美術館で図録を買って学ぶ【徒然読書×温故知新PJ①】
私は美術館巡りが趣味です。
最近は東洋史や古代史に傾いてますね🤣
この特別展いいな、コレクションいいなと思ったら図録も買います。
大体2000円ぐらいのが多いので、他のところでは買えないと考えると「買い」なのかなと思います。
オンラインショップでも売っていない場合があります・・・
お金で悩むなら買え!という格言があったりなかったり。
今回は図録からお気に入りの美術品や名品を紹介したいと思います。
第1弾は【東洋文庫】!!
東京の駒込にあり、日本のはもちろん東洋史のコレクションが豊富です。
モリソン文庫という、膨大な書籍コレクションも有名ですね。
そこで、紹介したいのは3つ。
1. 『文選』: マイナーだけど科挙必須科目で平安貴族も読んでいた!
文選とは、中国の南朝梁の簫統(501~531)が編集した詩文のアンソロジーです。
全30巻で、東周から梁までの約千年間の作品を収録しています。
梁は南北朝時代の国家で、他には宋・斉・陳があります。
国家が乱立していたら、文化も興隆しないのでは?となるかもしれません。
なぜ文化が盛んになったのかというと、梁を建国した簫衍(簫統の父)が個人の能力によって官僚を登用し、知識人も集まっていたからです。
時代をつくるのは人であり、能力に合ったジョブをあてると文化が興隆するという例にもなるでしょう。
こうして選りすぐりの美文を集めた文選は、唐代に科挙のテキストにされています。
日本にも7世紀に伝来し、平安時代中期に『文選集注』が編纂されました。
現在残っている24巻のうち、5巻を東洋文庫が所蔵し国宝に指定されています。
2. 百万塔陀羅尼: 世界最古の印刷物が日本に!
百万塔陀羅尼とは、小さな木製の塔(高さ21cmぐらい)の中に陀羅尼という仏教の呪文が納められたものです。
奈良時代の称徳天皇の時期に作成されました。
仏教の信仰の祈りや願いを写経するのではなく、呪文で唱え印刷したのが、独特な点です。
どうやって印刷したのかは、スタンプみたいなので押したとか様々な説がありますが、印刷物としては世界最古だとされています(770年)。
製紙法が中国からイスラム世界に伝わったのが、751年のタラム河畔の戦い(唐VSアッバース朝)ですから、日本は比較的早くから紙を活用していたのです。
写経ではなく印刷したという例も、時代の先を行きすぎていたのか、百万塔陀羅尼以降消えてしまいます。
印刷技術が復活するのは、藤原道長の御堂関白記の中になるので約300年断絶してしまいました。
まだまだあるのですが、ひとまず今日はここまでとします。
古代~近代まで幅広くあって、じっくり眺めるのが楽しいです。
図録のいいところって、教科書に載っているような有名な作品もあれば、マイナーの作品もあって、歴史の裏側を見れるような気分を味わえることだと思うのです。
他にも図録があるので、また投稿できたらなと思います。
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