地方のクソザコ大学生がゲーム会社にプログラマーとプランナーで内定をもらったっていう話
初めまして、蒼井円です。21卒の人間です。
ゲームサークル『すこやかメテオ』から、ノベルゲーム『喰人記』がリリースされました。ぜひチェックしてみてください!(ダイマ)
【喰人記公式サイト】
今回は私がゲーム業界を目指して就活を行い、幸運にもプログラマー、そしてプランナー。二つの職種に内定をいただけたので、その話をしていこうと思います。
毎度の事ながら、需要があるかは分かりませんが、とりあえず書きます。
少なくとも、三年前の私からすれば、死ぬほど知りたかった内容なので。
【注意事項】
先にお伝えしますが、この記事は非常に長い記事になっています。一度に読もうとせず、暇なときに少しずつ読む。あるいは必要な部分だけ読むなど、各自で工夫してください。
読まれる方によっては一部不快に感じることがあるかもしれません。また、自分語りも多分に含まれるので、苦手な方はブラウザバックを推奨します。
あと、この記事の7割は無料で読めますが、残りの3割は有料になっています。理由としては、私が実際に就活で行ったことや、戦略。そして応募の際に使用したポートフォリオの一部をお見せするからです。それから個人情報をオープンな環境に晒すのに、抵抗があるとかないとか……。
――以上のことをあらかじめご了承下さい。
【はじめに】
私がこの記事でお伝えできるのは、私がしてきたことです。
逆にいえば、私のやってきていないことに関しては伝えられず、それに対する評価もできません。なのでこういうヤツも居たんだな、くらいの気持ちで読んでくれると良いのかもしれません。
大切なのは、この記事を読んだあなたが、すべてを鵜呑みするのではなく、必要な情報を取捨選択することです。
基本的にプランナーを志望する方向けです。私がやった程度のことをやれば、10,000人くらい応募者がいたら、下から9,900人くらいはぶっ飛ばせるんじゃないかと思います。
――なので、あとの100人はみなさんでどうにか倒してください。
前半では私がこれまでどんな風に過ごしてきたかを。そして後半では実際にゲーム業界を目指すうえで、どのような対策や就活をしたかについて話していきます。
私は就職活動中にプログラマーからプランナーへと志望職種を変更しました。それもプログラマーとして半年就活をしてからです。あまり、このような話は聞かないのではないでしょうか。
この結果と後述の内容をみて、ああ、コイツくらいの実力でいけるなら、俺(私)でもいけるんじゃね? ――くらいに思ってくれればいいです。読者のみなさんにとって、可能性が開ける記事になればと思います。
まずはじめに、私の就活の結果からお伝えします。ゲーム業界に絞って約30社ほど受けました。プログラマーとして16社、プランナーとして16社と半々です。
それではゲーム業界を受けた結果から、どんっ!
プログラマーとして書類選考に通ったのが、5社
一次面接通過が、2社。最終に進んだのが2社で、
内定をもらえたのは1社になります。
次にプランナーですが、書類を通過したのが9社
一次面接通過が、3社。最終に進んだのが2社で、
内定を1社からいただきました。
私が志望していたのは、基本的にスマホゲームの開発をしている会社です。誰もが聞いたことのある大手企業や、コンシューマゲームの会社はあまり受けていません。
余談ですが、試しにゲーム会社以外にも、一般的なIT企業にもプログラマーとしてエントリーしていました。書類選考自体は一般の会社のほうが通りやすい印象を受けました。ただ、面接で企業自体にマッチしていないとお祈りされることが多かったです。(うちにこなくて、ゲーム作ればいいじゃん……みたいな顔をされました)
まあ、私自身もゲームが作りたくてプログラムをしていただけで、一般的なサービスを作ることに関しては無関心だったため、その辺りを見抜かれていたのでしょう。まさに慧眼です。
さて結果的に見れば、ありがたいことにゲーム会社2社から内定をいただけたわけですが、ゲーム業界を目指すようになったのは大学に入ってからです。もちろん、順風満帆にすべてが上手くいったかというと、そうではありません。むしろ、上手くいかないことの方が多すぎて、おかしくなりそうなくらいでした。
そんな私の経緯を振り返っていこうと思います。
興味のない方は【これまでを振り返って】まで飛ばしてください。
【高校生編】
高校生の頃、ぼんやりと将来ゲーム業界に入りたいな~くらいには思ってました。きっかけは、某がんばるぞい子さんがゲームを作っているアニメを見たことだったかなと記憶しています。
