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埋められて、砂漠の熱砂に癒される

盛夏の灼熱の砂漠の砂に身を埋めることは、まるで拷問のように思えるかもしれない。けれどエジプトのシーワ砂漠では、究極の癒しなのだ。

なだらかな砂丘。猛烈な暑さ。どこまでも続く砂漠。高く青いそらに光り輝く黄金のような太陽。

今回も長期出張でエジプトに来ている。
夏のカイロはゴミゴミしすぎて、ずっと地中海に面するアレキサンドリアにいる。そこから車で約7時間のところにある、砂漠の真ん中のオアシスの町、シーワに行った。

そこでは砂漠に埋められて「本来の自分を取り戻す」という伝統の作法が行われている。昨今ではやや観光化してしまって、その効果を聞いた旅人たちが、様々な国から治療を受けるためにやってくる。

リウマチ、関節痛、不妊症、さらにはEDに苦しむ患者は、衣服を剥ぎ取られ、首まで砂の中に埋もれ、そこで15分間滞在する。太陽の直射を避けるよう、頭が出ているところは日陰になっているが、それでも、未知の体験にドキドキする。

風の音以外、何も聞こえない。体が暑い液体となって、だんだんと、砂の中に溶けてしまいそうな気がしてくる。自分が砂と土の一部になってしまっているようだ。いつまでもこうしていたいような、不思議な気持ちになる。

15分間ほど経ったところで、発掘(?)される。近くのテントに案内されて、熱いミントティーを飲みながらリラックスさせてもらう。

風が吹き抜ける。
体がずっと軽くなったようだ。

催眠術にでもあったように、しばらくはぼんやりとした心地よさが続く。
いろんなことがどうでもよくなる。
太陽は高く、熱い。





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