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変革と伝統 #5 伝統工芸と現代社会をつなぐ私のプロジェクトに本が教えてくれたこと

久しぶりに、紙の本をちゃんと読む

大阪の自宅と京都の実家は阪急一本で行き来できる。
という事に、この実家詣でを始めて気が付いた。

新社会人になった頃は、実家から阪急に乗り梅田経由で四つ橋線に乗り換えて通勤していた。
1時間ちょっとかかっていただろうか……と思って今マップで経路検索したら本当にちょうど1時間だったので、実質1時間半ぐらいだっただろう。
あの頃「周りがみんなポケベルを持っている中リープフロッグしてガラケーを使い始めた」ぐらいの時代感で、出先でマップ検索なんてまだ存在しなかった。

その往復2-3時間の通勤で、私はいつも本を読んでいた。
「読書そんなにしてないんだよねー」と思っていたのだけど、毎日通勤で読んでいたのならそこそこ紙のコンテンツ消費してたのかもしれない。
雑誌も読み応えのあるものが好きだった。

今はというと、旦那さんが車行動派かつ職場との距離感は徒歩圏内、というこだわりなので、電車に乗ることがめっきり減ってしまった。
そして徒歩通勤で一番困る事は「通勤中に何かを読む」ができないことだ。
今の職場まで電車通勤が必要だった最初の一年ほどは往復の通勤時間にスマホで仲間の日報を読んだりネットコンテンツを読んだりしていたのが、徒歩圏内に引っ越してから仕事と生活の境目があいまいになり、仕事にも生活にも浸食されない時間というものが無くなってしまった。

という訳で前置きが長くなってしまった。
ちょっと前に買った『中川政七商店が18人の学生と挑んだ「志」ある商売のはじめかた』が読めてなかったので、この実家詣での車中で読むことにした。

書籍の紹介は本家に譲ります。

このプロジェクトの紹介はこちら。

目次 『中川政七商店が18人の学生と挑んだ「志」ある商売のはじめかた』

  • はじめに 本書の読み方<「志」ある商売には何が必要か>

  • PROLOGUE 「もうひとつの日本」をつくるアナザー・ジャパン

  • 1章 会社と中期経営計画

    • 会社とはなにか?

    • 中期経営計画

  • 2章 競争戦略と戦術

    • 競争戦略、戦術とは何か?

    • 競争戦略をつくる3つのアプローチ

  • 3章 3つの現状分析

    • 現状分析(収支)

    • 現状分析(3C)

    • 現状分析(SWOT分析)

  • 4章 マーケティング

    • マーケティングのフレームワーク

    • STP分析

    • AISAS

  • 5章 ブランディング

    • ブランディングとは何か?

    • ポジショニング

    • コンテンツの3つのレイヤー

    • ブランドの組み立て

  • 6章 ビジョン

    • ビジョンのつくり方

    • ビジョンの決め方

  • 7章 コンセプト

    • コンセプトとは何か?

    • アナザー・ジャパンのコンセプト設計

  • 8章 ミッション、バリュー、行動規範

    • ミッション、バリュー、行動規範

    • 中期経営計画のまとめ

  • COLUMN-1 キュウシュウのコンセプトと商品セレクト

  • 9章 ファンクション① プロダクト

    • 3つのファンクションチーム

    • プロダクト

    • 売り場演出

  • 10章 ファンクション② コミュニケーション

    • コミュニケーション総論

    • コミュニケーション設計の流れ

    • コミュニケーションで最も重要なのは「愛と積み重ね」

  • 11章 ファンクション③ オペレーション

    • オペレーション総論

    • レジ設計

    • オペレーションが差を作る

  • 12章 問題解決

  • COLUMN-2 キュウシュウ、ホッカイドウトウホクのその後

    • アナザー・ジャパンの現場で見てきたビジョンファースト経営の重要性

  • おわりに

今回、大阪から京都への道中に読めたのはP42まで。

  • 2章 競争戦略と戦術(P41)

    • <この章のポイント>(P42)

