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親愛なる20万円のベッド

私は20代半ばにして、バツイチひとり親です。

そんな私が1年前に20万円のマットレスを購入した話をしようと思います。

購入した当時は元夫と離婚調停中で、実家で生後10か月の子供を育てている状況でした。

我が子の保育園が見つからず、就職もしていない私が20万円のベッドを購入することに周囲は当然驚き、止める者がいたのも事実です。

「悪いこと言わないけらお金を貯めておけ」

しかし私はこれから起こるであろう戦の為に、絶対に良いベッドが欲しかったのです。

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当時、これから4つの戦が待ち受けていました。

・元夫との離婚調停
・養育費の請求
・保活
・就活

元夫との離婚は、弁護士に依頼しても数カ月以上膠着状態、とうとう調停しか手段がなくなっていました。

これまで平々凡々に暮らし、石橋を叩きまくって壊し、結局渡らないという選択をばかりしていた私にとって、今後の展開は恐怖そのものでした。

(家庭裁判所で調停?本当に私がするのか......?なんて現実逃避気味)

加えて「まだミルクを飲む我が子を抱えて、就職先が見つかるだろうか?」

「今後子供に寂しい思いや、貧しい思いをさせることになるのではないか?」

日中起きている間は、不安と恐怖に押し潰されそうでした。

そこで考えたのです。寝ている間だけは、最高に癒されたいと。

寝心地の良いベッドで良い睡眠をとることによって、翌朝「よく眠れて疲れが取れたから、今日も頑張ろう」と自然と思えるのではないかと。

理想的なベッドはすぐに見つかりました。その価格20万円。

当然ベッドフレームを買う余裕はなく、とりあえず20万円のマットレスだけ購入することにしました。

そしてその効果は想像以上だったのです。

とにかく大きくフカフカのベッドは寝心地がよく、寝相の悪い息子と寝ても体に負担がかかることはありません。

そして起床後に「今日も頑張ろう」と思えるだけではなく、日中の戦闘モード時中にも「帰宅したら、あのベッドで眠ることができる」と思うだけで、やる気に満ち、安心感が心を満たしたのです。

「私には、帰るべきベッドがある」そう思うだけで、自分を奮い立たせることが可能になりました。「とっとと戦を終えて、ベッドで眠りたい」とまで思えたのです。

恐るべきベッドマジック。

元々、睡眠を重要視しなければならない体質だったのもあり、「睡眠不足では戦はできぬ。」と常々文句たれていた私には、睡眠環境を充実させることこそが、最高にコンディションを整えることができる術だったのです。

そして良い睡眠で心身を回復させ、一度勝利を挙げると、「このベッドで眠ると戦に勝てる」という非常にポジティブな思い込みが生まれ、その後面白いくらいに連勝していくのです。

離婚、養育費、保活、就活、全てを望む結果で戦を終えることができました。

ベッドは私のホームであり、戦友です。一緒のお墓に入りたいと思う程度に愛着が湧いています。

一つだけデメリットを挙げるとすると、外泊できなくなりました。


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