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色彩の再現と審美的基準の統一的理解を目指して(8/10) 色覚理論の融合 段階説②
考察の準備として、まず『分離と相補性①』で掲載したグラフ①を再掲します。 グラフ① 引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/視覚 3種類の錐体(…
色彩の再現と審美的基準の統一的理解を目指して(8/10) 色覚理論の融合 段階説②
考察の準備として、まず『分離と相補性①』で掲載したグラフ①を再掲します。
グラフ① 引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/視覚
3種類の錐体(と桿体)がそれぞれ異なる波長域に対して反応する特性を有していると説明しましたが、その様子が示されています。縦軸は横軸に示す波長の光に対して各錐体(と桿体)が反応する度合いを表し、上辺に向かって強く、下辺に向か
色彩の再現と審美的基準の統一的理解を目指して(4/10) 2つの三原色 分離と相補性②
長くなりましたが疑問の解明に必要な知識が整いました。
PCディスプレイに表示された蜜柑の画像と、それを印刷した蜜柑の写真が見せる色は何が違うのか?
まずPCディスプレイに表示された蜜柑の画像を考察します。
この画像を見たとき、おそらく橙色(オレンジ色)を感じるでしょう。この色は光の三原色RGBによる加法混色に従って表示されています。例えば、AdobeRGB値(8bit)=(233,163,
色彩の再現と審美的基準の統一的理解を目指して(3/10) 2つの三原色 分離と相補性①
前節で光の三原色RGBと色材の三原色CMYについてその相違点と共通点を考察しました。RGBは自ら発光する物体を人間が見るときに感じる色知覚を説明する原理、CMYは自ら発光せずに光を反射(あるいは透過)する物体を人間が見るときに感じる色知覚を説明する原理です。そして、どちらも人間の色知覚という現象を体系的に再現性をもって説明できる点で共通しています。
しかしこれだけでは説明しきれない疑問がありま
色彩の再現と審美的基準の統一的理解を目指して(2/10) 2つの三原色 RGBとCMY
映像や写真に親しむ方にとって「三原色」という概念は、もはや深く考える対象ですらないほど当たり前の存在かもしれません。いうまでもなく、「赤・緑・青」(RGB)と「シアン・マゼンタ・イエロー」(CMY)の2つの組み合わせそれぞれを三原色と呼んでいます。
しかし色彩科学に魅了された(足を絡めとられた)当時、なぜ2種類あるのか理解できませんでした。「原色」というからには1組じゃないのか?どうしてこの2
色彩の再現と審美的基準の統一的理解を目指して(1/10) はじめに
2021年のいま、映画などの映像作品は「色が付いている」状態が普通です。米国アカデミー賞において、1968年(撮影賞でモノクロとカラーの区別が撤廃された年)以降に開催された54回中、全編モノクロで製作され作品賞を受賞したのは、1993年”シンドラーのリスト”(一部パートカラーあり)・2011年”アーティスト”の実に2タイトルだけです(独自調査)。
映像作品を楽しむ感覚としても、モノクロになって