自分の好きなもので将来生きていけたら、楽しいだろうな~くらいの感覚です。今思えば、高卒でゲーム会社に内定をもらったあの子は、とんでもないバケモノですね……。
話を戻します。高校生の私はどうやったらゲームが作れるのかすら知りませんでした。家にパソコンはありませんでしたし、小中高と創作に触れてきたわけでもありません。特別電子工作が好きだとか、手先が器用だとか、そんなことも……当然ないわけです。
頭もよくなく、自称進学校で中の下くらいの成績です。部活も途中で辞めるような人間です。恥の多い学生生活を送ってきました。
そんな怠惰な人間だったため、自身の進路について真面目に考えもしません。当時はゲームの専門学校があることすら知らず、国公立大学に入学しとくか、ぐらいにしか考えていませんでした。
そんなこんなで……ちゃらんぽらんな私はとりあえず、パソコンが触ればなんとかなるんじゃねと、思考停止状態で大学に入学しました(ちなみに一年浪人しています)。
【大学生編 B1】
さて、地方の大学にやってきました。
ノートパソコンを手に入れた私はウキウキです。これから色んな事ができる――たくさん妄想しては目を輝かせていたのではないでしょうか。ちなみにこの時点ではシャットダウンの方法すら分かっていません……。
サークルはたまたま運よくゲームを作るサークルがあったので、そこに入りました。プログラム班やイラスト班等々、ゲームを作る上で必要な班に分かれていました。
私は特に自分が何か出来るわけでもなかったので、人数の少ない作曲班に入ることにしました。曲作れるとか、カッケーくらいの軽い気持ちです。
作曲班に所属し、ボカロや東方の存在を知りました。ニコニコなどの文化を知ることもなく育ってきたので、もっと早く知りたかったと本気で後悔したのを覚えています。唯一、サークルに入ってよかったと思えるような出来事でした。
また、近くでハッカソンなるものが開催されていることを知り、試しに行ってみました。そこで出会ったのは年代もバラバラな人たちです。
年上の方が多かったので、コミュニケーションに四苦八苦しながら、お話が進行します。いくつかのアイデア出しを行った後、面白そうなものに乗っかる形で開発が始まりました。
まだプログラムに触れたことはなかったので、プログラムができる方と組んで、私はBGMを担当しました。楽しかったです(小並感)。
【大学生編 B2】
さて、一年ほど所属してふと、気づきました。作曲自体はしていましたが、自分はおろかサークル全体でゲームを作っていないことに。
ゲームを作りたいと思って入ったにも関わらず、その目的に一ミリも近づいていませんでした。
まあ、ゲーム作りたいと言っておきながら、作らない人間の方が大半なので、マジョリティな私も怠惰に過ごしていたわけです。ええ。
このままではいけないぞと、鼻息をフンスッ。サークルを二年くらいで辞めました。
当時のスペックはちょっと小説が書けて、ほんのちょっと曲が作れる程度です。ちなみにプログラムは講義でCをやりましたが、再試験で単位を取る程度のポンコツっぷりを発揮します。この段階でプログラムに苦手意識を持っていたことを告白します。(でも、知らないフリをします)
私はプログラムが出来る人間なんだと思い込み、無謀にも個人でゲームを作ることにしました。
正直、思い切りの良さだけで生きているような人間ですね……。
それから……かくかくしかじか、初めて作って公開したゲームは、障害物をよけて距離を競うゲームです。Unity 1 Week用に作ったゲームですが、一度プロジェクトが破損したこともあり、三日で作りました。
この経験がゲーム業界を意識した始まりのような気もします。当時は初心者だったので、自分が作ったゲームというだけで親や友人にドヤってました。さて、この辺りから本格的にゲームを作りたい欲が強くなります。(かなり遅い時期です)
すると運よく、以前参加したハッカソンの主催により、ゲームを作る人が集まるイベントが開かれました。
私は迷わず参加し、そこで幸運にも『すこやかメテオ』のメンバーと出会うことになります。紆余曲折を経て、私の原案を元に、初めてのチーム開発が始まりました。
すこやかメテオでは伝奇ノベルゲーム『喰人記』開発しています。そこで私は演出方面を中心にさまざまなことを経験させていただきました。詳しい活動内容については、以前の記事を確認してください。
『チーム開発をして感じたこととか、いろいろ振り返る』
【大学生編 B3】
さて、三年になりました。四月にもなれば、就活を意識し始める方もいるのではないでしょうか。将来を見据えた方であれば1, 2年の内から少しずつ進めていると思います。しかし、意識他界系の私はそんなこと微塵も考えていません。
