見出し画像

難民事例 その3 続き4(コンゴ民主共和国 男性:30代前半)

6月頃、弟から電話がありました。調査を担当していた部長が逮捕され、調査に参加した全員が解雇され、コンピューターもすべて廃棄されたとのことでした。そして、OLBCのコンピュータはすべて警察に持ち去られたそうです。私の弟の説明によると、私たち(初動捜査チーム)は汚職で逮捕される可能性があるとのこと。発覚を恐れた権力者側の証拠隠滅のための、濡れ衣ですが、そのために逮捕されるかもしれないということがわかりました。その時、私は会社に行く途中でしたが、同じようなことが当社側にも起こるかもしれないので、注意しなければならないと思いました。職場であるマイクロファイナンスの地域事務所周辺に到着すると、いつもと違う動きがありました。駐車場には見慣れないSUV1台とピックアップの警察車両2台が止まってたのです。私は事務所に入るのをやめ、事務所の向かいにあるレストランに入ることにしました。携帯に上司から電話がかかってきたのですが、相手は別人でした。知らない声のその人は、「解決しなければならないことがあるので、出社してほしい」と言いました。上司と話したいと私が言いましたが、上司は今忙しく、電話に出られないと言われました。その時この状況は危険で事態は深刻かもしれないと思い、私は家に帰ることにしたのです。その日の半ば頃、職場の清掃員から電話があり、監査役と上司が逮捕され、私のことも探しているとのことでした。これを聞いて、この問題の背後には大きな力があり、自分の身が危険な状態になっていることを実感しました。(続く)
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?