英語の名詞②-0b:冠詞(中盤)[不定冠詞・定冠詞・無冠詞](学校英語の復習&英語史+α)
中学高校の学校英語のおさらい&整理し直し
中学と高校での英語習得が不十分な人のために、学校英語の復習を記事化しました。学校英語で説明不足の点を補うような解説も散りばめておきました。今後も少しずつ説明を追加・修正していく予定です。思ったよりも長くなったので前半・中盤・後半の3つに分け、前半と後半部分は別記事で。
この記事に対するコメントは不要です。ご質問はUNIPAのQ&Aからお願いします。
前半部分の記事の内容
❶冠詞の予備知識と分類:大きく3種類に分類(定番説明)
❷冠詞の基本用法と応用・慣用表現
❸冠詞の応用1(学校英語の定番説明)
1. 総称表現:「❷冠詞の基本用法と慣用表現」の慣用表現でも軽く言及
a. 総称表現1:不定冠詞a/an+可算名詞単数形
任意の1つについて語ることで「〜というもの」(≒any)
例文:A tiger is a dangerous animal.
b. 総称表現2:定冠詞the+可算名詞単数形
定冠詞をつけることで「〜というもの」
例文:The tiger is a dangerous animal.
c. 総称表現3-1:無冠詞+可算名詞複数形
任意の複数のモノについて語ることで「〜というもの」
例文:Tigers are dangerous animals.
d. 総称表現3-2:無冠詞+不可算名詞
任意の抽象概念や不可算のモノについて語ることで「〜というもの」(≒any)
例文:Water is a transparent and colorless chemical substance.
2. 冠詞の省略
a. by等を使って手段を表すときに無冠詞にする
可算名詞単数形前の不定冠詞a/anを省略、複数形にもしない
例:by car, by bus, by bicycle, on foot, at hand(見た目は不可算名詞)
(ふつうは「前置詞」の章で扱われる項目)
b. 書籍タイトル・文章の題名や新聞の見出しで無冠詞になる
例:Man bites dog
c. その他の慣用句:2つの名詞句が対句になっている場合など
例:day and night, day after day, hand in hand, cause and effect
❹冠詞の応用2(学校英語の定番説明を学術的な視点)
1. 可算名詞と不可算名詞の区別を変更:総論(「名詞」記事でも言及)
a. 不定冠詞を置くはずのところを無冠詞にする:普通名詞→不可算名詞
可算名詞(普通名詞)を不可算名詞にしてモノの機能・働きに焦点を当てる
例:go to school, go to bed, go to church
b. 逆に、無冠詞のはずのところに不定冠詞を置く:不可算名詞→普通名詞
不可算名詞を可算名詞(普通名詞)として使う
(1)物質名詞→普通名詞
例:a paper/papers, a stone/stones, a wine/wines
(2)抽象名詞→普通名詞
例:a necessity/necessities, a kindness/kindnesses
2. 可算・不可算の区別を変更:各論「固有名詞と普通名詞の区別を変更」
(「名詞」記事でも言及)
a. 固有名詞の基本をまず復習
(1)原則、固有名詞は無冠詞で、大文字で始め、複数形にしない
例:Mary, Tom, Japan, Tokyo, Mt. Fuji
(2)定冠詞theがつく固有名詞も多く、その中には複数形のものもある
例:the Alps, the University of Chicago, the United Kingdom
b. 不定冠詞を置くところに定冠詞theを置いて特定:普通名詞→固有名詞
(1)ofを含む地形・人造物など:"the+普通名詞+of+固有名詞"の形が基本
例:the Gulf of Mexico, the University of Chicago
(2)海・川・山脈など地形:"the+固有名詞+普通名詞"の形が基本
(river, sea, oceanが省略される場合も)
例:the Pacific (Ocean), the Amazon (River), the Suez Canal
(3)公共の建物など人造物:"the+形容詞/固有名詞+普通名詞"の形が基本
例:the White House, the Hilton Hotel, the British Museum
(4)新聞・雑誌、乗り物など人造物:"the+固有名詞(+普通名詞)"の形が基本
例:the New York Times, the Kodama/Hikari/Nozomi, the Titanic
(5)複数形の固有名詞:「(1)ofを含む固有名詞」と一部重複
例:the Philippines, the Netherlands, the United States of America
c. 定冠詞theを置くはずなのに無冠詞:"固有名詞+普通名詞"の形が基本
(1)人造物(駅・広場・橋・空港、ofのない大学名など):例外的な慣用表現
例:Tokyo Station, Times Square, Harvard University, London Bridge
d. 無冠詞のはずのところに不定冠詞を置いて不特定にする:固有名詞→普通名詞
(1)~という人 例:A Mr. Smith called you.
(2)~の作品 例:It's a Sony. He bought a Picasso.
(3)~のような人 例:He wants to be an Ichiro.
(4)~家の人(単数形) 例:She's a Capulet. He is a Kennedy.
e. 応用で、固有名詞を複数形にすることも可能(定冠詞theが必要)
(1)~家の人(複数形)/~一家/~夫妻 例:the Andersons, the Kennedys
(2)集合体・国家など 例:the United Nations, the United States of America
f. さらに応用で、形容詞修飾で定冠詞が不定冠詞になる例:固有名詞→普通名詞
元の固有名詞の例:the moon(この世に1つしかないので固有名詞)
その普通名詞化の例:a half moon, a full moon(数ある月の表情の1つ)
後半部分の記事の内容(予定)
❺冠詞の位置(語順)に関する注意
❻限定詞
いろいろと追加説明したいのは山々ですが、学校英語の解説記事なので今回は我慢。深堀り解説は、また別の機会に。
英語史については、慶應大学の堀田隆一先生の『英語の「なぜ?」に答える はじめての英語史』を参考にさせていただきました。以下のリンクから「hellog〜英語史ブログ」が無料で読めますので、是非ご一読ください。
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学校英語の復習と、それだけでは説明が足りない点を補ってもらうための教材です。
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