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[小児科医ママが解説] 「フォローアップミルク」を使うべきお子さんとは?

離乳食をあまり食べなくて…

普通のミルクじゃなくて
フォローアップミルクにしたほうが良いですか?

もうすぐ1歳になるので

寝る前のミルクは
フォローアップミルクにしたほうが良いですか?

今日はこんな
「フォロミ」に関するご相談に
お答えしていきます。

肉・魚・豆腐 を食べない子。


フォロミを使ったほうが良い子って、どんな子ですか?
と聞かれたら

肉・魚・豆腐 を食べない子です

というのが答えになります。

要は「タンパク質」を食べてくれない、
あるいはアレルギーなどの都合で食べられないお子さんですね。

通常のミルクと比べた、フォロミの利点は

タンパク質が多く含まれること

なんです。

ミルクを1日1000mL飲んでいる場合
摂取できるタンパク質は

フォロミ:約20g
通常のミルク:約15g

です。
生後9〜11カ月で1日にとりたいタンパク質は、25g。

あと一歩及ばないですが、フォロミのほうが、
より理想のタンパク質量に近づくことはできます。

逆に、これに当てはまらないお子さんには、

フォローアップミルクは いらない

ということを、米国小児科学会は強調しています。

学会としては、むしろフォロミは、離乳食のすすみが遅くなることなど、
“Harmful” な点もある、というスタンスです。

詳しくは過去noteで触れています。

フォロミで、カロリーは、かせげない。


フォロミで勘違いの多いポイントとして、

離乳食を食べる量が少ないから
フォロミでカロリーをかせぎたい

というものです。

が。

カロリーをかせぐために、
フォロミを使うのは、まちがいです。

これは、1gあたり9kcalもの熱量を生み出せる「脂質」の量が、
フォロミは少ないから
です。

詳しくは過去noteを参照ください。

鉄もビタミンDも、いまいち。


お子さんの成長に必要な、
鉄やビタミンD。

これらも実は、フォロミにすごく軍配があがるわけではないんですね。

鉄はたしかに、通常のミルクより約1.5倍多く含まれています。
が、体にどれくらい吸収されるかを考えると、
正直あまりメリットがないよな…という感じです。

これも過去noteに詳しくまとめています。

またビタミンDについても、フォロミのメーカーによって含有量が異なりますが、概して、通常ミルクよりも少なめです。

さらに聞き馴染みがないかもしれませんが、亜鉛や銅といった微量元素もお子さんの成長に大切です。
通常のミルクには、亜鉛や銅が含まれていますが、フォロミには一切含まれていません(0g)。


いかがでしょうか?

なんとなく、離乳食の進みが悪かったり、
1歳が近づくと気になってくるフォロミ。

正しく知って、正しく使っていただけるよう、
少しでも参考になれば幸いです。

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