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難民事例 その5(カメルーン 男性:30代前半)

 カメルーンはWELgeeでも何人かの難民と出会っていて、男性も女性も社交的な人が多いです。その社交性で世渡り上手な印象があります。同じアフリカでも、隣に位置するのに国によって国民性が違うのが興味深いところです。今回、ご紹介するEさんは、WELgeeのイベントで知り合いました。他の難民の人達と似たような経緯で、難民となって教会のサポートをうけていたら、そこにいた人からWELgeeを紹介されたそうです。WELgeeは、難民の人達がイベントに参加する際には交通費を負担しています。難民申請中の特定活動のビザがもらえるまでの間の8か月、働くことができない彼らにとって交通費は大きな負担です。

 Eさんは、おかれている環境の大変さにも関わらず笑顔で話すことができて、カメルーン国民の社交性と併せて、彼独特の優しく穏やかで謙虚な感じがあるチャーミングな人でした。ただ彼の状況は厳しく、イベント会場でWELgee代表の渡部カンコロンゴ 清花さんと彼の聞き取りをした時に、「この件は厳しいですね、、、」と私が漏らすと、「でも、なんとかしたいですよね」と返されたのを覚えています。その言葉をうけて、そうだな、何かできる事があるかも知れない、いや、あるのだろうか?と思いました。

彼のその時の厳しい状況というのは、難民申請をしたものの5か月待った時点で就労許可を与えられない、と入管から言われてしまった事です。入管側の説明はEさんはJAICAの農業研修のビザで日本に入国したから、というものでした。しかし、彼の話を聞くと農業研修の間に住居が襲われて焼かれ、同居人のいとこは亡くなってしまったという事でした。既に農業研修で来日する前から脅迫はうけており、それでも来日当初は帰国するつもりでいたのですが、とうとう同僚達まで捕まって殺される動画が、研修が終わって帰国準備のコロナ検査をうけている時に送り付けられてきたというのです。


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