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45か国以上を旅するなかで、いつか世界における弱者を助ける活動がしたいと思ってきました…

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45か国以上を旅するなかで、いつか世界における弱者を助ける活動がしたいと思ってきました。 日本における難民の現状を理解してもらえるような記事が書けたらと思っています。https://www.facebook.com/sayaka.ono.98

最近の記事

難民事例 その4 (エチオピア 男性:30代前半)完結編

(前回の続き) この逮捕により、私は政治犯に対する残虐な扱いで悪名高いマエケラウィ拘置所に収監されました。暗くて寒く横になることもできない小さい部屋に押し込められました。毛布はなく、食事は1日1食、トイレも1日に1度のみでした。そして看守は継続的に「政治活動をやめないなら、殺すぞ」と脅かしてきました。私は殺されてしまうかもしれないと大きな恐怖を感じながら、経過日数もわからずに収監され続けましたが、約2週間後に釈放されました。釈放時には、精神的にも身体的にも衰弱し、歩くこともで

    • 難民事例 その4 (エチオピア 男性:30代前半)続き1

      以下はエチオピア難民の彼から、私が聞き取りをした内容です。  私は10年ほど前に兄が運営していたメディア・広告サービスの運営に携わりました。 私はこのニュースサイトを通じて、エチオピアの国営メディアが取り上げないエチオピア国内及び世界の最新ニュースを国民に正確に伝えたいとの思いを持っていました。私と兄は全ての人は平等に扱われるべきであることを信念としています。そのため、ニュースサイトではエチオピア政府を批判していると受け取られかねないような記事を取り上げることもありました。

      • 難民事例 その4 (エチオピア 男性:30代前半)

         WELgeeで知り合ったエチオピア男性のDさんは澄んだ目が印象的な人でした。どうやら政府批判の記事を載せたウェブサイトを運営していて、目をつけられて逃げてきたらしいとうわさで聞きましたが、実際はもっと深刻な背景と20歳で投獄されるような経験があったと知ったのは、彼のビザ(在留資格)の変更手続きを担当して、きちんと聞き取りをした時でした。  彼は地元の大学できちんとビジネスと経済を学び、日本に逃れてきてからもWELgeeの支援によりMBAを修めていました。そんな彼でも、やは

        • 難民事例 その3 完結編(コンゴ民主共和国 男性:30代前半)

          その日の夜、私は両親に会いに行き、何が起こったのかを説明することにしました。家に戻って寝ようとしたら、弟からまた電話があり、弟の近所の人が、弟に留守中にアパートに武装した人たち(警察でも軍隊でもない)が来ていたと、伝えたと聞きました。捜査官と思われる、その人達は弟の留守中にドアを壊し、家の中に入ったということでした。その日の夜、私は自分の家で寝るのをやめ、友人宅に避難しました。翌日、弟から電話があり、調査団の一員であった同僚の一人が行方不明と知らされました。(おそらく拉致され

        難民事例 その4 (エチオピア 男性:30代前半)完結編

          難民事例 その3 続き4(コンゴ民主共和国 男性:30代前半)

          6月頃、弟から電話がありました。調査を担当していた部長が逮捕され、調査に参加した全員が解雇され、コンピューターもすべて廃棄されたとのことでした。そして、OLBCのコンピュータはすべて警察に持ち去られたそうです。私の弟の説明によると、私たち(初動捜査チーム)は汚職で逮捕される可能性があるとのこと。発覚を恐れた権力者側の証拠隠滅のための、濡れ衣ですが、そのために逮捕されるかもしれないということがわかりました。その時、私は会社に行く途中でしたが、同じようなことが当社側にも起こるかも

          難民事例 その3 続き4(コンゴ民主共和国 男性:30代前半)

          難民事例 その3 続き3(コンゴ民主共和国 男性:30代前半)

