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10年間ほど「ことば」の研究をしていました、という話⑨♪

こんにちは(^ ^)

普段は大学で「英語」と「異文化コミュニケーション」を教えています、水月むつみです。

私は長い間、10年ほど「ことば」の研究をしていましたが、そもそも「ことば」って何なのでしょう?何のためのもの?

情報伝達のツール?
会話を成りたたせるもの?
文学のためのもの?

いろんな考え方があるかもしれません。

でも、私が考える「ことば」は、そのどれとも違います。

実は、私はこれまでの「ことば」の研究の話で、ひらがなの「ことば」漢字の「言葉」を使い分けて書いていました。

漢字の「言葉」の方は、いわゆる普通の「言葉」のこと。

「りんご」「いちご」「みかん」のような「言葉」もあるし、「大嫌い」のような「言葉」もあるし、「僕の前に道はない 僕の後ろに道はできる」のような「言葉」の使い方もある。

「りんご」という「言葉」は赤い丸い果物を指すし、「大嫌い」という言葉は「私はあなたが嫌いである」ことを表すし、「僕の前に道はない 僕の後ろに道はできる」は「僕の前ではなく後ろに道ができる」ことを伝えてる。

そんなのアタリマエっ!

と思うかもしれませんが笑、実は当たり前ではないんです。

それが以前に書いた「大嫌い」の話とつながります(こちら)。「大嫌い」という「言葉」「だいっきら〜い♡」という可愛い言い方で言うと、「大好き」を伝えることになる場合がある話をしました。これは「大嫌い」という「言葉」だけを見ていては分からないこと。

「大嫌い」という表面的な「言葉」以外の、「言い方」「表情」「状況」などのいろんなものを合わせて考えることで、正反対の「大好き」を伝えていることが分かる。

そういう「言葉」の周りにあるいろんなもの、言い方やイントネーションや声質などを「周辺言語(paralanguage)」と言うことがありますが、そういういろーんなものを複雑に合わせて表現したり、伝え合ったり、コミュニケーションしているのが私たちの日常です。

私がひらがなの「ことば」で意味しているのは、そういう、いろーんなものを合わせて表現している「ことば」のほうで、表面的な「言葉」とは区別されるもの。

ひらがなの「ことば」を私が大切に思っているのは、表面的な「言葉」だけでは本当に伝えているものを捉え損ねてしまうことがあるから。「大好き」を「大嫌い」と取り違えてしまうことがあるように。

私にとっては、

ことば = 表現するもの

なので、

ことば = 表現するもの ≒ アート

ということで、「ことば」「アート」が結びつきます。

私は小さい頃、「言葉」がとても苦手な女の子でした。幼稚園に入って最初の3ヶ月、一言もしゃべらない……でも、今振り返って思えば、私は「しゃべらない」という「ことば」を使って、何かを伝えていたのだと思います。そんな「言葉」が苦手だった私が最初に手に入れた「ことば」は3歳から習い始めた「ピアノ」という「アート」でした。

ピアノは、私が嬉しいときには嬉しい音を悲しい時には悲しい音を、私の声に代わって表現してくれました。それから、エレクトーン、フルート、バイオリンなどもやり、「外国語」という「ことば」にも興味を持って、英語、古代ギリシャ語、ラテン語、中国語、韓国語なども学び、「文章」という「ことば」では、詩を書いてみたり、論文、小説を書いたり、「服」という「ことば」が知りたくて、デパートに通いつめて試着しつづけたり笑。4年前からは「歌」という「ことば」も学び始め、最近では「タロット」「占星術」という「ことば」も学んでいます。

私はありとあらゆる表現する「ことば」に興味があって、その「ことば」で表現し続けてきて、「ことば」の技術を磨きつづけてきたのだと思います。

それは私が誰よりも「言葉」が苦手だったから。

「ことば」での表現を磨き続けて、結果として、「言葉」での表現もできるようになっていきました。そして、人がそれぞれの「ことば」で何を伝えているのかを理解するのも得意になり、コミュニケーションできる人たちも増えました。

私の「ことば」が、私の人生を変えてくれました。

だから、私は自分の「ことば」で表現できるようになることが大切だと思っています。そして、その「ことば」で人ともコミュニケーションできるようになることも。

その「ことば」は、ある人にとっては音楽かもしれないし、ある人にとってはダンスかもしれないし、ある人にとっては演劇かもしれないし、ある人にとっては筋トレかもしれません。

3歳で「ピアノ」という「アート」の「ことば」を手に入れて、それから音楽や文章や洋服などのいろんな「ことば」を学んで、また、大学院で10年ほどの「ことば」の研究を経てきた経験を活かして、あなたがあなた自身の「ことば」で表現できて、人生を変えていく助けになれたらと思っています。

なぜ私がそんなにまでしで、人生を通して一貫して「ことば」を追求し続けてきたのか、もう一歩踏み込んだ背景について次回、書きますね(♪

(つづく)

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