チーム開発の合間に個人開発や別の創作活動をしていました。自分が楽しいと思うことしかやっていなかったと思います。
ですが、大学側はそんなことを許してはくれません。膨大な量の実験やレポートで、涙目になっていました。必修だけは何とか守りながら、作品を創る代わりに単位を失います。
そんな中でも、なぜかハッカソンには参加していたみたいです。運よく最優秀賞をいただき、副賞で東京ゲームショウ(以下、TGS)にビジネスデイで行けることになりました。
正直めちゃくちゃ嬉しかったです。
交通費は当然、自己負担ですが、一介の学生がビジネスデイに参加することなどほぼ不可能です。こんなチャンスは二度と来ません。私は迷うことなく、会場に足を運びました。
TGSに行くだけの価値は十分にありました。
というか、TGSに行ったからこそ、私の進路はゲーム業界になったと言っても過言ではありません。
今でもあの会場の熱気や興奮などが目を閉じれば、思い出せます。将来自分も作る側としてこの場に立ちたい。多くの人をワクワクさせられるような作品を作りたい。――そう、強く思った瞬間でした。
その後、C社のインターンにプログラマーとして参加したり、別のC社でシナリオライターとして参加しました。
インターンに参加することで、ゲーム業界で働きたいという想いはさらに強いものになります。ただ、それと同時に、自身の技術力の差を間近で見せつけられたのも覚えています。本当に将来ゲーム業界に行くことが出来るのか、不安で押しつぶされそうでした。
そんな恐怖を払拭するかのように、私は大学の就職担当の方に相談します。しかし、弊学からゲーム業界に行った人はいないと言われ、自分で頑張れと突っぱねられました。就職に関するサポートはまるで受けられませんでした。
大学生の場合当然ですが、求人など自分で探す必要があります。周りにゲーム業界に明るい方も、目指す方もいないので、相談相手もできません。
こういった点は専門学校だと勝手が違ったのかなと思います。
【大学生編 B4】
そうこうしているうちに四年になり、就職活動が始まりました。
私はまず初めにプログラマーとして就職活動をしました。いくつかゲーム作品を提出しましたが、ほとんど書類選考で落ちてしまいます。
就活を始めた(ここでは最初の企業へのエントリー)のが三年の2月で、内定がでたのが四年の7月後半。だいたい半年近くかかりました。
ここから進路変更し、1ヶ月のブランクを経て(この期間に企画書を作成し)、プランナーとして就活を再開しました。
その結果、約5か月かかってプランナーとして別のゲーム会社から内定を頂けました。
とまあ、ここまでが私がゲーム会社に内定をもらえるまでのざっくりとした経緯です。
【これまでを振り返って】
就活をやっていて気づいたのですが、私はどうもプログラマーにはなりたくない、ということでした。なりたくないというと、語弊がありますね。
正確には、なれない――やっていけないと思った、が正しいです。
どうもプログラムや技術自体にまるで興味がなかったのです。本職の方に聞かれたら色々と怒られそうですが……。
面接で技術的な事を聞かれたり、興味のある技術について問われたり、その辺上手く答えることができませんでした。それも当然というか、1,2年やった程度の技術でどうこうできるわけがないわけです。
作ったゲームも技術的に浅い所を指摘され、まあその通りだよな、とどこか冷めていく感じがあったのです。
考えが甘すぎました。私よりも遥かに経験豊富で、技術力に長けた人がたくさんいます。そんな方々と同じ土俵で戦っていくだけの勇気が、私にはありませんでした。
正直、プログラマーとしてゲーム業界に入るためにはUnityでゲームを作ってるだけでは話にならないと感じました。
そこで今一度、なぜゲーム業界を目指すようになったのか、振り返ってみました。自身の根底に眠る、深い欲求に問いかけます。
――お前がゲーム業界を目指すのはなぜだと。ゲーム会社で働く意味はなんだと。
底に沈むもう一人の私は答えました。
「私はゲームが作りたい。作ったゲームで人々を笑顔にしたい」
内に秘めた想いは単純なものでした。
自分がこれまで多くの感動をもらったように、それを今度は自分が贈る番になりたいのだと。ありがち理由ですが、私の根底にあるのはこれなんだなと改めて実感しました。
ただ、アプローチの仕方を間違えました。
ゲームが好き、作りたい、笑顔にしたい。
将来はゲーム会社に入ってより多くの人に楽しくなってほしい。
そのために、今自分がするべき事は何だろう?
