もし僕らのことばがサッカーであったなら〜広島遠征記後編〜
広島旅に行ってから約1ヶ月…
僕は地元に帰ってきてからも、相変わらずな生活が続いています。
広島遠征記の前編をこんな感じで書いてみましたが、いかがでしたか?笑
早速、広島遠征記の後編、スタートです!!!
6月15日、土曜日。午前7時30分。
「ああ、もう朝か、身体痛え(汗)」
前日に新幹線で広島に向かい、あまり雨には打たれなかったものの、ベルマーレが試合に負けたことで生まれるより一層の疲労感(笑)に襲われた僕は、ベッドから身体を起こして洗面所に向かって顔を洗う。
寝巻きから朝食バイキング用の服に着替え、部屋のある9階からエレベーターで1階に降り、朝食バイキングの会場に到着する。
朝食バイキングでは、ご飯、味噌汁、サラダ、おかず、と言った具合にまんべんなく皿に盛り付けて食べた。
おかわりではカレーを食べて、お腹がパンパンになってしまった。
バイキングに行くと無性にカレーが食いたくなるのはなぜなんだろうか?笑
誰かに科学的に実証してもらいたい。
食事を終えて部屋に戻り、NHKの朝ドラを見ながら部屋を出る準備をする。
ホテルの部屋はなかなか快適な環境だった。
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広島行きが決まってからというもの、試合の翌日は絶対このベースボールユニで広島を回るんだ!
と決めていた僕は、雨がザーザー降りしきる中、広島ガーデンパレスを後にした。
この時点で時刻は8時45分くらい(確か)。
広島駅の北口側にあるホテルから、市内電車(チンチン電車)の乗り場がある南口までをトコトコ歩き、Suicaをタッチして電車に乗り込む。
この日の旅の目的地は、広島に来たら必ず行こうと決めていた場所だ。
広島駅から走ること約20分、停車駅から横断歩道を渡ると、その建物はすぐ目に入ってきた。
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そう、原爆ドームである。
一目見ただけで、言葉では伝わらない何かが伝わってくる。
厳粛なな雰囲気を感じながら、僕は原爆ドームの周りを歩いていった。
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(原爆ドームの真横にあった銅像)
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1945年8月6日の午前8時15分以降、この川で様々なものが流れていたと思うと、凄く胸が痛む。
橋を渡りきり、人間が持っている凄さと愚かさを具現化したものが炸裂した場所(実際の爆心地は100メートルちょっと離れてるけど)を後にした僕は、平和記念公園へと足を運んだ。
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毎年8月6日に平和式典のセレモニーが行われる、原爆死没者の慰霊碑。
こちらでは、お祈りを捧げました。
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こちらが、広島平和記念資料館。
この日は土曜日ということもあってか、かなり雨が降っていて足元の悪い状況ではあったものの、国内外含め多くの観光客が平和記念公園に訪れていた。
早速資料館に入り、入場券を購入。
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ここで個人的な話をさせてもらうと、昨年の10月に妹の結婚の結納式を長崎県(義弟の地元)に行った際、長崎の平和記念公園にも訪れていた。
その際に資料館にも寄って原爆被害の悲惨さに胸を痛めたのだけれど、今回の広島は広島で、もっと心を抉られるものがあった。
ここには到底書けない、写真も撮れないくらいの内容ではあったが、人間の生々しさであったり、恐ろしさがそこにはあって、出来ることなら直視したくないけど、歴史上に実際に起こったことだから、現代を生きる我々が目を背けてはいけない、という強い思いを持つことが出来た。
資料館を約2時間以上回っていたのが、最終的には涙が止まらなくなって、鼻もズルズルになっていた。
資料館の出口付近で、顔がくちゃくちゃな状態なのに、ベルマーレサポーターの御婦人方に遭遇してしまったのには驚いたし、ちょっと恥ずかしかった(笑)
昨日は残念でしたね〜、とか、私たちは飛行機で来たから〜、など少し会話を行なって、次の試合も応援頑張りましょう!、と互いに言って御婦人方とお別れをした。
(まさかそこから約1ヶ月勝利に見放されるだなんて思いもしなかったw)
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原爆の子の像。
像の下におかれた石碑には、
「これはぼくらの叫びです
これは私たちの祈りです
世界に平和をきずくための」
と書かれていた。
被曝して数年後に病気にかかって、子供のうちに亡くなるだなんて、やるせない。
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市内電車の駅に向かう前に、もう1枚パシャリ。
いつまでもずっとそのままで、時代が移り変わっても、そのままであり続けてほしい。
安らぎのある暮らしがどれだけ幸せなことであるか、というものを訴えかけてくれる存在だから。
原爆ドーム、とてつもなく大きかったなあ。
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原爆ドーム駅に着いたらタイミングよく、市内電車の写真が撮れた。
少し時間は早いけど、僕は再び広島駅へと戻った。
12時過ぎに広島駅に着いた僕は、お土産コーナーへと走る。
広島お土産、というと、もはやアレしかないんだけど(笑)
もみじ饅頭をたくさん購入し、新幹線の時間までどこかで時間を潰そうと駅ビル構内を歩いていたら、前日の夜にご飯をご一緒したベルサポ仲間とバッタリ再会。
ひとまず、駅ナカの居酒屋でくつろぐことにした。
居酒屋の店員さんがたまたまサンフレッチェ広島サポーターだったこともあってか、昨日は勝ってしまいましたー(テヘッ笑)とか、スタジアムは思いのほか山の中でビックリしました〜とか、新しいスタジアムが建設されるので遠くまで行かずに済みますよ〜とか、色々な話で盛り上がった。
なんだかんだで、広島ではやはりカープが絶対的な存在らしい。笑
お店は串カツ系の居酒屋さんだったのだが、以前に広島に行ったことがあるというサポ仲間さんに「これは食べた方が良いよ!」とオススメされたあるメニューがあったので、頼んでみた。
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揚げもみじ!(1本180円)
揚げたてだったので、一口でいくのはやめたけれど、一口食べたら幸福感しか味わえませんでした。笑
甘いものが苦手な人(特にあんこが苦手な人は受け付けないかも)でなければ、バクバク食べれちゃうスイーツかと思われる。
甘いもの好きな僕としては、揚げもみじに出会えて良かった、とひそかに感動していた。
新幹線の時間が迫り、お店を後にすることにした僕たち。
お店を出るときに思わず「初めての広島、凄く楽しかったです!また来ます!!」と、高らかに宣言してしまった。
お金貯めてまた来よう。
新幹線の改札でお伴したお2人とお別れし(2週間後のセレッソ戦で元気に再会)、ホームに足を進める。
荷物が多くてヒイヒイ言ってたけど、ベンチに座ったら2日間の記憶が蘇ってきて、「またここに行きてえなあ」ってつくづく思った。
そんなこんなで、僕は帰りの新幹線に乗った。
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帰りに食べた駅弁がこちら!