          私達は、日本に逃れてきた難民の人達がそれぞれ、どんな人生ドラマを持っているか知らずに、会社の同僚として、またはイベントで知り合った友人として、接することが多いです。彼らも、トラウマとなっている過去があり、あまり話をしてくれることもありません。今回の記事だけでなく、ここで記す詳細が、少しでも実感となって、皆さんに何が他の遠い国で起きているのか、法に守られた日本にいる私達には想像できない世界に若者がさらされて生きていることの理解の一助になれば幸いです。  私がCさんから聞いた一連

          難民事例 その3 続き3(コンゴ民主共和国 男性:30代前半)

          難民事例 その3 続き2(コンゴ民主共和国 男性:30代前半)

          Cさんが新婚2ヵ月の妻を祖国に残して、悲しみと不安の中、台風の日に成田空港に降り立ちました。行くあてもない彼は、とりあえず、連絡がいってるかわからない弟を待つことしか、思いつきませんでした。台風だったということもあり、弟が果たして空港に来れるかもわかりませんでした。午前中に着きましたが、何時間も降りた空港のロビーでずっと弟の姿を探してました。夕方の4時ぐらいになり、あきらめかけた頃、エスカレーターに乗っている弟の姿を見かけました。それは、本当に奇跡といえる偶然だったと思います

          難民事例 その3 続き2(コンゴ民主共和国 男性:30代前半)

          難民事例 その3 続き1(コンゴ民主共和国 男性:30代前半)

          Cさんが国を追われた理由は、会社の汚職でした。脱税、賄賂などはコンゴ民主共和国は通常に行われていて、政府関係者が彼の企業を利用して、不正に横領したのが、発覚。調査チームにいた彼自身は汚職に関わっていなかったにも関わらず、政府側から証拠隠滅として、一方的に多数の逮捕者と殺人が行われ、彼は新婚2カ月で奥さんを実家に帰して、日本に逃げてこざるを得ませんでした。アフリカの国々の多くは権力者にとっては、無法地帯です。  彼の人生は興味深いです。奥様は敵国ルワンダの人で、ルワンダの企業

          難民事例 その3 続き1(コンゴ民主共和国 男性:30代前半)

          難民事例 その3(コンゴ民主共和国 男性:30代前半)

          行政書士としてかかわった難民事例3人目Cさんも、同じコンゴ民主共和国からの男性です。この国はここ数年、東のルワンダとの国境を中心に、ルワンダとも紛争が起きていて、非常に政治的混乱と反政府活動への弾圧が強く、無法地帯となっています。よって、人生を変えようと反政府的な活動をした若者達が、命の危険性を感じて、国を追われる事態となっています。 Cさんとは、WELgeeの活動で出会いました。おっとりした好青年で、誰もがサポートしたくなるような、人柄でした。コンゴ出身ながら、インドの名

          難民事例 その3(コンゴ民主共和国 男性:30代前半)

          難民事例 その2 完結編(アフリカ 女性:30代前半)

           Bさんは、スマホを取り上げられていたし、部屋には時計すらなく、外界の様子が分かるものも、ありませんでした。毎日のように、何回もレイプされ、時間や日にちの感覚や自分が生きている感覚すらほぼ失っていきました。そんななか、半年ほど経ったある日、突然Bさんの勾留されていた部屋の外から、大きな音が聞こえました。そして、間もなくしてBさんがいた部屋の扉が開いて、扉を開けた人が「逃げろ!」と言いました。部屋の外では多くの人が出口に向かって逃げていました。  Bさんは、同じ建物から脱走した

          難民事例 その2 完結編(アフリカ 女性:30代前半)

          難民事例 その2 続き1(アフリカ 女性:30代前半)