      1. 会社の力=ビジョン✕競争戦略✕組織能力。

      2. 商売には競争戦略が必要。

      3. 戦術は戦略を実現する手段。明確な主従関係がある。

      4. 競争戦略をつくるアプローチは「現状分析」「マーケティング」「ブランディング」

まだ、抽象の段階なのだけど、すでに私の中の「やったる」感の体温が上がるのがわかる。
具体への落とし込みが楽しみで仕方がない。

『はじめに 本書の読み方<「志」ある商売には何が必要か>』

以下、各見出し内で読んで思ったことを書いていく。

また、ブランドが動き出した後のフェーズについても考えていきます。ブランドをつくるフェーズと、ブランドが動き出した後のフェーズとでは考え方がまったく異なります。この切り替えがうまくできずに、結果としてうまく立ち上がらないブランドを数多く見てきました。

書籍より引用P3

ホントそうだよな、と思う。
本業の会社でも新規事業開発からローンチのタイミングがあった。
頑張って開発しているとついついローンチがゴールみたいな気分になっちゃいがちなのだけど、それはあくまでもステージに立ったに過ぎない。
船なら着水しただけか。
で、売上が思ったほど立たないとか、利用者が荒ぶってるとか、単に物を作ってるだけでは起こらない課題がどんどん発生しだして、パニック状態になる。
それって「作る」ことに集中していたあまり、手段が目的化しちゃうという罠でもあるんだろうな。
なので、私はまだ何もしていない段階だけど、このローンチ時の頭の切り替え問題の解決の仕方は、結局「切り替えなくて良くする」なんじゃないかと仮定してみたりする。
作ってる段階はプロダクトアウト、ローンチしてからはマーケットイン、で矢印が逆になるから混乱するわけで。
それはきっと開発段階から小さくマーケットインし始めていられたら、ガラッと頭を切り替えるんじゃなくスムーズに移行できそうな気がするし、開発に協力してくれていた利用者から歓迎を持って受け入れてもらえるのではないか、と思ったり。
そして、開発段階から利用者をプロジェクトに関わらせるということは、ビジョン(大目的)が明確でなければならない。
「これ(大目的)をやるために開発している」という、関わる人全てが灯台にできるものがあればこそ、「そのためにこの船をつくる」「そのために意見を聞く」「そのためにローンチする」「そのために運営する」と、常にブレずにこの船を進めていくことができると思う。

本音と建前、理想と現実、ダブルスタンダードに陥らず、いい会社をつくりたい、いい会社で楽しく働きたいと思っているすべての方に

書籍より引用P4

うちの会社のグループには「BASIC」と呼ばれる行動規範が掲げられている。
その各項に添えられたグループ大ボスの解説には、創業期の苦労とそれを乗り越えるためにやってきた組織改革、そしてそれがこの規範として結実した熱い想いの全てが詰まっている。
ところが、サラリーマンの宿命なのか、後からグループインしたカルチャーギャップか、うちのボスはそれを真に受けていない。
このBASICに限らず、あらゆる型やルール、仕組みに沿わず「形式的なもんやから」「そこにそうは書いてあるけども」「ダブルスタンダードなとこあるんで」と、言い訳ばかりしているように私には見える。
そしてこういった「理想」や「価値観」を「意識高い系」と揶揄して煙たがる層がうちの会社ではそこそこ幅を利かせている。
そんなじゃ会社は成長しないに決まっている。
規範に従って「必ず成功する」とは言えなくても、先人の経験から得られた「失敗しない方法」をシェアしてくれているのに、それを信じないのであれば何を信じて行動しているというのだろう。
もしそれを伝えたら「いや“信じる”とかそういうのじゃないんで」って言うんだろうな。

1章 会社と中期経営計画>会社とはなにか?

ダメな経営者がどんな人かというと、問題が見えない、問題なんてないと思っている人です。

書籍より引用P27

これだよ……
ボスの愚痴ばかりになって、自分の目標設定の話から脱線するので、これ以上書かないようにしよう。。

何をするにも、「そもそも」をクリアにしておかないと進みにくいものです。みんな、会社って何ですか。会社は何のために存在しているのでしょうか。

書籍より引用P28

会社とは。
「仕事」の第一歩は「ある一人による価値の提供とその対価の交換」。
そういう人が世の中にいっぱいいて、世の中の経済活動は回っている。
なんなら「会社」はここに登場しない。
なくても経済活動は回る。
で、そのある一人の「やりたいこと」をサポートしたり拡大したりするために、その人を中心とした人の集まりができ、組織化していく。
それが会社。
つまり、「会社」の存在目的は「ある目的を達成するための効率化」になるだろうか。

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