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【読書録】『そして誰もいなくなった』アガサ・クリスティー

今週はお盆の週。祝日に有休を足して、仕事をお休みすることにした。久しぶりのまとまった休み。でも、いつもの夏休みと違い、どこかに遊びに行くわけではない。

そこで、夏休みのささやかな楽しみとして、今週は、私の大好きな推理小説作家である、アガサ・クリスティーの作品のうち、マイ・ベスト5をご紹介する「アガサ・クリスティーウィーク」にしようと思う。

(※ちなみに、これは、私がnoteを始めてから、ちょうど100番目の記事。記念すべき100回目に、私の大好きなアガサ・クリスティーについて書けるのはとても嬉しい。)

アガサ・クリスティーは、イギリスの推理小説作家で、ミステリーの女王と呼ばれている。生涯100以上の作品を残しており、その小説や戯曲は、世界中で、映画、演劇、テレビなどで親しまれている。彼女については、こちらのWikipediaに説明がある。

まず第一弾は、『そして誰もいなくなった』(原題:"And Then There Were None.")である。私の半世紀の読書人生で読んだ推理小説のうち、不動のマイ・ナンバーワンである。アガサ・クリスティーの代表作のひとつ。1939年。

有名なストーリーだし、ネタバレ厳禁なので、トリックには触れないが、孤立した環境で、登場人物がひとりずつ謎めいた死を遂げていく、スリリングな展開だ。登場人物は多いが、テンポがよく読みやすい。一度読み出したら、続きが気になって仕方がなく、寝る前に読むと、確実に睡眠不足に陥る。登場人物のそれぞれの性格や感情、考え方が生き生きと描かれている。

巻末の解説は、赤川次郎先生だ。この解説がまた良かった。彼曰く、インタビューなどで、「一番好きな作家は?」「好きな作品は?」と聞かれると、少しのためらいもなく、本書だ、と答えたという。私は彼の作品(三毛猫ホームズシリーズなど)も好きで、昔よく読んだのだが、彼が私と同じことを言っていたと知って、感激した。

彼の解説によると、本作品には、彼が「エンタテイメント」に求めるものがすべて揃っているという。それらは、①一晩で一気に読み切れる長さであること、②サスペンスに満ちた展開、③少しも残酷さや陰惨な印象を与えないこと。なるほど、そのとおりだし、全く同感だ。

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本作品を初めて手に取ったのは、確か、中学生の頃だった。それまでは、児童用の推理小説のうち、ホームズやルパン、江戸川乱歩作品などを読んでいたが、この作品に初めて出会って衝撃を受けてからは、彼女のハヤカワミステリ文庫の作品を読み漁り、アガサ・クリスティーファンになった。

この作品は、私を、子ども用の推理小説から、大人の推理小説に脱皮させてくれた一冊だったかもしれない。

それ以降は、学校から帰ったら、部屋に閉じこもってクリスティーに没頭する日々となった。晩ご飯の時間になり、階下から、おかんに「晩ご飯だよ、降りておいで」と呼ばれても、「はーい」と生返事をして、そのまま読み続け、いつまで経っても食事に行かず、おかんによく怒られた。

そして、この作品を含む、いくつかの特に好きな作品については、ハヤカワミステリ文庫の和訳版に飽き足りず、原書のペーパーバックも入手し、辞書を引きながら読んだ。

さらに、24歳のときに出かけた初めての海外旅行では、彼女の故郷である、イギリスのトーキー(Torquay)をひとりで訪問した。

(※このときの旅行記を記事にしたいが、20年以上前のことなので、写真(当時はフィルムを現像したもの)や当時の旅ノートが手元にない。おそらく実家の物置に眠っていると思う。見つかったらまたアップしたい。)

それくらい、クリスティーとその作品については強い思い入れがある。

クリスティー作品についてご存じない方や、昔読んだけど忘れちゃったという方には、ぜひ、ステイホーム中の娯楽として、お勧めしたい。そして、もしクリスティーファンの方と繋がることができれば、とても嬉しい。

ご参考になれば幸いです!

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