そう考えた結果が、個人でのゲーム制作であり、別にプログラムが書きたかったわけではないのです。ゲームを作るために必要だったから、プログラムを書いていたにすぎません。
書いている間もプログラム自体に楽しいと思える要素はありませんでした。思えば、チーム開発でも無意識のうちに、プログラムと関係のない役回りをすることが多かったのです。
本来であれば、
ゲーム作るの楽しそう。よしっ、作ってみるか。
↓
楽しい、やっぱり将来はゲーム会社に入ろうっ!
自分の考えたゲームを多くの人に遊んでもらうぞ!
こうなるはずだったのに……。
ゲーム会社に入りたい、そのためには作品が必要。
――だからプログラムを書こう。
↓
ゲーム作品があるから、プログラマーで応募しよう。
手段と目的がいつの間にか逆転してしまっていたのですね……。
そんな意識の低い私が、プログラマーとして業界を目指して良いのかと思うようになりました。
また、私がやってきたことは、プログラマーよりもプランナー寄りのことが多かったのも事実です。
少し考えれば分かるのですが、シナリオが書けて、演出ができ、音楽やイラストの知識が多少あり、プログラム自体は平均以下。
なんでプログラマー志望なの? と、なるわけです。
ですが逆に、自分で企画してコード書いて素材も作れるプランナー、となれば少しは欲しいと思いませんか?
ようは需要と供給なわけです。ポジションによって欲しい人材の能力も変わるわけですね。そんなことにすら気づかないほど、自己分析を怠っていました。ロマネコンティもびっくりです。
【内定を勝ち取る戦略】
少しだけ具体的なアドバイスになります。
ただ、これからお伝えすることを1~4年の間でやるのではなく、きちんとスケジュールを立てて、2年間くらいでやるのがベストです。
もちろん、学科によっては忙しいとは思うので、自分のできる範囲でやること前提ですが。
・自己分析めちゃくちゃ大切
いままでの私の経緯を読んでくださった方であれば、分かるかと思いますが。自己分析、めちゃくちゃ重要です。
「自己分析とかwww」
「自分のことくらい、自分が一番わかっとるわっ!!」
――そう、初めは私も思っていました。
しかし、ふたを開けてみれば、自分のことなのに、まるで理解が足りないことが分かります。他人の方がよっぽど私のことを知っているのではないでしょうか。
だからこそ、マンガでよくあるような内なる自分と対話できるくらいには研ぎ澄ました方が良いです。じゃないと、いざという時にブレます。
自己分析をろくにしなかった結果、私は半年も就職活動期間を無駄にしました。九月以降だと多くのゲーム会社はそもそも募集が終了しており、エントリーすらできません。
基本的にプランナーは人気職種と呼ばれ倍率も高いみたいなので、早くに定員が埋まってしまいます。(就活をしている当時は知りませんでした)
なので、就活初めの時期に比べ、母数が少なくなり難易度が跳ね上がります。加えて九月まで就職活動をしていると、その理由は当然聞かれます。単純な話、なんか問題があるヤツなんじゃないかと疑われることがあるわけですね。そういった点も不利になる要因です。
自分の望む職種で、望む会社に入るためにも、己が何者で、何がしたいのかを明確に分析しておいた方がいいです。それこそ、しっかりと言語化できる状態にしておくくらいがベストでしょう。
あと――業界研究も怠ってはいけませんよ?
