この記事を読んでわかること・スタートアップにおける社労士の役割やサポート内容とは ・会社のフェーズごとにおける主な社労士の活用方法とは まず社労士って一体何をしてくれるのか?事務所によって対応範囲や得意分野などは異なりますが、基本的にtoBで社労士をやっている方は大きく分けて以下の3つになると思います。 ①提出代行 社会保険関係の手続き全般(入社や退社、育児介護、労災、傷病手当金など)、就業規則や労使協定の届出、年度更新や算定基礎届、助成金など ②給与計算 会社の労働時
はじめに広告(主に求人広告)の営業→社労士開業に至った自分の経験を活かして、今回は求人票等について書いていきたいと思います。 今回は大きく以下の2つに分けます。 ①求人票等に記載すること(しなくてはいけないこと、した方が良いこと) ②求人票等に記載してはいけないこと ただマストな部分(記載が絶対必要、記載が絶対NG)については、ハローワークでの掲載や求人広告に掲載する段階でその会社に掲載基準というものがあり、その時点でクリアしてるはずですので、自社HP等で募集する際に参考
今回は普段、社労士業務の中で顧問先とよく使うツールを図解にして、企業や従業員とどのような形で関わりがあり、どのようなフローで労務管理をしているかまとめてみました。 最初に言っておくと今回はバックオフィス全体ではなく、あくまでも労務管理に絞ったお話になってます。 普段、顧問先と一緒に使っているツールまとめるとざっとこんな感じです。 連絡:Slack、ChatWork 情報共有:Googleドライブ、Dropbox 従業員管理:SmartHR、freee 給与計算:Money
そもそも副業・兼業の禁止はできるのか日本国憲法では職業選択の自由が保障されているため、副業・兼業をすること自体は個人の自由となります。 ただし会社として従業員の副業・兼業を全て認めないといけないかというと、そうではありません。 過去の判例にて禁止・制限ができるケース ・労務提供上の支障となる場合 ・企業秘密が漏洩する場合 ・企業の名誉・信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合 ・競業により企業の利益を害する場合 つまり一部例外として禁止や制限ができる場合がありま
休憩時間の原則・労働時間が6時間を超える場合は45分の休憩が必要 ・労働時間が8時間を超える場合は60分の休憩が必要 (1)労働時間の途中に付与しなければならない (2)一斉に付与しなければならない (3)自由に利用させなければならない 上記の一斉付与のみ例外があります。 ・労使協定がある場合(届出は不要) ・特定の業種の場合 特定の業種 運輸交通業 商業 金融広告業 映画・演劇業通信業 保健衛生業 接客娯楽業 官公署 休憩時間を分割して与えても問題ないか?労基法では
インターンシップとは一般的には学生が企業などにおいて職業体験を行うことを指しますが、実際には目的や内容などによって様々なケースがあります。 インターンは労働者なのか労働者性についての判断基準 ・見学や体験的なものであるか ・業務の指揮命令があるか ・行った成果が会社の利益に帰属する内容かどうか 上記を踏まえて判断となりますが、たとえ名称がインターンで雇用契約を締結していない場合でも実態が使用従属関係(労働者と会社の関係性)であれば労働者と判断されます。 賃金の支払いは必
はじめに近年、男性の育休も少しづつ増えてきたり、在宅勤務の普及などの影響もあり育休中での就労についての相談も増えてきました。 会社側が気になる点 ・育休中にそもそも働かせても良いのか 本人が気になる点 ・現在支給されている育児休業給付金には影響がないのか ・現在免除されている社会保険料には影響がないのか このあたりが気になる点かと思いますので、今回はポイントを絞って書いていきたいと思います。 育休中に働かせても良いのか育休中の労働については、会社側から強制的に働かせる
