人々 焼け爛れた瞼 剥がれ落ちる肌 俺の仕事だから 俺の役割だから 穴に…

masanote
2週間前
3

【詩】明日になれば

明日になれば 明日が来れば 少しはマシな日かもしれない 首を括るのも延期できるかもしれないね 明日になれば 明日が来れば 君の父親も死ななくて済むかもしれない 瓦礫…

masanote
3週間前
3

【詩】滅んだ花

滅んでしまった花 踏みつけて人を殴れ そう 殺すんだ そう 刺すんだ 刑が重くなろうとも ケアが重くなろうとも 甘い風が目に染みる 春の香りが頭おかしくする 罪を作…

masanote
1か月前
1

【詩】神の股間のチャック

神の股間のチャックは開いたまま 風吹き荒ぶ 薄くなった髪も煽られる 神の股間のチャックは開いたまま 空き巣も風邪で仕事を休む 表参道の前で半裸で狂乱する どうしろと…

masanote
1か月前
3

【詩】苦戦

お土産持っていくからそれまでは死なないで 渡せばもうどうでもいいから 美味しいうどん食べさせてあげるから 食べさせればもう用はないけど 明らかな苦戦 明らかな敗走 …

masanote
1か月前
6

【詩】ゲーム、これはただの

今なら飛べる 今から飛べる 本当に? 俺は何一つ血塗られたことはしてないつもり 肺から滴らせた血だってあるのさ トナカイが灰色の目で見つめる星の死体 人殺しに次は生…

masanote
1か月前
3

【詩】神々のたそがれ

子供が嘲笑っている通学路 子供が虫を殺す通学路 雨が人を殺し 雨が人を蘇らす お前、疲れてんのか 緊張してんのか 幸い私はアホですよ 幸い私はアホですよ 椅子から転…

masanote
1か月前
6

【詩】マーダーバラッド

冷たい椅子の上 垂れた首が映るシルエット 俺は確かに罪を犯した 叢に隠れて 岩陰に隠れて 冷たい部屋に連れられて この足を一歩踏み出せば 肺に砂鉄が入ったような 鉛を…

masanote
1か月前
5

【詩】君のことが許せない、死刑

乾いた皿の白さ そいつが俺を見つめてくる 待ってくれ 命乞いしたいわけじゃない ただ最後にお水飲ませてちょーだい 神の業でもなんでも受けるさ いいよ どんな罰も受け…

masanote
1か月前
5

【詩】新しい日々

緑色の唾を吐き、青い血を流す 何を今更 このビーチの寒空の下 緑色の唾を吐き、青い血を流す ただ1人歩むんだ そのジャケットは捨てておけ ブライトンのビーチやお台場…

masanote
2か月前
3

【詩】夏の扉

カードで指を切ったのだから 滴る血で染まるエース 扉を開けて飛び出した夏の空の下 決めるんだ ネクストデイ 虚な影 虚な空 虚な言葉 進化を止め、参加を止め 惨禍を…