・作品で殴れると強い
プログラマーとプランナーでは単純な比較はできませんが、プログラマーの場合作品といえばゲームを含めたソースコードくらいです。
しかし、プランナーであれば正直、やってきたことすべてがプラスに働くぐらいに考えてもいいです。
例えばゲーム作品であれば、企画・制作(プログラム、イラスト、音、演出、etc……)、そしてリリース。全工程を経験するに越したことはないですが、どれか一部だけでも十分に効力を発揮します。
私の場合、ゲームの他に創作活動として小説、有償依頼でのシナリオ制作、音声作品の販売など、様々なことをしてきました。
これらをベースとなる個人製作やチーム制作の話と絡めることでより、説得力が増したのではないかと思っています。
一つの研ぎ澄まされた武器で戦うことが難しいなら、多少刃こぼれしていても、複数本の武器で戦うとよいかもしれません。
知っていること、できることの範囲を広げておくわけです。能力は足し算ではなくてかけ算。これは覚えておくと良いかもしれません。
実際、プログラマーの場合、書類選考通過率は31%程度でしたが、プランナー志望になった途端、56%と、25%も上昇しました。
秋採用ともなれば、募集人数も減っているとは思うので、厳密にはもう少し高くなると思います。
とりあえず、プランナーでもゲームを作るのが一番効率が良いと思います。自分で企画書を作成し、仕様を決め、リリースまで持っていく。こうすれば、企画書とゲームをまとめて作ることができます。
各企業の募集要項にある企画書の提出、そして+αでゲーム作品も提出できるわけです。
個人制作とチーム制作、できれば両方やりましょう。
両方やると、面接でわりと自分の答えやすい方向に誘導できたりします。
あと、これも大事なことなんですが、個人・チーム開発どちらで生きていきたいのか、前もって知ることもできます。
個人制作が好きな方であれば、無理して会社に入ってゲームを作る必要はありません。休日などを使って自分の思う最強のゲームを作ることだってできます。
・学歴はあんまり関係ない
誰もが聞いたことのある大手を狙うなら別かもしれませんが、基本的に学歴を理由に落とされることはないと思います。
ここでいう、学歴を理由におとされないとは、○○大学だからコイツはダメだ――といった落とされ方はしないんじゃないかという話です。
例えばですが、同じようなレベルの人間が二人いて、どちらか一方しか採用できないとしたら、地方の名前も聞いたことないような大学よりも、東大生の方を採りますよね? そういうことです。最後の判断材料くらいには使われるのではないでしょうか?
それよりも自分が今までどんなことをやってきたのか、何を学んだのか、何が実務で活かせそうなのか。そういったことを、作品と共に書類に落とし込むことができれば、書類選考には通ると思います。
ただ、会社によってはSPIなど普通の企業と変わらない試験を採用している場所もあるので注意は必要です。
私が受けた会社で書類選考通過後にSPIを実施したのは3社なので、作品作りに注力したほうが得策だと思います。
学歴がーと諦める暇があったら、作品で殴ってください。それが一番手っ取り早いです。
・強い人とチームを組めると最強
まず、ゲームが完成する確率が高いです。ゲームってわりと完成しないことが多いんですよね……。だからこそ、完成したゲームは、面接でその経験をより話しやすくなります。
人数が多ければその分、単純にゲームのクオリティが高くなるので、モチベーションの意地もしやすいです。
・新卒はポテンシャル重視
採用する側としても、新卒にものすごい技術力は求めていないと思います。技術をもった人材がほしいのであれば、中途で雇えばいい話ですから。
だからといって、作品が必要ないわけではありません。 当然ですが、ポテンシャルを見せるためには必要ですよね? 出来ない人よりは、少しでも出来る人を会社側としては雇いたいわけですから……。 当然ですが、ポテンシャルを見せるためには必要ですよね? 出来ない人よりは、少しでも出来る人を会社側としては雇いたいわけですから……。
中谷彰宏さんの言葉にこんなものがあります。
「したい人、10,000人。
はじめる人、100人。
続ける人1人」
すみません、ドヤ顔で引用していますが、こんな感じの言葉あったな~くらいの記憶を頼りにググりました。
例えばゲーム業界にたいして、プランナー志望の就活生が10,000人いて、その中で実際にゲームを作ってる人ってどれくらいいるでしょう? なおかつ、いくつものゲームをリリースしている人は?
