歴史を学ぶなら民族もセットで学ぶと理解が深まる【徒然読書35】
最近歴史関連の本が増えている気がします。
特に現代につながるテーマですね。
国際紛争が起こるたびに、歴史を振り返ろう学ぼうという気運が巻き起こるのを否定はしないけれど、普段から教養として幅広い時代を知っておきたいなと感じます。
その中でも、民族に触れている本となるとわずかです…
歴史を語るには民族概念が必須であるにもかかわらず。
日本史専攻からすると「民族」を意識することは少ないけれど、刀伊の入寇や元寇、アイヌ、琉球を考えると民族に対する理解、世界史的視点が必要になってきます。
そこで、知識の埋め合わせと現代に続く感覚の把握のために、この本を読んでみました。
ただ一通り読んで思ったことは、筆者は物事の良い方しか見ていない気がします。
いくら平等に各民族を述べようとしても、物事には善と悪の両側面がある。
もう少し多面的な見方が欲しかったと思いました。
だけど、今まで知らなかった各国の中での民族やグローバル感覚での常識が豊富にあったため、必読だと思います。
こんな方にオススメ!
1.なぜ今「民族」を学ぶのか?
多様な人材が移動する現代では、コンテキストの理解が必要になる。
何気ない会話の中でも、文化や価値観を共有していると見方が変わる。
ここでいう民族とは、国籍や国民のことではない。
「国民」自体、近代国家の産物であるから、民族と国籍が一致しない方がメジャーなのである。
日本のように、日本民族=日本国民は稀なケースなのです。
同様に、母語=母国語ではありません。
生まれたときから耳に入ってくるのが母語で、成長するときにメインで身につけた言語が母国語。
そして、私が驚いたのはグローバルでは出生地が地雷になることがある点です。
地域によっては、国境付近などで周辺国との関係が複雑なところだったり、○○系アメリカ人だとしても先祖がアメリカに来たのが100年以上前だったりして、回答しにくいことがあるそうです。
聞いたとしても国までに留めたほうが良いのかなと思いました。
相手の関係性にもよりますが…
2.各エリアで民族問題が複雑になっていく?
この本は、アジア・ヨーロッパ・中東・アフリカ・北米・中南米・オセアニアの各エリアごとの民族についてまとめられています。
怒涛の情報がなだれこんできて、一度読みでは到底理解できない量なので、二度読みが必要だと思いますが、現時点で感じたことは、いつどこで何が起こってもおかしくないということです。
それほど複雑なバランスで成り立っているように思いました。
そして、グローバルに人が行き来しているからこそ、複数の民族アイデンティティが当たり前になってもおかしくないのです。
国籍がいくつかあるというのも起こりえます。
だからこそ起きてから考えるのではなくて、歴史を自分なりに納得できるまで調べて、引き出しとして民族に関する知識を持っておく必要があります。
ここで「民族」を学ぶことで、各時代の見方も変わるかもしれませんしね。
いずれは歴史観点からコンテキストの本質を掴めるようになりたいです。
歴史的に知りたいと思うのは、ソグド人とかでしょうか。