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英語の時制④-0:現在完了(学校英語の復習+α)

学校英語における現在完了の定番説明

中学と高校での英語習得が不十分な人のために、学校英語の復習を記事化しました。今後も少しずつ説明を追加・修正していく予定です。長くなるので、過去完了&未来完了については別記事で。

英語の時制の基礎知識

①時制には、大きく分けて2つの種類(階層)がある
 1. 基本時制(大きな階層)
  a. 現在時制:動詞の現在形[am/are/is, do/doesが代表例]で表す
   主語が3人称単数の場合、現在形は「3単現のs形」[doesが代表例]
  b. 過去時制:動詞の過去形[was/were, didが代表例]で表す
   過去形には、「3単現のs」のような人称・数による変化はない
  c. 未来時制:will + 動詞の原形[be, doが代表例]で表す
     be going to + 動詞の原形[be, doが代表例]で表す
 2. 特殊な時間を表す表現(基本時制の下の階層)
  a. 進行形:be + 動詞の現在分詞[being, doingが代表例]で表す
  b. 完了形:have + 動詞の過去分詞[been, doneが代表例]で表す
②自動詞・他動詞とは別に、動詞には2つの種類(分類方法)がある
 1. 動作動詞:1回のまとまった動作を表す
 2. 状態動詞:同じ状態の継続を表す(心理・感情、知覚・感覚、その他の状態)
③英語の動詞の活用形
 1. 学校英語で覚える動詞の活用は3通り+α
  原形do(3単元のs不要)、過去形did、過去分詞done
  現在形は原形と同じか3単元のs形、be動詞は特殊、現在分詞(形)は簡単
 2. 厳密な意味での動詞の活用は5通り
  原形be、現在形am/are/is、過去形was/were、
    過去分詞(形)been、現在分詞(形)being
  原形do、現在形do/does、過去形did、過去分詞(形)done、現在分詞(形)doing
  (過去分詞と現在分詞の語尾に「形」をつけるか否かは、考え方による)

学校英語では完了形と呼ぶのが定番、ただし整合性は?

 前回の「未来時制」の記事で、未来形という動詞の活用形は存在しないので、学校英語でも学術英語でも未来形とは言わずに未来時制と呼ぶのが定番という説明をしました(未来表現と呼ぶ人も)。以下は学校英語の範囲を逸脱するような深堀りになりますが、同じ論理を当てはめると、完了形や進行形という動詞の活用形は存在しないので、未来形がダメなら実は[現在・過去・未来]完了形[現在・過去・未来]進行形もダメなはず。なお、この記事では、機能を強調するときは「形」を抜いて「完了」と表記します。
 現在完了(英語"present pefect"の和訳)と現在進行(英語"present progressive"の和訳)は、学術的にはアスペクト(英語では"aspect"、日本語では「相」と和訳)と呼ばれ、どちらも現在時制の一部(現在時制の下の階層)。とはいえ、文法書での扱いはかなり違っており、[現在・過去・未来]進行が基本3時制のおまけ/変種のような扱い(同じ章で一緒に扱われることが多い)なのに対して、[現在・過去・未来]完了の扱いは基本3時制とほぼ同格(参考にした全ての総合英語書籍で「完了形」部分は「基本3時制+進行形」と頁数がほほ同じで、多くの場合に章も独立)。それだけ完了形は複雑で難しく、丁寧な説明が必要ということになります。

I. 完了形(名称に違和感はありますが、学校英語の復習記事なので)
◉完了形の基本中の基本
完了形基本3時制の下位概念
 現在完了形・過去完了形・未来完了形の3つが存在
②現在完了の形は"助動詞have/has(現在形) + 過去分詞"
 現在完了の機能は、現在を過去とつなげて今の状況を示すこと
◉完了形の基本用法:現在完了が基準
③完了形には「完了・結果」・「経験」・「継続」の3つ/4つの用法がある。
 1. 完了・結果用法:動作動詞が表す動作が完了した後の状況を示す
  原則として、「〜したところ/してしまった」と和訳する
   already, not yet, just等の副詞を伴うことが多い
 2. 経験用法:今までの経験を表す
  原則として、「〜したことがある」と和訳する
  回数・頻度を表す以下の副詞(句)を伴うことが多い
   before, never/ever, often, once/twice/many times等
 3. 継続用法:状態動詞が表す状態が過去から今まで継続という状況を示す
  状態が継続中の場合と、継続中だった状態が直前に完了した場合がある
  原則として、「ずっと〜だ/し(続け)ている/してきた」と和訳する
  時間の幅を表す以下の副詞(句)を伴うことが多い
   always, for/since等
◉完了形の定番説明
④過去形と現在完了形は違う(学校英語でも学術英語でも定番)
 1. 現在完了形は過去と現在をつなげて今の状況を示す
  現在完了は過去の1時点から現在までの時間の幅を表すのが原則
 2. 時を表す副詞(句)には、現在完了形を修飾できない種類がある
  過去の1時点を表す副詞(句)や副詞節は現在完了を修飾できない
  now[今]、today[今日]、lately/recently[最近]などの副詞(句)は修飾可能
 3. 過去形は現在と無関係の過去の事柄を表す(「過去時制」記事でも言及)
  この定番説明は、現在完了との対比・比較で初めて理解可能
⑤日本語には現在完了形に相当する表現形式がない
 一部の参考書籍に記載あり:相当表現がないなら和訳もできない?
◉完了形の特殊用法(基本用法では説明しにくい場合)
⑥動作動詞の完了形は完了・結果用法に限定されず、継続用法も可能
 動作動詞が現在時制で習慣を表すことから(習慣が過去から今まで継続)
⑦時・条件を表す副詞の働きをする従属節では、現在完了で未来を表せる
 現在の特殊用法「時・条件を表す副詞節では現在形で未来を表す」の応用
⑧have been to[行ったことがある], have gone to[行ってしまった]使い分け
⑨現在形で完了の意味を表す動詞も:find, forget, hear, learn, understand等

II. 完了進行形(名称に違和感はありますが、学校英語の復習記事なので)
◉完了進行形の基本中の基本
①現在完了進行形の形は"助動詞have/has+過去分詞been+現在分詞doing"
 現在完了進行の機能は、現在を過去とつなげて今の状況を示す+下の②
 現在完了進行形・過去完了進行形・未来完了進行形の3つが存在
◉完了進行形の基本用法:現在完了進行が基準
継続用法:動作動詞の現在完了進行形で動作の継続を表す
 上記の「3. 継続用法」状態動詞完了形に類似
 動作が進行中の場合と、進行中だった動作が直前に完了した場合がある
 原則として、「ずっと〜している/していた」と和訳する
 時間の幅を表すalways, for/since等の副詞(句)を伴うことが多い
◉完了進行形の定番説明
③現在形と同様、動作動詞は完了進行形にできるが状態動詞はできない/しない
 例外的な状態動詞の進行形で動作化・一時的状態の強調・状態変化(推移)を表す

参考にした総合英語書籍
 アトラス
 INSPIRE
 Evergreen/Forest
 ジーニアス

以下をクリックして時制編の関連記事をご覧ください。学校英語で説明が足りない点を補ってもらうための教材です。


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