私がとあるゲーム会社をプログラマーとして受けたとき、筆記試験のあと、作品提出が任意ですがありました。筆記試験を終え、作品を置いて退席するのですが、ざっと見た感じで作品を提出しているのは半分もいなかったです。比較対象にはならないかもしれませんが、プランナーであれば、もう少し数が減るのではないでしょうか。
ところが、不思議なことにTwitterをやっていると、すごいゲームを作っていたり、意味の分からない超絶技術で人々を魅了するバケモノのような方々がたくさんいます。
Twitter上で活動しているとどうしても、そういった方々が目についてしまいます。
しかし、よく考えてみてください。
リアルワールドで、あなたの周りで、そんな人、何人いますか?
いたとしても片手で数える程度ではないですか? その方は同年卒ですか? なんなら希望職種だって異なるわけです。
超絶技巧スーパーウルトラハイパーマンは、そんな滅多にいません。
Twitterで見ている雲の上の方々はすごいかもしれませんが、就活においてあなたの敵にはなりえません。
なぜなら、もうすでにプロだったり、歳が微妙にずれていたりすることがほとんどでしょう。年下で意味わからない強さの人とかいますが、それはあなたより遥かに多くの年月をゲーム制作に費やしてきた方々です。
私が中高で鼻水垂らしながら、バスケやテニスをしていた間、彼・彼女らはゲームを作っていたわけです。だからすごく見えるし、実際にすごいです。尊敬に値します。
ですが、同じ土俵にはいないので、今回は除外しましょう。
こうして、強そうだな~、勝てっこない~と、思ってきた人を除外してきました。するとどうでしょう。わりと可能性が見えてきませんか?
あなたと同じ年に卒業予定のゲーム業界志望者(うち、希望職種が同じ人)より、あなたにスキルや経験、実績等があれば書類には通るわけです。
ゲーム(作品)を作ることは、書類選考の勝率をできるだけ高くしよう、という話です。
そう考えたとき、私は工学系の大学ということもあり、プログラムができる方はちらほらいました。しかし、私と同程度に企画ができ、実際に開発し、リリースまですることができる人は、あまりいないのではないかと推測しました。それでも何人かはいるでしょう。だから、方針を変えました(スペシャリスト→ゼネラリスト路線へ)
上の条件にいくつかの要素を加えてみましょう。
私の場合大別すると、ゲーム制作以外に――シナリオ(小説)、演出・スクリプト、作曲、イラストなどがあげられます。
Aができる人、Bができる人、Cができる人。
それぞれの職種に特化した人たちがいる中で、私はその方々足元にも及びません。しかし、AかつBかつCの人となると、グッと人が減ります。
つまり、個々の能力では劣るものの、レアリティが上がるわけです。
こんなことを言うと、反感を買うかもしれませんが、プランナーを目指す方の中にはプログラムもイラストもできないから、消去法で……。そう考える人もいるわけです。
その程度の人たちが応募してくる中で、もしあなた一人が特別レアリティの高い人間であれば、より目立つわけです。コイツなんかよく分からんけど、面白そうだぞ、と。
そして、この子ならポテンシャルありそうだし、とりあえず面接してみるかと、思わせることができれば勝ちです。
やる気あります! 体力あります! と言っておいて何も成果物がない人より、企画書書いてきました! ゲームでは制作進行をしてきました。プログラムも少しできて、ユーザーを感動させる演出には自信があります! という子の方が当然ポテンシャルを感じますよね?
