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難民事例 その4 (エチオピア 男性:30代前半)続き1

以下はエチオピア難民の彼から、私が聞き取りをした内容です。

 私は10年ほど前に兄が運営していたメディア・広告サービスの運営に携わりました。 私はこのニュースサイトを通じて、エチオピアの国営メディアが取り上げないエチオピア国内及び世界の最新ニュースを国民に正確に伝えたいとの思いを持っていました。私と兄は全ての人は平等に扱われるべきであることを信念としています。そのため、ニュースサイトではエチオピア政府を批判していると受け取られかねないような記事を取り上げることもありました。これは、自分自身が2011年から野党である民主正義統一党(Unity for Democracy and Justice Party in Ethiopia:以下UDJ)を支援してきたことにも関係しています。UDJは非武装集団であり、主要な政治目的は民主的価値の確立と人権の尊重です。
 2014年の9月に私は公安警察により、逮捕状の呈示なく逮捕されました。逮捕理由はわかりませんが、上記に述べた活動に私が関わっただけでなく、大学時代に私が関与した抗議デモなども影響していたのではないかと考えています。
 当時、私が所属していた大学において、ある学生が寮の門限より早く門を閉めた警備員ともめた際、警備員の発砲により亡くなったという事件があり、在学中の学生の大部分である4万5千人が参加した大きな抗議デモが起こりました。抗議デモは大学の窓ガラスが壊されるぐらいに大きなものとなり問題となりました。私は学生の日常生活を支援する委員会のリーダーとして当時、学生の代表的な立場にあり、この事件後の交渉において大学側と学生側の仲介を務めていました。大学は政府の管轄にあり、この事件を収束させるにあたり私が邪魔であったことは明らかで、卒業と同時に手を引くように脅迫をうけるようになっていました。逮捕は私が大学を卒業後に就職して2ヵ月、23歳の時でした。(続く)
 

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