          ここからは、Bさんが難民になった経緯、監禁されてからの経験を、記述しています。内容が過酷なので、読み飛ばしたい方は、前回のまとめ記事だけ、ご参照ください。 Bさんは、本国で大学を出て、会計学を修めています。意識が高い彼女は、当時の大統領に対峙する野党の党員となりました。デモなどに市民や若者を動員する活動をチーム責任者として担当し、主に自分の居住している地域で、政権への反対やデモへの参加を呼びかけるビラを配って、動員活動をしていました。当時、警察や治安部隊は、デモの時以外にも

          難民事例 その2 続き1(アフリカ 女性:30代前半)

          難民事例 その2(アフリカ 女性:30代前半)

          この方(以下Bさん)は、一度、難民申請が不許可になった後に弁護士さんをたてて、再度申請した後の許可でした。 弁護士さんが、再申請のために作成された資料は、国の政治的背景から、Bさんの聞き取りも含めて、意見書は40枚に及び、内容として、そのお仕事のレベルの高さに、頭が下がる思いでした。この難民女性は、反政府のデモのビラ配りをしたことで、身柄を拘束され、監禁されました。その時にされた、レイプのトラウマから、最初に自分で難民申請をした時は、何もきちんと説明できませんでした。不許可

          難民事例 その2(アフリカ 女性:30代前半)

          難民事例 その1 追記(コンゴ民主共和国 男性:30代前半)

          完結編を書いて、入管(品川にある、東京出入国在留管理局)に申請をして、あとは許可を待つだけとクローズしたつもりの事例でしたが、思いがけず、入管のほうから追完といい、審査に対する疎明資料が足りないという通知をうけました。提出日が決まっていて、追加で揃える必要があります。 求められた以上に60ページにもわたって、書類提出をしていたので、行政書士ビギナーの私は、なぜ?という感じだったのですが、それ以上に追完を求められた理由がショックでした。彼のコンゴ民主共和国で卒業した学校はあき

          難民事例 その1 追記(コンゴ民主共和国 男性:30代前半)

          難民事例 その1 完結編(コンゴ民主共和国 男性:30代前半)

           まだ、行政書士の資格を得て、研修中の私ですが、資格を得たからといって、直ちに顧客のために入管に申請ができるわけでは、ありません。入管に申請できるようになるには、さらに取次申請といって、取次研修をうけて、申請取次行政書士資格を取得して初めて、できるようになります。こちらは、年に数回しかない研修なので、行政書士登録を済ませても、できるようになるまで、数か月はかかります。余談ですが、さらに特定行政書士といって、特定の研修を受けることで、行政不服申し立てに係る手続きの代理を行う事が

          難民事例 その1 完結編(コンゴ民主共和国 男性:30代前半)

          難民事例 その1 続き3(コンゴ民主共和国 男性:30代前半)

          Aさんは、カトリック教会でWELgeeの渡部代表と知り合いましたが、アフリカの方々は、カトリックが多いので、難民で来た人は宗教上の観点から、教会からのサポートを受けることも多いです。実際、母国での反政府デモも教会が主導したものも多かったのです。 (参照記事: https://www.asahi.com/articles/ASL114RK6L11UHBI007.html Aさんは、WELgeeとの出会いをきっかけに、JobCopassという、難民の就職支援事業を利用して、I

          難民事例 その1 続き3(コンゴ民主共和国 男性:30代前半)

          難民事例 その1 続き2(コンゴ民主共和国 男性:30代前半)

          (前記事からの続き)自分の身に危険が迫っていると危惧していたAさんのもとに、叔父が諜報機関員である友人から、当局が参加者リストを作成中で、一刻も早く国を離れなければ逮捕されると連絡がありました。Aさんは大学でコンピューター管理のライセンスを取るコースに在籍していましたが、断念せざるを得ませんでした。 なぜなら参加者全員が諜報機関から狙われているとの情報が、その友人から入ったのです。幸いなことに、外交官をしている友人の叔母がコネを使って、彼と友人達の出国を手伝けしてくれることに

          難民事例 その1 続き2(コンゴ民主共和国 男性:30代前半)