masanote
2か月前
6
鼻に詰まる何か

鼻に詰まる何か

背中が裂けたTシャツ
潰れたコンバース
モーゼのように線路沿いを行く
橋の下が綺麗になってしまった
そのおかげで友達を失った

綿菓子が鼻に詰まる
綿菓子が鼻に詰まる
綿菓子が鼻に詰まる
綿菓子が鼻に詰まる

眼球が映すもの全て
あの世には持っていけない
人が避ける臭いも
煤けたジーンズも
橋の下さえ俺を追い出した
何もかもが整頓されているから
俺は透明人間になった

真綿が鼻に詰まる
真綿が鼻に

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【詩】タールでいっぱいの海

【詩】タールでいっぱいの海

雀の涙 不動明王の糞尿
吐いた唾でベトベトのオブジェ
いつまでも終わらない会議
空いた穴に手を当てれば
どこか別の穴から溢れるだけの話

タールでいっぱいの海
ヘイトでいっぱいの羊水
眠りは特別 特に意識を失うようなやつは

スカラベの財布 窓をすり抜ける安ホテルのネオン
放屁でいっぱいの駅前酒場
いつまでもやめない忘却
空いた穴に手を当てれば
どこか別の穴から溢れるだけの話

タールでいっぱいの

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【詩】桜の季節すぎた頃

【詩】桜の季節すぎた頃

帰宅の途につく頃に
その日の天使が羽根を開く
羽虫の死骸を踏み潰して行くのは駅前の広場
そんな時だよ
ハンマーの虚しい音聞こえてくるのは

全身が悪寒に覆われても
行くのは飢えた鬼の住処
薬を飲み忘れてしまった
予算に組み込まれる安い命
墓を掘り合う月の下

アスファルト
こびりついた体液
春を過ぎた桜の下
赤く染まるアスファルト
白く染まる人々の顔面

保健所で死ぬの
道端で死ぬの
冷たい花火の

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【詩】めまい

【詩】めまい

左手に溜まった罪 右手でも贖えないほどの
左側に溜まった膿 右側でも洗えないほどの肌
痛み殺して 頭痛に耐えて
吐き出した悪い言葉
誰もが知ってる言葉

光を殺せ
スピードに溺れ
めまいだけを求める
光を殺せ
回転に溺れ
めまいだけが望ましい

左手に溜まった罪 右手でも贖えないほどの
左側に溜まった膿 右側でも洗えないほどの肌
風邪薬たくさん飲んで
吐き出した悪い言葉
誰をも傷つける言葉

光を

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【詩】5月の使者

【詩】5月の使者

結局踊っていただけなんだよ
何もかも アホみたいな夜さえ
結局踊っていただけなんだよ
足を引っ掻いても ラリっていたとかさえも

朝日は登るだろう
日々は続くだろう
一応今のところ
朝日は登るだろう
何も解決はもたらさないが
フンコロガシが横切る横断歩道

真っ逆さま 1人の交差点の夜
真っ先に 黒い腕の中へはあっちゅう間
タコ踊りだって見なくなった
鼻垂れも見なくなった
オフィスのゴミ箱に集まる

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【詩】忘れられた首

【詩】忘れられた首

誰かが首を忘れていった
錆びたネックレスしたやつ
乾いた笑い声が響いて
バケツ持って雨を待つ人々

焼け爛れた瞼 剥がれ落ちる肌
俺の仕事だから 俺の役割だから
穴に埋めていく人形たち
頭上で輝く炎 仲間を売って暮らす日々
庭の花に水をあげる 子供達が笑う

誰かが首を忘れていった
腐乱臭放ってるやつを
憎しみと共に空に豆撒いて
降らない雨をひたすら待つ人達

焼け爛れた瞼 剥がれ落ちる肌
俺の仕

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【詩】明日になれば

【詩】明日になれば

明日になれば 明日が来れば
少しはマシな日かもしれない
首を括るのも延期できるかもしれないね
明日になれば 明日が来れば
君の父親も死ななくて済むかもしれない
瓦礫の山で 脳天を吹き飛ばされなくとも