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広島駅の駅ビルの中にあったお店で購入。
先ほどのお仲間から「これだけは買って帰りなさい!」と激推しされて、すぐに手に入れた。笑
包み紙の裏側は、広島の観光名所の地図になっていて、よく出来てるよな〜ってなった。
(写真は撮り忘れた)
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中身はこんな感じ。
シンプルイズザベスト!
駅弁を食べ終わった後、急激な眠気に襲われた僕は、福山から新神戸までひと眠りしてしまった。
あんまりイビキかいてなかったかなあ?
寝てたから分からないけど。笑
ここでまた、読書タイムに入った。
前日に読んだ山ちゃんの妄想小説の残り半分、そして、旅に行こうと決めた時に読もうと思っていたこの一冊。
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あれ?、と思った読者さん、もうお分かりですかね?笑
村上春樹さんの旅エッセイである。
ウィスキーの本場であるスコットランドの小島、アイルランドに行って、ウィスキー造りを体験したり、現地でどのようにウィスキーを飲んだか、というお話(ざっくりすぎる笑)。
これを読むとウイスキーを飲みたくなるのは、もちろんなんだけど、読んでみて、アイラ島(スコットランドの小島)のウィスキー蒸溜所のオジさんの言葉がとても印象的だったので、紹介したい。
「みんなはアイラ・ウイスキーのとくべつな味について、あれこれと細かい分析をする。
(中略)
いちばん大事なのはね、ムラカミさん、いちばん最後にくるのは人間なんだ。
ここに住んで、ここに暮らしている俺たちが、このウィスキーの味を造っているんだよ。
それがいちばん大事なことなんだ。
だからどうか、日本に帰ってそう書いてくれ。
俺たちはこの小さな島でとてもいいウィスキーを造っているって」
オジさんめっちゃカッケー。笑
かくいう僕も、趣味の域は脱してないにせよ、サッカーの分析記事を挙げたりしている。
あの選手のプレーがどうだった、あのチームの監督はこんな闘い方を採用して、試合展開を見計らってこの選手を途中から入れたら一気に試合の流れを持っていた…などなど。
そう、プレーをする選手、選手を起用する監督、監督と選手を支えるチームスタッフ、試合を裁く審判、試合を運営するスタッフ、スタジアム売店の人、会場に足を運ぶファン・サポーター…
サッカーの試合に関係する人間、を挙げただけでこれだけのヒトたちが存在する。
サッカーに限らず、飲食店、ホテル、お土産屋さん、鉄道関係のヒトたち…
広島に住んで、広島に暮らしてる人たちがそれぞれの“味”を造りあげている。
その土地ならではの風習や風土がそこには存在していて、みんなそれぞれのカタチを形成してその場所に生きている。
湘南スタイル、というものがあれば当然、広島スタイル、というものもある。
今回の試合はベルマーレはサンフレッチェに負けてしまったけれども、試合を決めたのはサッカーの全てをひっくるめた広島の“人間力”だ。
もし、僕らのことばがサッカーであったなら?
ドリブル、パス、シュート、クロス、インターセプト、スライディング、ポストプレー…
サッカーのひとつひとつのプレーみたいに、普段の日常生活の中でも、サッカーのプレーに例えられるような言葉や振る舞いを僕たちは自然に行っているのかもしれない。
サッカーと人生は、どこか相通ずるものがあるように思えてならない。
ひとつひとつの小さな積み重ねが、やがて大きな成果となって、様々なモノに形を変えて人々に幸せな思いと、時々憎悪な思いをもたらしたりする。
悪いエネルギーにベクトルを向ければ物事は悪い方へ進んでいくけど、良いエネルギーにベクトルを向ければ物事は良い方に進んでいく。
単純だけど、どこか複雑でもある、サッカーと人生。
愚かな兵器をつくるのをやめて、たのしいサッカーに興じようぜ、みんな。
別にサッカーだけじゃなくても良いけどね。笑
原子爆弾を落とされた土地を回った僕の言いたいことは、ただひとつ。
No more HIROSHIMA.
No more NAGASAKI.
平和に生き抜いていくヒントは、もしかしたらサッカーボールの中にあるかもしれないね。
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読んでくれた皆様、本当にありがとうございました!!!
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