はじめに従業員が増えていくと労務の中で法令上やらなくてはいけない事が増えていきます。今回は業種をITに絞って、従業員が何人になったら何をしなくてはいけないのかを事前に把握するためにリスト化をしてみました。(今回は101人までに絞ってます) 人数のカウント方法基本的には雇用形態などは問わず、全て1人としてカウントします。 ただし以下の場合は異なります。 障害者雇用状況報告や障害者雇用納付金制度 所定週30時間以上の労働者は1人、週20時間以上30時間未満の労働者は0.5人で
この記事を読んでわかること ・試用期間とは ・試用期間を延長する時の注意点 ・本採用拒否をする時の注意点 はじめに今回は試用期間をテーマによく実務上で相談頂くような内容を中心にまとめました。 試用期間とは従業員としての適正を判断するためのいわばテスト期間です。 また法的には「解約権留保付労働契約」とされています。 試用期間はどのくらいの期間が適正か・法令で定めはないが3ヶ月から6ヶ月が妥当なライン。 ・最長でも1年を目安に設定。それ以上長いと公序良俗に反し無効とされる可
この記事を読んでわかること ・給与の締め日と支払い日を決める時には何に考慮して決めるのが良いのか はじめにまず従業員を雇う前に決めなくてはいけないのが、給与の締め日と支払い日です。前に働いていた会社がそうだったからそれに合わせたなどでなんとなくで決めてしまうと中々あとから変更するのが難しい内容のため初期の設定段階で様々考慮をして決定することをお勧めします。 本記事はあくまでも労務目線を中心として、どのようなことに考慮すべきかを書いていきます。 賃金支払の五原則 労働基準法
はじめにスタートアップでも会社を設立(または法人化)してご自身が会社の社会保険(健康保険や厚生年金)に加入する、また初めて社員を雇う時に社会保険(健康保険や厚生年金)以外にも労働保険(労災保険や雇用保険)の加入が必要なタイミングが出てきます。 一般的に社会保険という言葉は大きく2つの意味で使われることがあります。 広い意味での使われ方:労災・雇用保険・健康保険・介護保険・厚生年金 狭い意味での使われ方:健康保険・介護保険・厚生年金 求人サイトとかで「社会保険完備」と書い
はじめに2019年4月から年5日の年次有給休暇の取得義務が始まったことなどから労働者側や会社側も有給についてより意識をするケースが増えてきたように思います。 今回は改めて実務上において年次有給休暇にまつわる疑問点をまとめてみました。 有給の申請について申請期限を設けることは可能か?会社によっては有給の申請は●●日前までに行わなければならない。といったルールにしている会社もあるかと思います。 ただこの●●日前というのは法律では定めがなく、あくまでも会社側が時季変更権を行使す
この記事を読んでわかること ・フレックスタイム制の概要 ・導入手順の流れ ・労使協定の締結内容 はじめにここ近年、スタートアップ企業を中心にフレックスタイム制の導入のご相談を頂くことが増えてきました。うまく活用すれば働く側も会社側もメリットはあり、生産性の向上にもつながります。 今回は導入にあたっての手順や注意点などを踏まえて書いていきます。 フレックスタイム制とは労働者が日々の始業・終業時刻、労働時間を自ら決めることのできる制度です。 フレキシブルタイム:いつでも出退勤
はじめに時々、顧問先の担当者様から「どこの勤怠システムが良いですか?」と聞かれる事があります。 今回は「具体的にここの勤怠システムがオススメ!」という話ではなく勤怠システムをどのような点で選ぶべきかの指標について書いていきます。 特に今回は大企業向けではなくIPOを視野に入れたスタートアップ向けでかつクラウド型の勤怠システムを想定して書いています。 その中でも会社に起因するもの(業種や業態)、個人に起因するもの(職種や労働時間制度)によって多様な働き方があるため、自社に合っ
はじめにIPOの上場審査では未払い賃金の有無というのがあります。 「うちの会社は、ちゃんと残業代とかも払ってるから大丈夫」と思う方も意外と潜在的に未払い賃金が発生している可能性もありますので、今回はそちらを中心に書いていきます。 固定残業代制度の運用が適性か近年、固定残業代制度の導入をしている企業はよく見かけます。 ただ適性に運用ができていないと、未払い賃金が発生する恐れがあります。 POINT ・固定残業代制度の周知をしているか ・基本給と固定残業代を区別して固定残業代