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日本が解決するべきSDGsの課題とは?

世界各国でSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)に取り組んでいますが、どの国においても共通して「課題」があります。

日本には、どのような課題があるのでしょうか?

◆SDGsに定められている17個の目標

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SDGsは、前身であるMDGs(ミレニアム開発目標)が2015年に期限を迎えることを受け、その後継として2015年に開催された国連サミットにて採択された、2016年~2030年を期限とする国際目標です。

SDGsの目的は主に2つあります。

✅SDGsの主な目的
・社会問題を解消する
・持続可能な社会を築く

持続可能はサステナブルの日本語訳で、人と環境が共存していくために地球環境に配慮したシステムやプロセスのことです。

SDGsは、これらの目的を実現するために「誰一人取り残さない」という宣誓のもと定められてた17の目標と169のターゲットで構成されています。以下に目標をまとめたのでご覧ください。

✅SDGsの目標一覧
・目標1「貧困をなくそう
・目標2「飢餓をゼロに
・目標3「すべての人に健康と福祉を
・目標4「質の高い教育をみんなに 
・目標5「ジェンダー平等を実現しよう
・目標6「安全な水とトイレを世界中に」 
・目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに
・目標8「働きがいも経済成長も
・目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう
・目標10「人や国の不平等をなくそう
・目標11「住み続けられるまちづくりを
・目標12「つくる責任 つかう責任
・目標13「気候変動に具体的な対策を
・目標14「海の豊かさを守ろう
・目標15「陸の豊かさも守ろう
・目標16「平和と公正をすべての人に
・目標17「パートナーシップで目標を達成しよう

▼ターゲットはコチラ

ターゲットは目標達成に必要なことがまとめられた項目ですが、国家や団体によって異なる取り組み内容の方向性を示す役割も担っています。

◆SDGs達成度ランキングで日本は17位|日本が評価されている目標と評価されていない目標

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みなさんは『SDGs達成度ランキング』をご存知ですか?

SDGs達成度ランキングは、世界経済フォーラムが毎年開催する年次総会『ダボス会議』で公表される国ごとの評価をまとめたレポート『Sustainable Development Report :持続可能な開発レポート』をランキングにしたもの。

執筆時点で最新のランキングTOP10と日本のランクは以下の通り。

✅SDGs達成度ランキングTOP10
1 位:スウェーデン(84.72)
2位: デンマーク(84.56)
3位: フィンランド(83.77)
4位: フランス(81.13)
5位: ドイツ(80.77)
6位: ノルウェー(80.76)
7位: オーストラリア(80.70)
8位: チェコ共和国(80.58)
9位: オランダ(80.37)
10 位:エストニア(80.06)



17位:日本(79.17)

日本はアジア諸国でトップとなる17位にランクインしました。

世界的に評価されている教育面、平和、技術やインフラなどに関しては達成していると評価されている一方で、ジェンダーや陸・海・気候変動対策といった環境問題やグローバルパートナーシップについては「最大の課題」という評価が付けられています。

✅日本が達成している目標としていない目標
【達成している目標】
・目標4「質の高い教育をみんなに」
・目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」
・目標16「平和と公正をすべての人に」

【課題となっている目標】
・目標5「ジェンダー平等を実現しよう」
・目標13「気候変動に具体的な対策を」
・目標14「海の豊かさを守ろう」
・目標15「陸の豊かさも守ろう」
・目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」

◆日本のSDGs実施指針【2019年度改定版】

日本はSDGsの取り組みが始まった2016年にSDGs実施指針を発表しました。その後、2019年に開催された「SDGサミット」を経てSDGs実施指針を改定。現在は8つの優先課題を策定し公表しています。

✅SDGs実施指針改訂版8つの優先課題
1. あらゆる人々が活躍する社会・ジェンダー平等の実現
2. 健康・長寿の達成
3. 成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション
4. 持続可能で強靱な国土と質の高いインフラの整備
5. 省・再生可能エネルギー、防災・気候変動対策、循環型社会
6. 生物多様性、森林、海洋等の環境の保全
7. 平和と安全・安心社会の実現
8. SDGs実施推進の体制と手段

実施指針を見ると、Sustainable Development Reportで課題とされている目標のほか、現在達成していると評価されている目標や一定の評価を得ている目標も優先課題に含まれています。日本の強みを伸ばしつつ弱いところを成長させるイメージに近いものと言えそうです。

この実施指針を参考に、8つの中から早急な対策が必要なものを2つピックアップしてご紹介します。

◆日本において早急な対策が求められているもの

①ジェンダー平等

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ジェンダー平等の指標となっているのが、国会議員の女性議員比率。

世界の女性国会議員比率が25.5%ですが、日本の女性国会議員比率は9.9%(2020年データ)と半分にも満たない数値となっているだけではなく、2019年の10.2%からも0.3ポイント下がっており、改善が見られません。

企業が女性役員を増やしたり、採用する男女比率を平等にしたりといった取り組みが行われていますが、国会議員の男女比率を改善しなければ、SDGs目標5において、日本が高評価を得ることはできません。

②医療従事者を増やし健康寿命を延ばす
少子高齢化が進む日本では、医療費の増加とそれを支える現役世代の減少という2つの問題を抱えています。

国と現役世代への負担がこれ以上増加すると、日本で大きな問題となりつつある貧困問題や経済的理由を起因とした子供の教育問題、そして栄養不足による健康被害を招く恐れも否定できません。

また、多くの病院がある日本では、人口1,000人当たりの病床数が13.0床と世界1位であるにも関わらず、医療スタッフは1,000人当たり2.5人で順位は28位となっており、需要と供給が合っていない状態です。

これは、病床を活かした満足な医療を提供できないことを意味しています。

健康寿命を延ばす取り組みでご年配の方が病院に行く頻度を抑えることは、医療費負担を減らし、現役世代の負担を増加させないことに繋がります。

③環境問題
街中に落ちているゴミが他の国と比べて少ないクリーンなイメージがある日本ですが、大阪湾には300万枚のレジ袋とビニール片約610万枚が沈んでいることが関西広域連合による調査で判明するなど、環境問題が深刻化。

ゴミ問題は、国の政策はもちろん国民の意識も問題解消に必要なこと。

国が推進している再生可能エネルギーの普及と合わせて、持続可能な社会の実現のために、私たちも環境に対する意識を高めていきたいですよね。

◆まとめ

日本は世界的に評価され観光客からも人気の高い国ですが、その一方で、ジェンダー平等の実現が他の先進国よりも遅れているなど、先進国として求められる、見本となる姿には辿り着けていません。

SDGs実施指針をどこまで実行できるのかチェックしていきたいと思います。

▼参考サイト
gooddo マガジン|SDGsの達成度は?日本はどんな取り組みをしている?
英語4技能 探求学習推進協会|SDGs(持続可能な開発目標)の日本の目標達成状況と課題
FROGS|2020年SDGs日本の達成度ランキングは17位|日本が解決するべきSDGsの課題目標

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