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【読書録】『ねずみとり』アガサ・クリスティー

アガサ・クリスティーウィーク3日目は、3番目に好きな作品、『ねずみとり』(原題:"The Mousetrap")。1951年。こちらは戯曲で、ストーリーが演劇の台本形式で綴られている。会話中心なので読みやすく、テンポがよい。

クリスティー作品のネタバレは厳禁なので控えるが、若い夫婦がオープンしたばかりのゲストハウスに、老若男女の宿泊客が集い、その中に殺人犯がいる!という話。以前、英語フレーズの記事で少しだけご紹介した。

登場人物の描写が豊かで生き生きとして、昔の外国の話なのにリアルにイメージできる。そしてページが進むにつれ、どんどん場面が急展開して…。途中まで読むと、もう最後まで止められない!

そして、こちらは、世界で最も長い連続公演をしている演劇として有名である。1952年の初演以来、68年の長きにわたり、現在までロングランを続けているというのだから、すごい。

ちなみに、今から20年以上前、24歳で初めての海外旅行に出かけた私は、ロンドンのセント・マーチンズ劇場に、この劇を一人で観に行った。まだ英語が下手で、インターネット予約もなかったので、チケットを取るのにも苦労したし、俳優たちのセリフも殆ど聞き取れず、観客が笑うジョークのツボも全く分からなかった。

でも、劇場も舞台セットも、小説のイメージそのままの、古き良き英国という雰囲気だったし、世界中からの観光客を含む、たくさんの観客でいっぱいだった。イギリスで、いや、世界中で、この作品が愛されていることを肌で感じ、感極まって涙した。

クリスティー未経験者で、どれか読んでみようかな、と思っている方には、短くてちょうどよい作品だと思う。よろしければ、ぜひ読んでみてください。

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