どんとこい 明日 どんとこい 今日
頭ダメになるまで働いているのかい
どんとこい 明日 どんとこい 今日
中央線が止まって鮮やかな風が吹いたら

明日になれば 明日が来れば
少しはマシな日かもしれな

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【詩】滅んだ花

【詩】滅んだ花

滅んでしまった花 踏みつけて人を殴れ
そう 殺すんだ そう 刺すんだ
刑が重くなろうとも
ケアが重くなろうとも

甘い風が目に染みる 春の香りが頭おかしくする
罪を作れ 廻る戦争機械
甘い風が目に染みる 春の香りがキー狂わせる
善意を踏み躙れ 廻る戦争機械

どうしようかな 引き返して首吊ろうかな
どうしようかな このまま飛び込もうかな

滅んでしまった花 踏みつけて人の手を汚せ
そう 汚すんだ 

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【詩】神の股間のチャック

【詩】神の股間のチャック

神の股間のチャックは開いたまま
風吹き荒ぶ 薄くなった髪も煽られる
神の股間のチャックは開いたまま
空き巣も風邪で仕事を休む
表参道の前で半裸で狂乱する

どうしろというのか
家の鍵は壊れて帰れない
どうしろというのよ
貯金に手をつけて逃げる女たち

神の股間のチャックは開いたまま
黄緑色の血を吐いて這いつくばる満員電車
神の股間のチャックは開いたまま
殺人鬼も今日は休日 昼間から寝ている
麻布台

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【詩】苦戦

【詩】苦戦

お土産持っていくからそれまでは死なないで
渡せばもうどうでもいいから
美味しいうどん食べさせてあげるから
食べさせればもう用はないけど

明らかな苦戦
明らかな敗走
その道に咲く白い花
やる気と気だるさの間

教えてあげる ベロの裏側に隠した毒針
教えてあげる バラの裏側に隠した醜い顔
このストリートの吐瀉物はどこへ行った
昨日見たボロボロのおっさんはどこへ消えた

明らかな苦戦
明らかな敗走

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【詩】ゲーム、これはただの

【詩】ゲーム、これはただの

今なら飛べる 今から飛べる
本当に?
俺は何一つ血塗られたことはしてないつもり
肺から滴らせた血だってあるのさ
トナカイが灰色の目で見つめる星の死体
人殺しに次は生まれるんだ

ゲーム これはただのゲーム
指と指絡ませて 獲物の首をそっと締めるだけ
ゲーム これはただのゲーム
TVの灰色のスクリーンが見ている

今なら飛べる 今から飛べる
本当に?
俺は何一つ正しかったことはないつもり
曲げられな

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【詩】神々のたそがれ

【詩】神々のたそがれ

子供が嘲笑っている通学路
子供が虫を殺す通学路
雨が人を殺し 雨が人を蘇らす
お前、疲れてんのか 緊張してんのか

幸い私はアホですよ
幸い私はアホですよ
椅子から転げ血を流して
幸い私はアホですよ

ボーリング場跡
コンビニ跡
すべてコインランドリー
死体安置所
寂れた教会前
水垢のこびりついたトイレ
あぁひどい言葉 言ったし 言われたし

幸い私はアホですよ
幸い私はアホですよ
椅子から転げ血

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【詩】マーダーバラッド

【詩】マーダーバラッド

冷たい椅子の上
垂れた首が映るシルエット
俺は確かに罪を犯した
叢に隠れて 岩陰に隠れて

冷たい部屋に連れられて
この足を一歩踏み出せば
肺に砂鉄が入ったような
鉛を舐めているような

ガラクタじかけのサーカスが次の街へ行く
死体を連れて 藁人形を連れて
ガラクタじかけのサーカスが次の街へ行く
野菜がもう腐ってしまっている

【詩】君のことが許せない、死刑

【詩】君のことが許せない、死刑

乾いた皿の白さ
そいつが俺を見つめてくる
待ってくれ
命乞いしたいわけじゃない
ただ最後にお水飲ませてちょーだい

神の業でもなんでも受けるさ いいよ
どんな罰も受けよう 命で済むならいいですよ
地下鉄に住まう黒い影
果てし無い乾き
一生癒されることはないでしょう

聞こえるか この唇割れた叫びが
聞こえるか この唇割れた叫びが
かわいい友達 かわいい我が子 かわいいペット
ひっくるめて 紙に包ん

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【詩】新しい日々

【詩】新しい日々

緑色の唾を吐き、青い血を流す
何を今更 このビーチの寒空の下
緑色の唾を吐き、青い血を流す
ただ1人歩むんだ そのジャケットは捨てておけ

ブライトンのビーチやお台場の海
綺麗に死のうなんてのはやめとけ
血も内臓も飛び散ります
何処で曲がればよかったか
どっかでガードレールの向こうに飛んだ

緑色の唾を吐き、青い血を流す
何を今更 このビーチの寒空の下
緑色の唾を吐き、青い血を流す
ただ1人歩むん

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【詩】夏の扉

【詩】夏の扉

カードで指を切ったのだから
滴る血で染まるエース
扉を開けて飛び出した夏の空の下
決めるんだ ネクストデイ

虚な影 虚な空 虚な言葉
進化を止め、参加を止め 惨禍を招く
虚な影 虚な空 虚な言葉
この手は人の命奪う軌道を描く

配られたカード、手首を切り刻む
フットボールスターのポスター
覆い被さるベッドの上
今度こそ仕留めるんだ たくさんの首を

虚な影 虚な空 虚な言葉
進化を止め、参加を止

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