[小児科医ママが解説] 胃腸炎のあと、いつから登園できる?
全国的に流行している、感染性胃腸炎。
急にお子さんが吐くと、本当に焦るし、吐物の処理も大変ですよね…
治ってきたかな?と思ったら、今度は「いつから登園できるんだ?」問題が出てきます。
厚生労働省は、ウイルス性胃腸炎の登園目安として
と発表しています。
ただ「下痢がダラダラあるけど、もう元気なんだけど…登園させちゃだめ?」みたいなケースも多くありますよね。
ということで、もうちょっと現実的な「登園の目安」をお示しします!
1.発熱なし。嘔吐なし。
これはマストです。さらにいえば、
という状況で、ですね。
2.下痢…は完全に回復しなくてもOKな場合も。
一番判断がむずかしいのが、下痢かと思います。
胃腸炎の経過として、
という場合も多いです。
下痢がいつまで続くかは、ウイルスによっても異なるので、一概にはいえません。
またロタウイルスやノロウイルスも「数日で治る」という記載がよくありますが、これは下痢が完全になくなるというわけではなく、
嘔吐がおさまる、というニュアンスで使われている印象です。
実際のケースでは、下痢が1週間以上つづくことはザラにありますし、
場合によっては2〜3週間かけて少しずつ治っていく、ということもあります。
でもだいたい、お子さんは数日すると、全身状態としてはすごく良く、元気なんですよね。
親御さんの仕事の都合で、2〜3週間も休んでなんかいられない!という現実的な事情もあると思います。
外来では、下痢が完全に回復していなくても、
というのに当てはまらなければ、登園許可書をお書きすることもあります。
※胃腸炎に登園許可書が必要かどうかは、園によって異なります。園の先生にご確認ください。
※下痢をどこまで許容するかも、園によって方針が異なります。上記はあくまで一医師の対応としてお受け止めください。
3.食事は普段の60〜70%くらい
冒頭の厚労省ガイドラインでは「普段の食事がとれること」とありますが、
具体的な量については記載がありません。
まずは、お粥などではなく、普段とっている硬さのご飯や、
他のおかずなどが食べられることにこしたことはありません。
園で出ているような食事内容が食べられるか、ということですね。
食事の量については、これは医学的な決まった見解はありませんが、
だいたい普段の60〜70%の量が食べられれば、十分かと思います。
胃腸炎のあと、すぐに食欲が改善するお子さんもいますが、
だいたいは1〜2週間くらいかけて、食事量が少しずつ回復していくケースが多いです。
もちろん食欲が完全に戻るまで、園をお休みできる環境なら良いですが、
親御さんのお仕事があると、なかなか難しい場合もあると思います。
また、集団でみんなで食べるほうが、食欲が出るというお子さんもいらっしゃいますよね。
感染力の高いウイルスが多いため、どんなに気をつけていても、胃腸炎にかかってしまう時はやってきます。
胃腸炎のあと、お子さんが登園できる一つの目安として、参考になれば幸いです。
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