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詩 (単独)

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#詩のようなもの

カノン

カノン

雨 降り始めた夜の11時
曇りガラスを開けずに見た月は
僕に今残った全部の歴史を
今さら摘み直させるんだ
暗闇に飽き飽きした僕は外の声に
ただじっと耳をすまして聞いてみたんだ

神様がいた窓越しの大きな光は
地平線の彼方から伸びる銀河鉄道の線路を
大きな楕円の螺旋状に連ねていた

汽笛を鳴らして何処かへ 連れられて行く君を
追いかけずにただ僕はじっと寝転ぶ夜だ
昔 願った僕の幸福主義を 踏みにじる

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見過ごしたんだ

見過ごしたんだ

池袋駅に止まって開いたドアをじっっと見つめて、ただ見つめて、動かないで、ただじっと見つめる。それが何を意味するでも、その先に待つ何があるでもない。ただその行為思考から、意味を引き剥がしてそれから完全なフラットになるんだ。いいかいそのまま、そのままにしておくんだ。

上板橋〜!上板橋〜!朧気な視界に何とも言えぬ浮遊感。再び産まれ落ちた現実は、生暖かいプラットホームに流れるサイボーグの鳴き声と少し効き

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アナログ執着

アナログ執着

チッ チッ チッ チッ
ブー ブー ブー チーン(繰り返されるアラーム)
午前 8時 00分
午前 8時 1分 白
午前 8時 2分 アメリカでは午後7時2分
午前 8時 3分 黒 見えないお空の彼方の雷雲
午前 8時 4分 白
午前 8時 5分 黒白黒
空 決して混じり合いはしない 執着執着
(アラームが止まる)

1.あれ、まだあの子今日は帰ってきてない

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十六夜

十六夜

見えない三日月の影を親指で隠しますとね、ふと、人は自分以外が分からなくなってしまうんです。影は影で、見えにくい物の哀れを楽しむのが、楽しく生きる術の一つなのです。

30分

30分

また繰り返してる 繰り返してる
30分ごとに私は休憩 僕は仕事を悲観して終生
頭の中の空白を探して30分 30分の労働
どこからか どこからだ
どこからか砂が流れ込む
砂が流れ込むどこかを追いかけ30分 30分
空白は 最早空白ではない30分 30分

(間奏)

汚れちまった悲しみは放置

汚れちまった悲しみは放置

うんと両腕を天に伸ばして、腰を落として、身体をくの字に押し曲げる。
ゆっくりと時間をかけて、全身がはち切れんばかりの痛みと心地良さを抱えた限界の体勢。
ここでキープ。ずっとキープ。
風が止みやがて虚無が訪れるまで、
ずっとキープ。
新宿駅、山手線14.15番線の間。
ずっとキープ。
じわじわと痛みに比べ心地良さの比率が増していく。風と日差しが肉体を浄化させていく。
きょうは日曜。

波

圧迫されています。
ひどく、ひどく圧迫されています。
身も心ももう押しつぶされて消えてしまいそうです。
圧迫されています。
ひどく、ひどく頭を蝕むように、じわじわと脳細胞を圧迫していきます。

聞き飽きました。最初は良かったです。
ですがもう聞き飽きました。
機械音声の敬語ほど気持ちの悪いものはありません。

ミームと化したこの情景も、そろそろみんな聞き飽きた頃じゃないか。
気持ちの悪い。気持ちの

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