とにかく形にして、動くものを見せるだけで、説得力が増します。
なぜなら、それを出来る人が圧倒的に少ないから。
・情報収集でほぼ決まる
日本のゲーム会社がいくつほどあるかご存知でしょうか。
私は諳んじて言える会社で約50社ほどです(突然のマウント)。別に諳んじて言う必要など微塵もありませんが……。
ただ、知っていなければそもそも応募する道にすら、たどり着けなくなります。
専門学生であれば就職面で手厚いサポートがあるかもしれませんが、大学生の場合そうはいきません。基本的に自分自身で情報収集をする必要があります。その際、どれだけのゲーム会社を知っているかというのは、大きなアドバンテージになりえます。
マイナビやリクナビではゲーム会社で調べると100件くらいヒットします。その中にはもちろん知らない会社もあれば、二つのサイトで重複しているものも数多くあります。自身の希望職種を募集していない企業も当然あるので、総数としては多くはないです。
では、これ以外のゲーム会社は募集をしていないのかというと、そうではありません。
こちらのサイトでは約2,000ものゲーム会社が掲載されています。
すべてがすべて新卒や、あなたの望む職種を募集しているわけではありませんが、それでも知っているだけで、20倍近い選択肢が生まれるわけですね。つまり、それだけゲーム会社に受かる確率が上がります。
他にもいくつか別のサイトや直接会社のホームページを見ることで、その会社がどういった人物を求めているかを調べることができます。
このように知っているだけで大きな差が生まれることは大いにあります。
情報収集がどれだけ重要なのか、これだけでも十分わかるのではないでしょうか。
・人事はわりと……
エントリーシートの提出や面接の日時など、人事の方と関わる機会は結構あります。ただ、エントリーシートの提出から2週間以内に連絡しますなど、明記されているにもかかわらず、連絡がないことなどもしばしばありました。そういった時はメールなどで連絡(緊急であれば電話)してみると良いと思います。
もちろん、返信がめちゃくちゃ早く、とても丁寧な人事の方もたくさんいます。
私の身に実際起こったこととしては、
・面接のURLが前日になっても送られてこない(電話で連絡し、当日リンクを送ってもらいました)
・書類・課題選考の結果がこないとメールしてから3ヶ月後に面接の案内が来る(募集は終了している)
・ホテルの予約が取れていないなど……。
人事の方も人間なので、ミスをすることはあります。少しでも不安になったら、連絡してみましょう。運が悪いと、通っているのに募集が終了していることもあります。
・就活は運ゲー
ここまで色々と書いてきましたが、結局最後は運ゲーです。
どれだけあなたが優秀でも落ちるときは落ちます。
企業にマッチしないとか、面接官との相性が悪いとか、落ちる理由はいくらでもあります。
書類選考はわりと作品やあなたのスキルで通ったりします。
書類選考がある程度自分自身で勝率を変えることができるのに対し、面接はなかなか上手くいきません。
面接官によって好みの傾向や評価基準が異なることもあります。
例えば、質問に対してすぐに答えを出せる人がいいと思う人もいれば、何も考えずに話しているのではないかと考える人もいます。相手によって加点にも減点にもなるわけです。正直やってられないですよね……。
ですが、少し考えてみましょう。
例えば無人島に100人集められたとして、あなたは何人の方と仲良くなれますか? 恐らく生きていくうえで100人全員と協力することはないでしょう。幾つかの派閥が生まれて、その中の一つに所属するのでないでしょうか?
・海辺で魚を確保したいA班。
・森に入って木の実を確保したいB班。
・中間地点で水源を確保したいC班。
自分のやりたいこと、得意なことを活かせるグループに入るでしょう。
選んだグループ先であなたはこう思います。
「あ、この人面白いな。もっと話を聞いてみたい」
「んーコイツとは気が合いそうにないな。できるだけ近づかないどこ……」
「やる気はありそうだけど 、知識だけじゃあなぁ」
A~C班が各ゲーム会社だと考えてください。あなたが自分にとってマッチしそう、この会社で働きたい! そう思って、エントリーするわけです。
そして書類を通った後には、面接があります。面接官も当然、あなたと同じようなことを思うわけです。
大学入試のように点数で明確な合格ラインがあるわけではありません。
正直ここまでの話を聞き、運ゲーと言われ、理解はできても納得できないのではないでしょうか。私自身も病みかけたことがあります。
しかしそれが事実ですので、就活は運ゲーだということを念頭において、あまり気負いしすぎないように注意してください。数をこなしましょう。
とはいえ、どうしてもゲーム業界には入りたいとします。
ではどうすればよいのでしょうか。私達にできることは、可能な限り運ゲーの勝率をあげることです。
私が勝率を上げるために行ったことは次のようなものです。
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