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難民事例 その3(コンゴ民主共和国 男性:30代前半)

行政書士としてかかわった難民事例3人目Cさんも、同じコンゴ民主共和国からの男性です。この国はここ数年、東のルワンダとの国境を中心に、ルワンダとも紛争が起きていて、非常に政治的混乱と反政府活動への弾圧が強く、無法地帯となっています。よって、人生を変えようと反政府的な活動をした若者達が、命の危険性を感じて、国を追われる事態となっています。

Cさんとは、WELgeeの活動で出会いました。おっとりした好青年で、誰もがサポートしたくなるような、人柄でした。コンゴ出身ながら、インドの名前が知られた大学を出たエンジニアでした。ただ、私が出会った時は、難民特定活動の在留資格を持ったものの、これは6カ月ごとの更新なので、企業側が採用を敬遠しがちで、長い間就職が決まらず、かなり精神的に参ってきている感じがしました。大卒なので、採用が決まれば、ビザをワーキングビザと呼ばれる、技術・人文知識・国際業務の在留資格に切り替えられるのですが、企業側では、面倒だなというだけで、足切りされてしまいます。

難民の人達は、働ける資格を得るのすら、難民申請してから、8か月かかります。難民認定申請を受付すると、多くの場合、最初に2ヵ月の特定活動がもらえます。その間に、難民申請書の確認がされ、その内容に応じて A、B、C、D の各グループに振り分けられます。振り分けられたグループによって、今後受け取ることができる在留資格が決定します。多くの場合はDグループに振り分けられ、難民認定申請をしてからおよそ8か月後に、6ヶ月の「特定活動」の在留カードがもらえ、就労が可能となります。8か月もの間、生活が不安定なまま、保証もなく、働けずに異国の地でひたすら許可が出るのを待つ、難民の人たちの心境とを考えると、心が痛みます。持参したお金はそうそうに使い果たし、ホームレスになる人達も全然、少なくないのです。Cさんも、JAR(難民支援協会)のサポートを受けると言っても、入国直後の宿泊場所は、ジャンパーをもらい、JARの隣の公園で夜を過ごし、昼間に事務所で体を横にさせてもらうという生活が3週間ほど続きました。雨が降った日は公園のトイレに夜中ずっと立ちぱなっしで、雨をしのぐしかなかったのが、辛かったと言っていました。

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